長時間の駐車監視によるドラレコへの負荷について

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

最近は日本メーカーのスタンダードグレード以上のドラレコの保証期間は、3年に足並みが揃いつつあります。

これはユーザーにとっては喜ばしい事ですが、新たに保証期間を延長するメーカー側にとっては大きなリスク要因になり得ます。

…と言うのは、そもそもドラレコ自体が車と同様に、ユーザーごとの稼働時間が大幅に異なるガジェットだからです。

そして、その稼働時間を極端に伸ばす運用方法が長時間の駐車監視です。

ドラレコに限らず電子デバイスは故障率100%です

これは当たり前の話ではありますが、ドラレコに限らず全ての電子デバイスは、使い続けるといつか必ず故障します。

つまり、最終的な故障率は100%と言う事になります。

機種によって故障し易い部分(例えばmicroSDカードの読み取り端子など)は異なりますが、全ての電子部品は、主にガジェットを使用した際の発熱によって徐々に劣化します。

そして、ドラレコのパーツ類の中で最も弱い部分から壊れて行くと言う塩梅です。

例えば、現在は対策されていますが、初期のMAXWINの「MDR-A001」のカメラにも弱い部分がありました。

「MDR-A001」のカメラ故障の傾向と修理方法について解説
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3年保証のドラレコはどの程度壊れにくいのか?

トラックやバス、タクシーなどの法人車両の場合、一日当たりのドラレコの稼働時間が非常に長いものになります。

一方で一般ユーザーにおいては、おそらく1日あたり1~3時間程度の通勤や、週末の10時間程度のレジャー使用が平均的なドラレコの稼働時間になるのではないかと思います。

おそらく…なのですが、3年保証を謳っているメーカーであっても、極端な話1日24時間ぶっ続けで使用し続けて、電源を落とさないまま3年×365日×24時間=26,280時間の連続使用を想定はしていない筈です。

そもそも、この条件を満たすかどうかをテストするだけでも3年以上掛かりますから、新製品の耐久性は過去に販売した製品の不良率から予測するしかありません。

従って3年保証の製品であっても、使い方によっては3年未満での故障率は意外と高いものになるかも知れません。

長時間の駐車監視はドラレコの故障率を上げる

そしてここからがこの記事の本題ですが、駐車監視を想定しない使い方では、週の平均的なドラレコの駆動時間は、おそらく25時間程度になろうかと思います。

3年間では…

・3年×52週×25時間=3,900時間

そして、これに毎日12時間の駐車監視を追加すると

・3,900時間+3年×365日×12時間=17,040時間

と、平均的な駆動時間の4.37倍となります。

つまり、毎日12時間の駐車監視をした場合の故障リスクは、一般的なケースの4.37倍であると言えそうです。

長時間の駐車監視前提なら、保証期間が長い製品を選びたいが

このような事情から、長時間の駐車監視を行う前提である場合、ユーザー側としてはなるべく保証期間が長い製品を選びたいところですが、保証期間が長い製品の画質や機能が優れているとは限りません。

画質や機能面から、私が最もおすすめしている駐車監視モデルはVANTRUEの「N4」(最大1.5年保証)です。

また、次点ではカーメイトの「DC4000R」辺りになろうかと思うのですが、こちらは1年保証となっています。(現行では3年になった模様)

一般的な2カメラドラレコであれば、画質や機能面で各社の製品の差が縮まって来ていますので、比較的保証期間を重視する考え方で良いと思うのですが、3カメラ以上の駐車監視モデルとなるとなかなか難しいところですね。

因みにLaBoon!!でサポートを代行している「MDR-A002」については、検証無しに2年保証としていますが、駐車監視モデルとして今後どの程度の不良品率になるかは全く不明です。

コメント

  1. 星島 より:

    DC4000Rを検討しており、大変有用なレビューに感謝しております。ところでメーカーHPの録画機能仕様には保証3年と書かれていますが1年保証なのでしょうか?

  2. ドラレコマニア より:

    お疲れ様です。
    ドラレコを使ってる身としては中々興味ある記事に感謝いたします!

    ドラレコの運用の仕方や一日当たりの運用時間は人により多様でしょうが、今回の記事は駐車監視による運用時間の長さということですね。

    長時間運用による故障ありきで考慮した場合、到達する議論のひとつは保証期間ということになりますが、外国産のものを使ってる私を含めた多数の人間からすると耳の痛い話ですね(笑)。

    国産と外国産の価格差がそのまま保証の有無(or 長さ)の差というお話になってしまいそうですが、私的にはまだまだドラレコの機能性が過渡期であり、1年ほど経てばより高機能な機種が発売されている可能性を鑑みると買い替えの選択肢があるのではないかと思ってしまってます。また、過去のOmi様の記事からも国産だからといってその保障体制が完璧とも思われませんので(笑)。
    ちなみに私の思う理想的な完成系のドラレコとは「ikeep」とかネットワークカメラのような機能を含有し高画質なカメラを備えた総合的なものだと思ってます。

    閑話休題
    現時点では結局運用時間の中の駐車監視時間の縮小は個々の努力でしかないのではないのでしょうか。
    たしかに何も考えなく「とにかく駐車中はドラレコで監視!」と日々自動的に機器を運用するのは楽ですがその代償が保証期間の如何や新品購入の負担となるのでは。
    例えば駐車監視が不要な状況では自身でオフにするとかあるいは「ikeep」を使うとかしてドラレコの負担を抑えるとか。
    私は今では小型のポータブル電源を車内設置(エンジン稼働中は車両から充電)してドラレコはそこから通電してオンオフスイッチを設けて常時録画による駐車監視をしております。
    さんざん私的なことを申してしまいましたが、個人的に駐車監視時間を調整できるのならその努力を、そうでないのなら保証に期待という単純なお話でしたね(笑)。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣 より:

      ドラレコマニア様
      今はまだ長時間の駐車監視をするユーザーは少数派ですが、今後は増えて来るかも知れないですし、そうなると日本の3年保証のメーカーも対応に苦慮するかも知れないですね。
      コストはメーカー全体で販売価格に反映させるでしょうから、個人レベルで見ると長時間の駐車監視ユーザーは得をしているとも言えますね(笑)

      一般的には韓国系の製品は常時駐車監視が前提で開発されていますので耐久性は高いと考えられ、スペック重視の中華メーカー、日本メーカーでも中国背景の生産モデルは弱いかも知れません。

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