ドライブレコーダーのノイズ対策と、ノイズが少ないであろうドライブレコーダー

※2022年2月1日更新:最新の情勢に合わせて内容を見直しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

このところ、何件か特定のドライブレコーダーに関するノイズの影響についてご質問を頂いていますので、今回はドラレコのノイズの影響や対策について解説します。

ドライブレコーダーのノイズの影響にはどのようなものがある?

電気で動く電子機器は少なからず電磁波を出しながら駆動しているものであり、リニアモーターカーや高圧線などの近くでは、人間の健康にも影響を及ぼすほど強い電磁波が出ている可能性が指摘されています。

因みに私は今年中に転居を予定してまして、その転居先が比較的近い位置に高圧線が通っているような場所なのではありますが、このようなケースでは管轄の電力会社に依頼すると、このような専門機器で電磁波の強さを測定して貰う事が出来ます。

また、素人でも簡易的に電磁波を計測できるようなガジェットも販売されており、このようなメーターで家庭内のPCやテレビなどの電磁波を計測してみると、余裕で針が振り切っちゃったりする事もあります。

電磁波の人体に対する影響は良く分からないところもありますが、対ガジェットという部分においては、望むと望まざるとにかかわらず、その影響が体感出来てしまう事があります。(したくないけど)

例えばドライブレコーダーにおいては、電磁波ノイズの影響で地デジの受信感度が低下してしまったり、レーダー探知機の受信感度が落ちてしまったり、または誤報が増える、というような現象が発生する事があります。

また、最近コムテックのレーダー探知機が、CS放送の受信に影響を及ぼす電磁波を出しているとの事でリコールになったのは記憶に新しいところです。(こちらのノイズはドラレコとはまた違った原因ですが)

悲報!毒電波 コムテックのレーダー探知機が電波法違反で壊滅!最悪回収も?
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自動車メーカー純正採用のドラレコは、徹底したデバッグを行っている…はず

ドライブレコーダーのノイズは、場合によってはアイサイトなどの車の安全装備に影響を及ぼすとも、及ぼさないとも言われており、少なくとも日本の自動車メーカーにおいて純正指定されるようなドライブレコーダーは、性能よりもノイズの影響が優先され、徹底的な実車でのテストを行った上で採用されている製品が多いようです。

全ての純正車載機器が正常に動作する事を担保する為の実車におけるデバッグには、多大な時間と人的コストが掛かり、このコストが価格に上乗せされている為に、純正のドラレコの価格は高くなりがちという側面もあります。

因みにこのデバッグはあくまでも純正車載機器への影響を確認するものであって、後でユーザーが追加したガジェットにも影響がないとは言えません。

※BMWなど、一部の輸入車では純正品のドライブレコーダーによるノイズの影響は、免責事項となっているケースもあります。

ノイズ対策がしっかりしていると見受けられるドライブレコーダー

ドライブレコーダーのノイズは、最終的には現車合わせをしなければ確認する事が出来ませんが、過去のテスト結果こ考慮すると、以下の日本の大手メーカーの製品は日本の地デジに合わせてしっかりノイズ対策がされているように見受けられます。

・コムテック
・セルスター
・ユピテル
・ケンウッド
・パイオニア
・パナソニック
・アルパイン

この7社のドライブレコーダーを選んでおけば、ノイズ対策の面では概ね問題ないと言えるでしょう。

…とは言えノイズが完全にゼロという訳ではなく、ノイズが強くなり易いと体感している2カメラ以上のドライブレコーダーなどの場合だと、これらのメーカーの製品を4つ同時に起動させるとアンテナ受信レベルが1段階落ちる、と言った現象も確認されています。

厳密には車に標準装備されている電子機器、後付けのガジェット類の影響などもありますのでドラレコだけが悪者という訳ではなく、最後に取り付けたのがそのドラレコであった為、悪者扱いされるケースもあるようです。

海外メーカーはダメなのか?

海外メーカーの中でも、韓国のTHINKWAREなどはほとんど日本の大手メーカーとノイズ対策のレベルは変わらない印象ですが、それ以外のメーカーでは若干地デジの受信感度に影響が出たものもあります。

また、中国メーカーなどはまさに玉石混交で対策がしっかりしているもの、適当なものの差が激しく、同じメーカーの中でも型番によって良し悪しがありますので、このメーカーなら絶対大丈夫!と言い切るのは難しい状況です。

ノイズ対策がダメな製品だと、フルセグが映らなくなる事もありますし、比較的しっかり対策していると考えられるメーカーの製品であっても、1機種の起動であれば影響が確認出来ないものの、2機種の起動で影響がでるような事もあり、やはり先に紹介した国内大手メーカー製品と比べるとノイズの影響が出易いと認識しています。

ノイズ対策をしていても影響が出る事はあります

そもそも海外だと車内で地デジを見る事が出来ない国も多いので、ノイズ対策の基準が日本メーカーとは異なると考えられ、海外メーカーの製品で日本のVCCIのノイズ漏れの基準をクリアしている製品でも、余裕で地デジのアンテナが減るものもあります。

海外メーカーで「ノイズ対策済み」と書かれている製品は、おそらく自社基準またはVCCIの基準での対策が施されているものと考えらえますが、それイコール「ノイズの影響が出ない」という事ではないので気になる方は日本の大手メーカーの製品を選びましょう!

ドライブレコーダーやレーダー探知機、カーナビなどのカーエレクトロニクスには本体やケーブルなどにノイズ対策が施されていますが、それでも電磁波が漏れてしまって周囲のデバイスに影響を及ぼしてしまう事があります。

また、デバイスによってはノイズ対策そのものが不充分であるケースも見受けられます。

ノイズに関しては車種や車の電子デバイスの構成によって不具合が出たりでなかったりしますので、設置してみなければ分からない部分もあり、なかなか難しいところもあります。

個別の製品に対するノイズの影響について、明確には答えられないワケ

こちらでは、過去に頂いた読者様への私の回答を貼り付けておきます。

ノイズ対策は各メーカー=OEM生産地の機密に当たる部分ですので、生産地ごとのノウハウがあると思います。

ノイズに関しては最終的には車種ごとの実地検証しかなく、自動車メーカーの純正品もその慎重な実地検証を行ったものが採用されており、ノイズ対策品だからOKと言えるものでもないのです。

OKだと思っていても特定の車種で影響が出る事もあり、BMWでは純正品にもそのように注意書きがあります。

ノイズに関する取扱いは各社それぞれ異なります。

①不良とみなして返金に応じるケース
②不良ではないが特例として返金に応じるケース
③ユーザー都合とみなして対処しないケース

私が業務委託としてサポートまで関わっているikeep製品に関しては、概ね②の対応としていますが、それ以外のメーカーについては私の影響力は及びませんので、個別にメーカーにお問い合わせ頂きたく存じます。

ノイズの検証はデバッグに多大な時間が掛かる為、こちらではアルファード+サイバーナビの事例以外ではテストも行っておらず、その他の事例に関しては把握も困難です。

またユーザーによって車内で合わせて使用されるガジェットの組合せも異なりますので、こちらでは確実な事は何も言えず、問題があればメーカーに対応をご依頼頂くようお願い致します。

地デジの受信感度が下がった場合の対策

仮にドライブレコーダーやレーダー探知機が発する電磁波によって、カーナビの受信感度が落てしまった場合には、いくつかの対策が考えらます。

対策はノイズの伝達経路によって変わりますので、まずは以下の方法で伝達経路を確認してみましょう。

アルミホイルでドラレコ筐体を覆ってみる

金属は電磁波を通しにくい特性を持っており、例えばアルミホイルなどでレーダー探知機を覆ってしまうと、電磁波の一種であるレーダー波を受信出来なくなる事が知られています。

 

アルミホイルのこのような特性を活かして、ドラレコの筐体を覆ってみましょう。

それでノイズの影響がが改善されるようであれば、電磁波は筐体から空間を伝わって地デジに影響を及ぼしています。

電磁波が空間を伝わっている場合

この場合には以下のような対策が考えられます。

・ドライブレコーダーの設置位置をずらす
・ドラレコを分解してケースの内側などにアルミテープを貼ってみる

ドライブレコーダーを分解してみると、日本メーカーの製品の場合、液晶ディスプレイとマザーボードの間にアルミパネルなどの仕切りが入っている事があります。

マザーボードとケースの間にアルミテープなどを貼る方法は、ノイズ対策としては有効と考えられますが、放熱面では不利になりますし、一つ間違うとリカバリー不能な故障に繋がる事がありますので、これは出来れば避けたいところです。

電磁波がケーブルを伝わっている場合

アルミホイルでドラレコ筐体を覆っても、ノイズの影響が改善されない場合には、電磁波はケーブル類から有線で、またはケーブル→空間→ケーブルのような伝わり方をしていると考えらえます。

例えば、リアカメラのケーブルを抜くとノイズの影響が改善される場合には、リアカメラケーブルが犯人と特定出来ます。

フェライトコアで電磁波を減衰させる

電磁波がケーブルを伝わっている場合には、フェライトコアを使用するのが有効であると思われます。

フェライトコアの効用については、確実にあると言われており、様々な電子製品に使われていますが、原理が難しすぎて文系の私にはさっぱり理解不能でございます。

原理は理解不能ではあるものの、とりあえずフェライコアを正しく使用すると特定の周波数帯の電磁波が減衰する事は分かっているのですが、どのようなケースでどのような巻き方をすると最も効果があるのかは分かりませんので、あくまでも経験則になります。

ドライブレコーダーへのケーブルの出入力は

・電源ケーブル
・GPSケーブル
・リアカメラのケーブル

などが考えられます。

どこにどのようにファライトコアを使用するかは現場で色々試して最適な巻き方、位置を決めるしかないように思いますが、例えば電源ケーブルの車両側の付け根付近・ドラレコ側の付け根付近などの例が考えられます。

フェライトコアの巻き方

フェライトコアは以下のように特定の太さのケーブルを両側から挟み込むような構造になっています。

まず考えられるのが、このままケーブルを挟み込む方法です。

次に考えられるのが、フェライトコアの径の太い物を使用して中でケーブルを一巻きする方法になります。

フェライトコアは使いすぎたり巻きすぎると効果が得られない事もあると言われていますので、どの巻き方、どの位置に取り付ければ最も効果が得られるかは分かりません。

また、ケーブルの太さによって使用するフェライトコアの径の太さが変わりますし、ケーブルを挟み込むだけの場合とと一巻きする場合でも変わります。

何か所巻くのが有効化も分かりませんので、以下のように複数の太さのフェライトコアがセットになったものをおすすめします。

ドライブレコーダーの配線の取り回しを見直す

また、カーナビの取り付け説明書などには、フィルムアンテナの配線の取り回しは他のケーブル類から出来るだけ遠ざけるように注意書きがあります。

従ってドライブレコーダーの電源ケーブルをカーナビのフィルムアンテナの配線からなるべく遠ざけるというのも有効な対策ではないかと思います。

ケーブルにアルミテープでシールドを施す

電磁波の伝達経路がケーブル→空間→ケーブルである場合、ケーブルから電磁波が漏れないようにアルミテープで巻く方法も有効であると考えれられます。

コメント

  1. より:

    お世話になります。
    omiさんがYouTubeで紹介されている、VANTRUE N4をアマゾンから購入しました。
    早々、リヤカメラの地デジ対策品を送ってもらえるようにメールしました。(support@vantrue.jp)
    しかし、何度メールしてもReturned mailで戻ってきてしまします。
    相手のサーバーまでは行っているようですが、その先がわかりません。
    大変申し訳ありませんが、何か解決先をご存じか
    または別の連絡方法をご存じでしたら、教えていただきたくよろしくお願いいたします。、

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

      柿様
      VANTRUEはjpドメインは取得していないと思いますので、.netに送信して下さい。
      support@vantrue.net

      • より:

        omi様
        ありがとうございます。
        1/9 support@vantrue.netへも、連絡しましたが
        Returned mailで連絡ができませんでした。
        少し間をおいてから、再度トライしてみます。

        • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

          柿様
          こちらは1/11時点で送受信が可能でした。
          送信側のサーバーが原因である可能性もありますので、別のアドレスから送ってみてはいかがでしょうか?

  2. 柿沼 より:

    omi様
    お世話になります。
    昨日、support@vantrue.netへメール送信できました。
    リヤカメラが送られてくるのを待ちます。

    ありがとうございました。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

      柿沼様
      無事に送信出来て良かったですね。
      また何かありましたらご相談ください。

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