※2018年6月3日更新~取り付けの際の注意点、実機レビューについて追記しました。
今回は「PORMIDO」さんより、amazonで販売されているバックカメラのレビュー投稿依頼を頂きました。
バックカメラはカーナビを設置する際にブランドを合わせて同時に取り付ける方も多いかとは思いますが、最近はカーナビ自体を搭載せずにアフターパーツの液晶であったり、レーダー探知機に出力されたりと言ったケースも徐々に増えているように感じます。
また、カーナビメーカーの同一ブランド品については、メーカーごとにスペックに大きな差が見られる為、敢えて最初からアフターパーツを選ぶという選択肢もありますね。
因みに私の場合には2018年5月の時点で3台所有している車のナビとバックカメラの構成は、①パイオニアナビ+パイオニアバックカメラ、②androidオーディオ+データシステムマルチカメラ、③クラリオンカーナビ→ケンウッドカーナビ+コムテックバックカメラ、という形になっています。
正直、バックカメラについてはそれほどのこだわりはありませんでしたが、データシステムのマルチカメラをコペンのリアに取り付けてみて、やはり水平視野角が広い方が後方の状況を俯瞰できて便利であると感じています。
また、取り付け方法に関しても多くのモデルでは情報に固定する形状のステーが付属しており、ナンバーに共締めするのが困難な場合もあります。(両面テープでも良いんですが、出来ればしっかりボルトどめしたいですよね)
今回ご紹介する「PORMIDO」バックカメラは、普通車用の白・軽自動車用の黄色のカラーリングのナンバー共締めタイプの広角バックカメラです。
「PORMIDO」バックカメラのスペック
「PORMIDO」ナンバー共締めバックカメラのスペックは以下の通りです。
・視野角~水平180°×垂直132°
・画素数~34万画素
・イメージセンサー~CMD
・レンズF値~1.0
・正像・鏡像切り替え
・ガイドラインの有無切り替え
・防水規格~IP67
最大のポイントはやはり超広角の水平180°の視野角かと思います。
イメージセンサーは最近増えているCMOSセンサーではなく、CMDが使用されており、私自身はバックカメラとしては初のテストとなります。
サンプルに関しては普通車用の白をお願いしており、現在コムテックの「SBC-10」を使用しているランエボ10に設置しようかと考えています。
「PORMIDO」バックカメラのセット内容
少し前に現物が届いたのですが、色々想定外の事があった為、レビュー作成に時間が掛かってしまいました。
セット内容は①カメラ、②AVケーブル、③中間ケーブルの3つとナット類です。
取り付け手順
取付手順に関しては以下のページでバックカメラ全般についての方法を説明していますので、ここではこの製品特有の注意点のみ説明します。
各ケーブルの接続方法と電源の取り方については、一般的なバックカメラと同様で以下の通りとなります。
なお、他の製品とは異なりリバース信号を取る事が出来るケーブルが3本ありますが、実際に接続するのは1本で良いとの事です。
普通のバックカメラだとAVケーブルにはリバース信号を取り込むケーブルは生えていませんが、この製品に関しては両側のRCA端子の根元から赤いケーブルが生えています。(今回は赤いケーブルは接続せず)
こちらを見る限り、バックギアに入れた時に自動的にモニター出力をバックカメラに変更する為のフラグとなる、リバース信号をモニターに入力するもののようです。
まあ、通常の場合では車両のリバース信号線は、フロント側のカーナビ裏やグローブボックス裏などにあると思いますし、バックカメラを後付けする場合には既にリバース信号線はモニターに接続されているかと思いますので、この製品の赤いケーブルは接続しなくても良いという事になります。
従って接続に関しては他の一般的なバックカメラと同様です。
カメラケーブルをナンバーのネジ穴に通す
まず初めに付属のリングワッシャーをカメラケーブルに通して、カメラの根元まで引き上げます。
この状態でコネクタ部分をナンバーの穴に通します。
次の工程がこの製品の取り付けにあたっての最大の難関です。(笑)
ナンバーの穴を通したコネクタ部分を、車両側のボルト受けの穴に通します…が、私の場合はランエボ10、コペンの2車種ともにコネクタの径が若干大きかった為、素手では通りませんでした。
おそらく…ナンバープレートのボルトの太さは、国産車だとどれも共通ではないかと思うのですが、真っすぐ通そうとするとこの辺りで引っ掛かって止まります。
ここからはコネクタをボルトをねじ込む要領で時計回りに回転させながら押し込みます。
ある程度押し込むと素手では動かなくなりますので、そこから先はプライヤーなどで掴んでで回転させます。
因みに途中で写真がコペンからランエボ10に切り替わったりしていますが、ランエボの場合にはナンバーのネジ受けが金属フレームに溶接されています。
なので、コネクタを押し込んでいくと壁に突き当たってしまうのですが、どうにかコネクタを上下に曲げながら通せば行けそうだと思ったので、グニグニやっていると…
誤って介錯してしまったでござる!
一応、首の皮一枚残っている状態ですが、接続してもカメラが映らなかった為、既に絶命している事が判明しました。
…という訳で、ランエボ10への取り付けは断念し、「PORMIDO」さんに事情を説明したところ、もう一台サンプルをお送り頂けるという事でしたので、最終的にはコペンに設置する事になりました。
コペンの場合には奥に障害物がありませんので、ひたすらプライヤーでネジ込む形になりますが、無事にケーブルの引き込みに成功しました。
カメラをネジ穴にネジ込む
最大の難関を超えたあとは、多分クライマックスを迎えます…車種によってはさらに難関があるかも知れませんが。
カメラのボルト部分をネジ穴にねじ込むだけで、しっかりナンバーも固定された状態になりましたが、一応裏側から付属のワッシャーとナットで締め付けようと試みました。
ところが、ボルト受けの奥行きとカメラのボルトの長さの関係で、ワッシャーをかますとボルトが寸足らずの状態になってしまい、ナットとほとんどかみ合いませんでしたので、裏側からのナットでの固定は断念しました。
まあ、そもそもナンバーのボルト自体が裏からナットで固定されていた訳ではないですし、ナットを締めなくてもかなりきつくボルトが固定されていましたので、そのままでも問題ないと判断しました。
なお、ネジ穴を通してしまえば、後は普通のバックカメラと取り付け手順は同様です。
ほんの少しナンバーの文字が隠れるかも?
これは上の部分のナンバーの数字にもよるかと思いますが、正面から見るとほんの少しだけナンバーの数字が隠れます。
保安基準ではナンバーの認識が可能な事が条件となりますので、認識には全く問題のない程度かと思います。
これが車検に通るか通らないかは私には判断出来ませんので、合法か違法かは車検の際の検査官の判断に委ねる事にします。
製品としては、もう少し横幅が狭い方が全てのユーザーが安心して購入できると思いますので、今後改善出来るならすべきであると言えますね。
バックカメラとしての使用感について
今回はコペンに設置してある、ATOTOのandroidオーディオユニットにバックカメラを接続しました。
昼間の映像に関しては、やや白飛びが出やすい傾向がありますが、バックカメラとしての運用には問題ないレベルであるかなと思います。
視野角については、スペック上では水平180°となっていますが、実測だとおそらく140~150°程度かと思われます。
レンズが180°であったとしても、イメージセンサーの限界値を超えていると視野角は限定されますので、その影響かも知れません。
このシチュエーションで(鏡眼処理してます)
映っているのがこの範囲です。
夜間に関しては充分明るく、特に気にかかる点はありませんでした。
※以下同じ場所でのデータシステム、「MVC811」の夜間映像
フロントカメラとしても使用できる仕様のようであるが
このモデルには鏡像・正像の切り替えと補助線の有無の設定がありますが、設定の変更はカメラのケーブルから生えている白線・緑線を切断する事で行います。
おそらくフロントカメラとして使用するケースを想定しての事かと思われますが、視野角が実質140~150°で真横が見えない、ダイナミックレンジが狭く白飛びし易い事から、フロントカメラとして使用するにしては、ちと厳しいかも知れないと感じますね。
アフターパーツのマルチカメラとしては、先程夜間画像を掲載したデータシステム、「MVC811」が、同じく水平180°と表記されていますが、180°あるとほぼ真横に近いところまで見えてきます。
まあ、価格帯的には2.5倍程度の差がありますが。
「PORMIDO」バックカメラの総評
総評としては、取付の難易度はコネクタ部分を通す工程がある為、ナンバー共締めであっても他のスタンダードなバックカメラと比べて楽であるという事はありません。(ただし、取り付け場所に悩む事はない)
※車種によってナンバー固定のボルト径が異なるとは考えにくい。
見た目は違和感なく収まるので良いと思います。
改善可能であれば、カメラのコネクタ径を少し小さくする、またはコネクタをボルト穴に通すとネジ山が刻まれますので、予め日本のナンバーのボルト径に合わせてネジ山を入れておく、などが望まれます。
レンズやイメージセンサーの特徴としては、F値1.0で夜間が明るいのは良いのですが、昼間は白飛びが気になりますので、バックカメラとしては大きな問題ではないですが、フロントカメラとしての用途には向かないと考えられます。
視野角については140~150°程度かと思いますので、日本のメーカーのアフターパーツのバックカメラの中ではそこそこ広い部類に入ります。
価格的には日本のメーカーの製品の半額以下ですので、コスパは間違いなく高いと言えるでしょう。
なお、このモデルの最大のセールスポイントは、バンパーなどの形状に問題があってスタンダードな形状のバックカメラを設置出来ない車でも取り付けが可能である、という点かと思います。
従って、特におすすめなのは、通常のバックカメラだと取り付け場所に困る様な車に乗っているユーザーであると言えますね。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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