ワイヤレスCarPlay・Android Autoとテザリングの併用は安定する?【日本での実情を解説】

こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

先日、GetpairrのAI BOXをテストした際に、ワイヤレスCarPlayやワイヤレスAndroid Autoの接続が不安定になり、音声が途切れるなどのトラブルが発生しました。

メーカーとやり取りを重ね、ファームアップデートやトラブルシューティングを実施した結果、CarPlayは最終的に安定動作しましたが、Android Autoは XiaomiのHyperOS端末との相性問題が残り、解決に至りませんでした。

一方、手持ちの Xiaomi POCO F6 Proでは、Catlinkit製AI BOXを使った場合、テザリング中でも安定したワイヤレスAndroid Auto接続を確認できています。

ただし、Getpairrからの情報や海外フォーラムによると、5GHz帯を利用するワイヤレスCarPlay/Android Autoは、同じく5GHz帯を使うテザリングと干渉しやすく、同時利用は非推奨とされています。

もっとも、POCO F6 Proの日本向けバージョンは「テザリングは2.4GHz帯のみ使用」との情報もあり、このためCatlinkit製AI BOXのAndroid Autoとは干渉せず安定している可能性があります。

ワイヤレスCarPlayの周波数と挙動

iPhoneは2.4GHz/5GHzどちらでもCarPlayを利用できます。ただし日本では規制の影響もあり、実際には2.4GHz接続になるケースもあると考えられます。

  • iPhoneはハードウェア的に2.4GHz/5GHz両対応
  • 欧州車などは5GHz接続が多い
  • 日本仕様の車載機器やアフターマーケット製品では2.4GHz接続を優先する場合がある可能性がある
  • 「iPhoneが日本版だから5GHz不可」ではなく、車載機器側の設計によると考えられる

Phoneのテザリング周波数

iPhoneのテザリング(インターネット共有)は、設定によって周波数が変わります。

  • デフォルトは5GHzを利用することが多い
  • 「互換性を優先」をオンにすると2.4GHzに固定される
  • 5GHzテザリングは実測ではW52帯チャネルが使われる例が多い
  • CarPlayと同時利用時は「CarPlayを5GHz/テザリングを2.4GHz」に分けると安定

ワイヤレスAndroid Autoの周波数と挙動

Android Autoは仕様として5GHz専用です。そのためテザリングと干渉しやすい傾向があります。

  • 2.4GHzでは動作せず、5GHz必須
  • テザリングも5GHzを使うと干渉して接続が不安定になりやすい
  • 特に海外仕様スマホではテザリングも5GHzになることが多く、トラブルが増える
  • 安定性を求めるならテザリングを2.4GHzに固定するのが有効

Androidスマホのテザリング周波数

Androidスマホは機種ごとに仕様が異なり、周波数設定がポイントになります。

  • 日本仕様は2.4GHz固定のケースが多い
  • 海外仕様は2.4GHz/5GHzの切り替えが可能な場合が多い
  • 5GHzテザリング時はAndroid Autoと干渉する可能性が高い
  • 設定で2.4GHzに切り替えられる端末なら安定性が向上する

日本の電波法と周波数の背景

日本では5GHz帯利用に条件があり、そのため製品側が2.4GHzを優先する設計を選ぶこともあります。

  • 5GHzは利用できる環境が限定されるため、安定性重視で2.4GHzを使う機器もある
  • 結果として「理論上は5GHz推奨、実際には2.4GHz利用」が多い
  • 車載機器によっては最初から2.4GHzでしか動作しないものも存在

AI BOX・ディスプレイオーディオで周波数が明記されない問題

多くのAI BOXやディスプレイオーディオは、仕様表に「ワイヤレスCarPlay/Android Auto対応」と書かれていても、実際に2.4GHzなのか5GHzなのか明記されていません。

これはユーザーにとって大きな問題です。

  • 安定性に直結:干渉の有無は帯域に依存するため、購入前に知りたい重要情報
  • 法規制の観点:日本では5GHz帯利用に条件があるため、合法的に使えているか確認できない
  • 市場の透明性不足:PCやスマホのWi-Fi製品では周波数帯・規格が明示されるのに、車載製品では省略されがち

→ 本来は 「2.4GHz対応」「5GHz対応」「両対応」 を明記すべきであり、さらに「推奨するテザリング設定」まで案内すればユーザーの混乱は大幅に減ります。

5GHz対応でも「どのバンドか」まで明記すべき

「5GHz対応」とだけ書かれても不十分で、どのバンドを利用できるかまで明記すべきです。

  • 法規制上、バンドごとに利用条件(屋内限定/DFS必須/出力制限など)が異なる
  • W52帯なら比較的安定して使えるが、W56帯はDFSの影響で通信中断が発生する可能性がある
  • ユーザーは「どのバンドを使えるか」を知ることで、合法性や安定性を事前に判断できる

本来は「2.4GHzのみ」「5GHz(W52固定)」「5GHz(W52+W56対応)」などと明記すべき

まとめ:安定した接続と製品選びのポイント

ワイヤレスCarPlayやAndroid Autoはとても便利ですが、同時にテザリングを利用すると周波数帯の干渉によって接続が不安定になるリスクがあります。

iPhoneとAndroidでは仕様が異なり、さらに日本の電波法による制約や、AI BOX/ディスプレイオーディオ側の設計によっても挙動が変わります。

従ってユーザーは、「どの周波数で動いているのか」を理解し、テザリング設定や製品選びで工夫することが安定動作への近道となります。

  • iPhone CarPlay:2.4/5GHz両対応 → テザリングを2.4GHzに固定すると干渉を避けやすい
  • Android Auto:5GHz専用 → テザリングを2.4GHzに切り替え可能な機種なら必ず設定すべき
  • 製品選びの現実:現状では周波数帯を明記しているAI BOXやディスプレイオーディオはほとんど存在しない
  • ユーザーの対策:購入前にレビューや実測情報を確認し、安定性の傾向を把握するのが実用的
  • 業界への提言:「5GHz対応」と書くだけでなく、どのバンドを使えるのかまで正確に明記することが必須

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