こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
トヨタが今後北米で販売する一部の車種の車載ナビゲーションシステムに、米Mapbox社の地図システムを搭載するようです。
日本では海外と比べると従来型のカーナビの需要が大きい筈ですが、今後は日本でもT-Connectと合わせてMapboxの地図システムが標準搭載される流れとなるのでしょうか?
Mapboxの地図システム
Mapboxの地図システムは、Google Mapのようなクラウド型の地図システムですが、現在のところGoogle Mapのようにナビアプリとしてユーザーが直接使用出来るようはなっていません。(たぶん)
Mapboxは幅広くカスタマイズ可能なクラウド地図システムを法人向けに販売するビジネスモデルで、日本では2019年よりYahooカーナビがMapboxの地図システムを採用しています。
■ Yahoo! MAPの地図表示システムをMapbox社製に変更しました
Mapboxは 160万人以上の開発者向けリアルタイムのロケーションプラットフォームを開発しています。 MapboxはAPI(アプリケーションプログラムインターフェース)とSDK(ソフトウェア開発キット)を通じ、世界地図、リアルタイムの交通情報、位置検索、そしてナビゲーションを提供します。
2010年に設立したMapboxのオフィスはサンフランシスコ、ワシントンD.C.、ヘルシンキ, ミンスク, 上海, そして東京にオフィスを構えています。
要はMapboxはAPI(アプリケーションプログラムインターフェース)とSDK(ソフトウェア開発キット)を法人向けに提供する会社という事です。
Mapboxで使用されている地図の中身については、別のところが提供しているのものであり、日本ではゼンリンの地図が採用されています。
※過去には無料地図が使われていましたが、ゼンリンの地図が採用された事で、YahooカーナビもMapboxの地図システムの採用に踏み切ったものと推察されます。
今後はGoogle MapとMapboxの戦いになるか?
Google Mapの方もスマホやPC向けにAPIとSDKを提供していますが、車載ナビゲーションシステムとしてもテスラなどで採用されています。
※テスラは脱Google Mapを図っているようであり、Mapboxではなく自社のデータベースを構築したい意向のよう
■ 分業型に逆行!テスラ、地図データベース自社構築へ 自動運転の呼び寄せ機能向けに
自動車業界では「分業」が進んでいる。部品製造、システム開発、地図データ会社、セキュリティ会社というように、さまざまな企業が各役割を分担し、最終的に車両メーカーが自動車を完成させるという形だ。この潮流は自動運転車やコネクテッドカーの開発において、より顕著になっている。
しかしテスラは、駐車中の自動車を自動運転で呼び寄せるスマートサモン機能においては将来的に、現在使用しているGoogle Mapsベースのデータを使用しないようにするつもりらしい。自社の車両で集めたデータを使って独自のマップデータベースを完成させ、自社のサービスに適した使い方をできるようにするようだ。
ただし、自動車メーカー全体の進方向性としては、まずは自社の標準ナビシステムにGoogle MapやMapboxを組み込む事が優先で、自社データベースの構築はまだまだ遠い未来に実現される可能性がある、程度の事かも知れません。
従って、自動車メーカーの標準システムではGoogle Maps vs Mapboxのシェアの奪い合い、スマホアプリにおいても既に同様の状況が続くでしょう。
※そこには残念ながら、日本企業が入っていく余地はないのかも知れません。
1ユーザーとしてはGoogle Mapsを支持します
Google MapsとMapboxの最大の違いは、Google Mapsの方はGoogleが展開する様々なサービスとの連動性に優れ、レビューデータベースやストリートビューなどのナビゲーション機能以外の面がユーザーから支持されている点と考えられます。(少なくともこれらの機能がなければ、私がGoogle Mapsを使う理由がなくなる)
既存のオーディオや、一部のナビではCarPlayやAnodorid AutoなどでもGoogle Mapsがサポートされていますし、これらのガジェットを既に使用しているユーザー側も、インターフェースや操作に慣れている事でしょう。
従って自動車メーカー視点では、Mapboxや自社開発のナビに移行したいところですが、ユーザー側はGoogle Mapsを希望する、と言った様相になるのでは?と考えています。
いずれにしても、自動車メーカー側がアフターパーツのナビを入れる余地を残さないのであれば、既存のアフターパーツのナビは、いずれオワコンになるしかありませんね。
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