※2020年4月21日更新~実機レビューを追記しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
無線タイプのバックカメラは、車両後方からフロントへの配線の引き込みが不要である事からトラックやキャンピングカーで人気のようですが、カメラ部分への電源を供給する為にバックランプなどから配線を分岐させる必要があります。
この作業がある限り「お手軽簡単に取付け」とは言い難いと感じていましたが、ついにカメラ電源を車から取らなくても動作が可能なソーラータイプのバックカメラ「Solar1」がAUTO VOXから発売されています。
「Solar1」はフロント液晶付きの無線バックカメラ
「Solar1」は通常のバックカメラとは異なる、無線機能が付いた専用の液晶がセットになったモデルです。
従ってインダッシュ型のカーナビへの映像の出力は想定されておらず、付属の液晶とセットで使用する必要があります。
カメラや液晶のスペック詳細は公開されていませんが、視野角は対角110°と記載されており、5インチ液晶の見た目は同社の「W7」と同じですので以下のように予測します。
AUTO VOX | Solar1 | W7 | TD-2 |
---|---|---|---|
モニターサイズ | 5.0インチ | 4.3インチ | |
モニター解像度 | 480×272=13万画素 | ||
カメラ画素数 | 480×272=13万画素 | ||
画角 | 対角110° | ||
最低照度 | 0.1LUX |
「W7」のソーラーパネル付きバージョンと言ったところでしょうか?
「Solar1」の仕組み
通常のバックカメラは電源線をバック信号線などに接続する事で、車のギアをリバースに入れた時だけ通電します。
「Solar1」についてはリアカメラを車両に接続するケーブルそのものがありません。
フロントの液晶側もリバース信号線に接続するケーブルなどはなく、通常のシガーケーブルで給電のみを行うタイプです。
従ってギアに連動してバックカメラに給電されて画面が切り替わるものではなく、付属のリモコンを使用してカメラの電源をコントロールするもののようです。
バッテリー容量は2800mAhだが?
「Solar1」のバッテリー容量は2800mAhと記載されており、おそらく電池の電圧は3.6V程度かと思いますので10Wh程度の電力量となります。
カメラの電力は1~2W程度が普通なので満充電であれば電源が入りっぱなしでも5~10時間くらいはバッテリーが持ちそうな計算です。
製品説明ページには30分程度の充電で1日2~3回の使用を行った場合、60日間バッテリーが持つと書かれていますので、ほぼ充電不要で運用が可能のようです。
カメラは多少の待機電力を消費しますので、天候が悪い日が続いた場合の対策として充電ケーブルも付属し、USB充電も可能となっています。
セット内容とデザイン
動画レビューはこちらです。
セット内容はこちらの通りです。
①5型液晶モニター
②吸盤マウント
③液晶用シガー電源ケーブル
④バックカメラ+ソーラーパネル付きバッテリー
⑤リモコン
⑥充電用microUSBケーブル
⑦取扱説明書
液晶はノングレア(艶消し)の5型でiPhone 7と比較した場合のサイズ感はこちらの通りです。
吸盤マウントはレバーによるロック式
シガー電源ケーブルにはUSB電源ポートが一つ備わっています。
リアカメラについては、ソーラーパネル付きのバッテリーユニットとケーブルで接続されており、カメラ部分はバックカメラとしてはかなりの幅広タイプです。
バッテリーの下側面のカバーを開けると電源ボタンとmicroUSB充電ポートが出てきますので、車に取り付ける前に満充電になるまで充電を行います。
リモコンは両面テープで任意の場所に張り付ける仕様です。
取付方法について
取付けに関しては「5分で完了」と書かれていますが、手順が分かっている状態で車種固有の事情がなければおそらく5分で取り付け可能かと思います。
今回はコペンのナンバー上にカメラの取付を行いました。
文字が若干隠れていますが、読み取りは可能ですので保安基準に引っかかる事もないでしょう。
バッテリー部分でナンバーを下から挟み込み、カメラのステーはナンバーのボルトで共締めします。
因みにもともとはナンバーフレームが付いていたのですが、ステーに干渉してカメラが付けられなかったので外しました。
このようにバッテリー部分のステーでナンバープレートを挟み込み、カメラ部分はステーをボルトで共締めします。
普通車の場合には左側には封印があるので、完全にはナンバープレートを外せないと思います。
従って右側のボルトだけ外して、カメラとバッテリーのステーを横からスライドさせる感じになるでしょう。
カメラ下のネジが回しにくいですが、手順が分かっていれば5分で作業は終わります。
液晶部分はダッシュボード上などに吸盤マウントで固定します。
リモコンは車内の任意の場所に付属の両面テープで固定します。
動作の仕組みと操作手順
本機を使用する前に下側面のカバー内にある電源ボタンを押して、カメラをアクティブな状態にしておきます。
液晶部分はエンジンに連動して常に通電状態となり、リモコン操作でスリープ状態のカメラをアクティブにする事で液晶にカメラの映像が映し出されます。
ボタンを押してから映像が出力されるまでのタイムラグはおよそ2秒程度です。
なお、エンジンを掛けて液晶画面を通電させた際には、カメラ側に何かの信号が送られるらしく、エンジンをオンにした直後には必ずカメラの映像が液晶に表示されます。
画面の右上には電池のアイコンが表示されており、バッテリーの充電状況が分かります。
初期設定の状態では、カメラ映像は1分経過すると自動で消えます。
なお、長期間車に乗らない場合には、電源ボタンでカメラ電源を完全に落としておくようにすると電力の消費が抑えられます。
画質について
本機は5型で13万画素の液晶を搭載しています。
通常の7型カーナビ用のバックカメラは液晶に合わせた30万画素ですし、最近は100万画素カーナビの発売に合わせてバックカメラも高解像度化していますので、普段30万画素以上のモニターを使用しているとやはり映像の粗さは感じます。
液晶の解像度を考えると画像の粗さを感じるのは致し方ないところでしょう。
昼間の映像は通常時は白飛びなどは出ず視界は良好ですが、屋内駐車場などでの逆光下では白飛びが出る事があります。
夜間は明るさ重視の特性となっており、街灯が無いような場所でもナンバー灯とバックランプの光だけで充分明るく見えます。
ただし、コンビニのガラスなどの周囲と比べて明るい部分が白飛びしてしまう事がありますので、明るさ特化ではあるもののダイナミックレンジはそれほど広くはないという印象を受けました。
電波の届く範囲
電波の届く範囲については、カメラを三脚に乗せてモニターを付けた車を撮影し、カメラから車を遠ざけて距離を計測してみましたが、50m程度は映像が出力されていましたので、トレーラーなどでも問題なく電波が届くと思います。
各種設定項目
「Solar1」は本体のボタン操作で以下の設定変更が可能です。
①液晶の明るさ・コントラスト調整
②正像/鏡像の切り替え
③カメラの表示時間、45/60/90秒
④ガイド線のON/OFF
⑤ガイド線の6段階位置調整(メニュー長押し)
「Solar1」の総評
「Solar1」の総評としては、画質の面では5型液晶の13万画素と一般的な7型液晶への出力を前提とした30万の製品と比べると見劣りしますが、ポイントはやはり取付けが最短5分で完了するというお手軽さだと思います。
例えば分解のハードルが高い輸入車であったり、トレーラータイプのキャンピングカー、ボートなどの牽引におすすめの製品と言えるでしょう。
なお、電池の持ち具合については短期間では検証できませんので後日追記します。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント