タイヤのローテーションについて
タイヤのローテーションは特に決まりはありませんが、車屋でも前後のみで入れ替えることが多いです。
とはいっても、摩耗具合があまりにも違う場合は全体的に溝の多いもの、外側の溝が多いものは前輪、それ以外を後輪ということになります。
1本だけ銘柄の違うタイヤが混じっている場合、その1本は後輪に付けます。
回転方向(Rotation)の指定がある場合は前後のみしか入れ替えることはできません。
減り具合がどれもそれほど変わらないという場合はローテーションの必要は特にありません。
タイヤ交換について
タイヤ交換にはジャッキアップがつきものです。
ジャッキアップについては別の記事をご覧ください。
油圧パンタグラフジャッキでタイヤ交換を行う場合、ジャッキが転倒しやすいためジャッキだけで行う場合は十分に注意してください。(車載ジャッキの使用は緊急時以外では控えてください)
それに加えて工具も必要です。よく売られているものは十字レンチ(クロスレンチ)です。
十字レンチの場合、緩めるのは良いですが、ナットの締め付けが大抵の方の場合、規定トルクまで到達していません。
規定トルクの7~8割のトルクしかかかっていないと思います。
規定トルクで締められていない場合、ナットが緩んでしまう可能性があります。
規定トルクまで確実に締めるにはトルクレンチというものを使います。
値段はピンキリですが、毎日のように使うわけではないので安いものでも正しいトルクで締め付けが行えます。
ホイールナットの推奨締付トルクは100~110N・m(10~11kg・m)です。
タイヤ交換の手順
1. ATの場合はP、MTの場合は1速またはRギアに入れて水平な場所に停車させ、輪留めを行います。
パーキングブレーキをかけるとリアのタイヤ交換を交換する際、締め付けが正しく行えなくなる場合があります。
2. タイヤが完全に浮かない程度にジャッキアップします。
完全に浮かせてしまうとタイヤが空転してしまうのでナットを緩めづらくなります。
ただし、ジャッキアップしていない状態でナットを緩めないこと。
クリップボルト(ハブボルト)を傷める原因になります。
3. 次にナットを緩めます。
少し緩められればOKです。
4. ナットを緩めたらタイヤが浮くまでジャッキアップを行い、ナットを外してタイヤを付け替えます。
タイヤが外れない場合はホイールナットを一つかけ直してタイヤを手で叩き、それでも外れない場合は更に強い力で叩く必要があります。
しかし、これ以上はジャッキのまま行うとジャッキから車両が転落してしまう可能性などがありますので、ホイールナットを付け直して車屋さんにタイヤ交換を依頼してください。
異なるホイールに交換する場合はホイールナットをそのまま使用出来ない場合があるのでよく確認してください。純正アルミホイールから社外アルミホールに交換する場合はほぼホイールナットの交換も必要です。
5. タイヤを接地させる前に出来るだけ工具で強くナットを締めておき、タイヤが少し接地して本締めで空転しない状態(ジャッキで車重の大半を支えている状態)で本締めを行ってください。
6. 車重が全てかかった状態で締めようとすると正しい締め付けが行えない上、クリップボルトを傷めます。
7. ナットの締め付けは対角上に行います。ナットの締め付けは、ナット1カ所につき2回程度点検してください。
8.本締めが終わったらジャッキを下げて完了です。
タイヤ交換・ローテーションに必要な工具
(ライター:自動車整備士 SkyLight)
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