こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
5月に量販店やホームセンターで、主にポータブルナビやドラレコを展開していた中堅メーカーのエンプレイスが民事再生法の適用を申請したとのニュースが入って来ました。
カーナビ・オーディオを中心としたアフターパーツのカーエレクトロニクス業界は、スマホの高機能化や、メインユニットの自動車メーカー純正化の影響を大きく受け、大手ではここ数年で断続的に業界再編が進んでいます。
このような流れの中で、エンプレイスもドラレコや白物家電に構成をシフトしながら、どうにか持ちこたえて来たようですが、直近の流れを読み違えた戦略を採ってしまったようで、敢え無く轟沈しました。
状況の変化に対する対応が裏目に出た
エンプレイス2016年3月期には年商が38億を超えていたそうですので、ポータブルナビメーカーとしては中堅どころと言え、同じような規模と商品構成で戦っているメーカーもまだいくつかありますので、今後はこのようなメーカーの倒産が続くかも知れません。
※エンプレイスの2021年3月期の売上は16億、負債総額は45億との事
帝国データバンクの記事には、不振の要因として以下の2点が挙げられています。
M&A戦略に関する詳細な記述はないのですが、負債総額45億円の内訳はこのようになっており
エムプレイスがこの2社を子会社化したようですが、それが悪手だったという事なのでしょう。
普通の商品を普通に売っていたように見える
エムプレイスは社長の金成鎬(キム・ソンホ)氏が韓国人であり、カーナビ関連は韓国製品を主に取り扱っていたように見受けられます。
M&Aでフィフティを傘下に収め、2020年5月の韓国総合ニュースの記事では、韓国の光州に11億の工場投資をすると報道されています。
■ 日本の自動車部品メーカーが韓国・光州に工場 10億円超を投資
同社ドラレコは、見た目が中国系ですので、この工場ではナビと生活家電を生産する計画だったと見受けられます。
なお、帝国データバンクの記事内にはコロナの影響でカーナビの売上が落ちて逝った、との記述が見られますが、コロナ後の中古車の販売状況は悪くはなく、むしろここ数年好調だったドラレコが製品・売り方の差別化が出来なかったために売れなくなった、さらにフィフティの生活家電がドツボにハマった事が、直接の原因なのではないかと推察されます。
こんな時代でも似たような構成で上手くやっているメーカーもある
敢えてメーカー名を出す事は出来ませんが、同じような規模で同じようなカテゴリーの製品を取り扱っているメーカーでも、業績が好調なところもあり、そのような会社は総じて企画力があります。
日本の中小のカーエレクトロニクスやガジェットメーカーは、韓国人や台湾人の社長が自国で生産した製品を日本で販売するような、輸入ビジネスで成功しているところが多いのですが、今は中国業者が安価で中国製品をamazonで販売する事が容易になっていますので、変化についていけない会社はどんどん潰れて行くでしょう。
商品で差別化するか、同じような商品を売るならサポートの信頼感やブランドイメージで戦うしかない訳ですが、いままでの成功体験から、業績が悪くなってもすぐに方向転換するのは難しいのかも知れませんね。
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