ランエボ10の足回りからの異音とビルシュタインショックアブゾーバーのオーバーホールの巻

※2019年9月15日更新~ショックアブゾーバーのOHを実施しましたので内容を追記。

先週(2019年7月です)は年間の走行距離が1,000キロのペースだったランエボ号で、久々の長距離ドライブがてらに大阪までレーダー探知機のレーザー受信テストに行ってきたのですが、事件はその時に発生しました。(笑)

足回りの異音と警告灯の点灯

登録から12年が経過し、走行距離も9.4万キロの割にどこも壊れずに快調そのもの「やっぱりランエボは良く出来た車だ!」と感じていた矢先、右フロント足回り付近からのポコポコ系の異音が発生、そしてほどなくしてABSとASCの電子制御系の警告灯が点灯しました…しかもこれから和歌山から埼玉に帰ろうとしていた矢先です。

因みにABSとASCが効かない状態ではあるものの、過去にこの車でABSを効かせるようなシチュエーションには陥った事はないですし、電子制御も普通に走っている分には必要ないものなので、すぐさま走行に支障が出る状況ではありませんでした。

結論としてはABSの警告灯と、足回りの異音は個別のトラブルであり、警告灯の方はネットで調べてみると4輪車速センサーのリコール案件である事が分かったのでさほど気にならなかったのですが、問題は足回りの異音の方です。

低速時のみ異音が発生

異音は常に発生する訳では無く、発進直後と停車直前の低速時に時々…特に大きな段差を超えた時だけ発生するという訳でもありません。

車にある程度詳しい人なら分かると思いますが、異音は原因を突き止めるのが難しく、ディーラーに持ち込んでも、整備士さんに運転して貰った時に症状が再現出来なければ「異常なし!」となってしまう可能性が高い非常に厄介なトラブルです。

長距離ドライブ中でしたし、異音は出たり出なかったりで普通に走っている分には特に問題ないように感じられましたので、そのまま650キロの道のりを走破して無事に埼玉に帰還しました。

やっぱり異音は原因不明

埼玉に戻った翌日にタイヤを外してアーム部分をジャッキで上げ下げしてみたり、スプリングをグルグル回転させてみましたが異音は確認出来ず、スプリング受けのシートの細かい砂利などを除去してみたところ、一時的に異音は収まりました。

リコールの案件で三菱のディーラーに車を持ち込んで、整備士さんにも運転してもらいましたが、やはり症状は再現されず…。

車速センサー交換の時に一通りチェックしますとの事でしたが、サスのアッパーマウントのゴム部分のヒビ割れも酷く、走行距離を考えてもダンパーの方はそろそろ変え時だろうな…という事で、足回り一式の交換を視野に入れる事にしました。

交換ではなくショックアブゾーバーのオーバーホール

このランエボ号は2007式を2013年に4.5万キロの時点で購入し、それから足回りは一切いじってません。

購入した当時の状況を見るに競技に使用されたいたような痕跡があり、その分価格も安かったのですが、おそらく新車の状態でOPのラリーアートのサスキットが組まれていたものと考えられますので、乗り味は相当変わっている筈です。

実はこの車は電装系以外はほぼ自分では整備した事がなかったので、サスキットもGSRプレミアムのビルシュタイン+アイバッハが入っていると思い込んでいたのですが、改めて確認してみたところ、当時の定価が40万円のラリーアートのビルシュタイン+アイバッハの車高調でした。(笑)

…という訳なので、もったいので社外品の足回りを入れるのではなく、今使っているダンパーをオーバーホールして、新車の乗り味を蘇らせる事にしました…と言ってもタイヤが安いアジアンなので蘇りませんが。

ビルシュタインダンバーのオーバーホール

ビルシュタインのダンパーは単筒式であれば、エナペタル社に旧ダンパーを送る事で1本辺り1万円台前半からオーバーホールして貰えます。

最寄りの取扱い店舗経由でエナペタル社にダンパーを送り、該当店舗での取付も可能ですが、今回は折角なので自分でサスキットを解体してダンパーを送る事にしました。

ランエボ号は普段はほとんど乗っていませんので、しばらくは車庫で亀さんになって貰う予定です。

実際にオーバーホールしてみたぞ!

今回は直接エナペタル社にOHを依頼しようと思ったのですが、OHに当たって色々知りたい事もあったので近隣でOHの代理店業務を行っている埼玉県吉川市の「CB365」さんにショックを持ち込んでOHを依頼しました。

■ スポーツサービスCB365

因みにビルシュタインダンパーは製品によってエナペタル以外にもOH可能な会社があるそうで、複数社でOHが可能な製品に関しては状況に応じて早く仕上がる方に依頼するとの事。

ショックを外してを持ち込んでから大体2週間くらいでOHが完了しました。

因みにショックのダメージが少なければ1本当たり1.4万円+税+送料くらいでOH可能なんですが、今回はシャフトロッドやメタル、ゴム・ブッシュ類の傷みが激しく、パーツ類はほぼフルセットでの交換になった上に、ヘルパースプリングシートの歪みがあったのでこちらも追加で注文した為、税込みで130,900円の支払額になりました。

先にディーラーでアッパーマウントやブッシュ類を注文しており、そちらが1.7万円でしたので合計で14.7万円の出費という事になります。

安い車高調であれば7~8万円で交換出来ますが、ラリーアートの車高調は定価で40万円の代物ですので10万キロ走って15万円程度ならまぁ妥当かなとも感じます。

乗り味はどう変わったのか?

今回は約10万キロ走行後のOHでしたが、ベースの乗り味は変わらないものの、段差を超えた時の衝撃が弱まり、衝撃後の上下の揺れの収まりも早くなったように感じます。

従って以前よりは乗り心地も改善された印象ですね。

ただし、この車高調自体がもともと乗り心地は最悪と言われていますので、普通の車と比べてはいけないレベルではあると思います。

サスペンションの取り外し・取り付けの手順

サスペンションの脱着手順は以下の通りです。

事前準備

今回のOHに当たり、事前準備としてまずはディーラーにて交換が必要になりそうな消耗品パーツ類を注文しつつ、整備書などを貰っておきました。

軽くハマったポイント

ランエボ10のサスペンションはフロントがストラット、リアがマルチリンク方式で外さなければならないボルト類はそれほど多くはなく、サスペンションの解体・組み立てもヘルパースプリングが使われている関係上、スプリングコンプレッサーを必要としませんので簡単な部類に入ります。

ただし、ロッド先端の形状が特殊であり専用工具も存在しないので、アッパーマウントの脱着にはインパクトレンチが必要でした。

この部分の形状が特殊な上、アッパーマウントがレンチ類の挿入を許さない形状なので苦労しましたが、最終的には近所の行きつけの車屋さんでインパクトレンチを使って脱着をお願いしました。

リアについてはこのような工具を使えばインパクトレンチを使わなくても脱着可能でした。

脱着するボルト類

脱着するボルト類は少なく、フロント側は…

アッパーマウントの3ヶ所

下側はこの2ヶ所と、裏側のブレーキラインなどを固定しているプレートのナットの計3ヶ所

※上下のボルトは種類が違います。

リア側はアッパーマウントの2ヶ所(トランク・シート裏の両側からアクセス)

 

下側はボルト1本のみで固定されています。

以上…と、簡単と言えば簡単ですね。最初のハマりポイントさえなければ…。

因みにフロントのアッパーマウントはベアリングからのグリス漏れと、ラバー部分のヒビ割れも良い感じでしたので、新品に入れ替えています。

また、右フロントのヘルパースプリングのシートがかなり波を打って歪んでおり、これが異音の原因になっていたようですので、スプリングシートは4枚全交換しています。

まとめ

とりあえず今のところは気になっていた異音も出ておらず、乗り心地も以前より良くなりましたので満足度は高い作業となりました。

ロッドのナットさえどうにか出来る環境なら作業の難易度はそれほど高くありませんので、迷っている方は是非!

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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