ECUチューンで車をさっくりお手軽パワーアップの計画

※2019年10月13日更新~HKSのフラッシュエディターのレビューを追記しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

今回は車の電子的な制御のうち、主にエンジンの制御を行うECU(Engine Control Unit)をチューニングする事でお手軽に車をパワーアップする方法をご紹介しつつ、後日実際にランエボ号で行う予定のチューニング状況についてレポートして行きたいと思います。

ECUチューンは車のファームアップデートみたいなもん

最近のECUはエンジン制御だけでなく、ABSやセキュリティ、その他の制御も行っているものがスタンダードになっているようですが、エンジンに関する部分では主に以下の動作に関する制御を行っています。

①インジェクターの燃料噴射の制御

②プラグの点火タイミングの制御

③タービンのブースト圧の制御

④スロットル開度の制御

ドライバーがエンジンをコントロールする為の入力装置はアクセルになりますが、純正のECUはアクセルから入力された情報(開度)に合わせて①~④の制御を行います。

エンジン制御の際には、各種センサーから得られた吸気量や排気ガスの成分の情報などがフィードバックされますので、気温や気圧、湿度が異なれば、同じ車で全く同じ操作をしても同じ制御がなされるとは限りません。

純正のECUの場合には様々な人が運転する事を想定して、一般道での低速域・高速道路での高速域ともにある程度快適に走れるような制御をしつつ、燃費と耐久性も考慮されていますので、良く言えば高次元のバランスタイプとも言えますが、走行性能を重視した場合には物足りなく感じる事もあるでしょう。

従ってECUチューンとは万人向けの純正ソフトウェアを、自分に合った方向性にアップデートするようなものと言えます。

普通はやらないですけど、パワーを落として燃費性能を上げる事も出来るわけですね。

因みに電気自動車のリーフの場合には、NISMOのECUに超高燃費モードもあったかと記憶しています。

電気自動車なのでエンジンではなくモーターと回生の制御ですけど、世の中にはそういうECUチューンもあるという事例です。

ECUチューンのデメリット

ECUチューンのメリットは、パーツ類を変える事無く自分の好みに合わせて…通常の場合にはパワーアップ、さらに細かく踏み込めば回転数ごと、速度域ごとのパワーアップが望める点が挙げられますが、デメリットも結構大きいです。

…というのは、純正の状態のECUは車を壊さないように本来の性能の70%程度までに抑えるような制御を行っているのに対して、ECUチューンではパワー重視の特性に寄せつつ安全マージンを削って80%、90%の性能を使い切ろうとする為、耐久性が落ちます。

従ってすぐに車が壊れなかったとしても、確実に各パーツ類の寿命は縮みます。

場合によっては極端に燃費が悪くなる事も考えられますので、普段使いの足としては至極扱いにくい車になりますね。

お金を掛けて壊れ易くなる上に燃費も悪化する可能性がありますので、車に興味がない人には愚行にしか見えませんが、そこには男のロマンがあるのです。

そう考えられない方には100%おススメ出来ません。

ECUチューンにかかるコストの相場

ECUチューンに掛かるコストは車種ややり方によっても変わりますが、数万円~十数万円です。

①自分でデータを入力して書き換える(車種によっては2~3万円で出来ますが、かなりの高確率でパワーアップせずに車が壊れるでしょう。)

②大手サードパーティの作った固定データに自分で更新する(5~10万円、場合によってはECUごと交換。今回はこれで行きます!)

③有名ショップでデータを更新して貰う(10万円くらい、ショップごとのおすすめデータになるが、ややコストが高く、車の持ち込みが必要)

④有名ショップで現車に合わせて調整しながらデータを作ってもらう(十数万円~結構高いのでパーツ類などのハードウェア交換が一段落してからで良いと考えます)

うちのランエボ号の場合にはマフラーと純正交換タイプのエアクリ以外はノーマルですので、今の段階では④の現車合わせの効果は薄く、現車合わせをしないなら③の持ち込み書き換えもコストだけ無駄に上がりそうな予感がしますので、今回は②で対応する事にします。

最終的にはタービン交換や排気量アップまで行けたら良いな~くらいには考えてますので、ある程度DIYで可能なパーツ交換が終わったらショップに持ち込んで現車合わせを考えています。

実はこのランエボ号、2年くらいほとんど乗っていなかったので売却も検討していたのですが、やっぱり売るのは惜しいな、だったら折角なので魔改造してやるぜ!となりました。(笑)

35GTRの中古車を購入するなども検討した事があるんですが、高速道路以外で楽しいのはやっぱりランエボだろうな~と。

DIYでECUチューンする方法

DIYでECUチューンする方法としては、車が壊れる確率が高いデータ入力を除外すると以下の2つが考えられます。

①予めデータ入力されたスポーツコンピュータと純正ECUを交換する方法(車種によってあったりなかったり)

②HKSのフラッシュエディターを使ってHKSの作ったデータと入れ替える(車種によってあったりなかったり)

ランエボ10の場合にはECUを扱っているサードパーティが非常に多いのですが、今回はコストのかからない②のHKSフラッシュエディターを使用する事とします。

フラッシュエディター対応車種はこちら

■ HKSフラッシュエディター適合

フラッシュエディターの実機レビュー

さて、フラッシュエディターの現物自体は随分前に手元に届いていたのですが、9月はECUチューン以前に純正ECUがハードウェア的にお亡くなりになられましたのでそれどころではありませんでした。

ランエボ10のECUが死亡したでござるの巻
...

因みに普通にショップで現車合わせが出来てしまうくらいの修理費用が掛かってしまいましたが、まぁしょうがないですね(笑)

さて、肝心のフラッシュエディターですが、セット内容なこんな感じです。

説明書は日本語版・英語版が付属してましたが、内容は過不足なく分かり易いものでした。

データの書き換え手順は以下の通りです。

①OBDアダプターにケーブルを差し込んで、純正ECUのデータをフラッシュエディターにバックアップ

②フラッシュエディターで生成されるフェーズ1、フェーズ2のいずれかのデータを選択して書き込み

③バックアップされたノーマルデータにも簡単に戻す事が出来る

なお、別の車にも使う事は可能ですが、その場合には先に書き換えた方の車を一旦ノーマルデータに戻さなければなりませんので、同時にデータを書き込む事が出来るのは1台分だけです。

書き込み手順は説明書に詳しく記載されていますのでイメージだけ

【ノーマルデータの吸出し】

【諸々の警告灯が点灯しまくり】

【書き込みデータの生成】

【フェーズ1・2の何れを書き込み】

フェーズ1はマフラーと純正ボックスタイプのエアクリへ交換程度の車向け、フェーズ2は触媒交換以上が条件になっています。

現状のランエボ号はHKSの純正交換タイプのエアクリと車検対応マフラーのみしか交換していませので、今回はとりあえずフェーズ1を選択して書き込み。

ノーマルデータと同様に学習が必要なので一般道・高速道を走ってみましたが、体感できるような効果はありません。

強いて挙げるなら高回転でのブーストの垂れが改善された?

うちのランエボ号は280馬力にECUでデチューンされた1型なので、300馬力仕様にはなったんですかね。(笑)

なお、既に手元にHKSのものではないですが、タービンアウトレット、フロントパイプ、触媒が届いているので1000kmくらい走ったら諸々交換後にフェーズ2をテストする予定です。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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