~アクティブセーフティの充実度で選ぶおすすめ車種は?
1769年、フランスで発明された蒸気自動車から始まった自動車の歴史は、今や「人の命を守る」ことを最重要テーマとした進化のステージに突入しました。
2025年現在、自動車は「ぶつからない」ことを前提としたアクティブセーフティ(予防安全装備)の充実によって、事故の回避能力を飛躍的に高めています。
この記事では、主要国産メーカー5社の最新予防安全装備を比較し、安全性で選ぶべきおすすめ車種を紹介します。
なぜ今、安全装備がこれほど重視されているのか?
高齢化社会の進展と歩行者事故の深刻化
日本では高齢者ドライバーによる事故が年々増加しており、ペダル踏み間違いや交差点での認知ミスによる事故が多発。
2024年には政府主導で「サポカー限定免許」制度が本格導入され、高齢者の新規免許取得や更新時には先進安全装備の装着が事実上の条件となりました。
自動車保険の割引にも影響
大手損保会社では2023年から先進安全装備付き車両に最大20%の保険料割引を適用。
衝突被害軽減ブレーキや車線維持支援機能などが事故率の低下に寄与することがデータで裏付けられ、ユーザーにも経済的なメリットが広がっています。
国際的な安全評価機関でも重視される「ADAS」
欧州のEuro NCAPや日本のJNCAP、アメリカのIIHSなど主要な安全評価機関でも、ADAS(先進運転支援システム)の性能評価が重視され、衝突試験だけでなく「自動ブレーキの夜間性能」や「交差点対応性能」が評価対象となっています。
主要なアクティブセーフティ装備(ADAS)
2025年現在、一般的な乗用車に搭載される代表的な予防安全機能は以下の4つに集約されます。
- LKA(車線維持支援)/LDP(車線逸脱抑制)
- PCS/AEB(自動ブレーキ:歩行者・自転車・交差点対応)
- ACC(全車速追従型クルーズコントロール)
- 誤発進抑制装置(前後対応)
最新車種による安全装備比較(2025年)
ここでは各社の2025年時点における売れ筋代表車種(B~Cセグメント)に搭載される装備を比較します。
メーカー | 車種 | 特徴 |
---|---|---|
トヨタ | プリウス | 最新のToyota Safety Sense搭載。夜間歩行者・交差点対応、駐車支援も進化。 |
ホンダ | ヴェゼル | Honda SENSINGを全グレード標準化。軽EV「N-VAN e:」にも展開中。 |
日産 | ノート | ProPILOT(高速道路対応+LDP付き)を一部グレードに標準化。 |
スバル | インプレッサ | 最新のアイサイトX搭載。ナビ連動・電動ブレーキ連携・後退支援もあり高機能。 |
マツダ | MAZDA2 | 価格帯の制限で一部装備にとどまるが、基本的な誤発進抑制や警報は搭載。 |
詳細比較:各ADAS装備の内容と実装レベル
車線維持支援(LKA/LDP)
車種 | 内容 |
---|---|
プリウス | 白線・黄線の認識に加え、道路端や車両側の構造物も認識しステアリング制御。 |
ヴェゼル | LKASで緩やかなカーブでも自然なセンタリングアシストを実現。 |
ノート | LDPはブレーキアシスト付き。ProPILOT搭載グレードではステア制御も加わる。 |
インプレッサ | アイサイトXによりステレオカメラ+3Dマップで高度なレーンセンタリング制御。 |
MAZDA2 | LDWS(警報のみ)。上位モデル(MAZDA3)でステアアシスト対応。 |
衝突被害軽減ブレーキ(AEB/PCS)
車種 | 内容 |
---|---|
プリウス | 交差点での右折時対向車・歩行者にも対応。夜間の検知率も大幅改善。 |
ヴェゼル | CMBS:昼夜問わず歩行者・自転車・車両を自動検知し、追突・出会い頭の回避を支援。 |
ノート | フロントカメラのみの構成。停止車両への対応が限られるが、日常走行には十分な精度。 |
インプレッサ | 交差点対応の他、後退時自動ブレーキ、死角車両にも対応したブラインドビュー連携あり。 |
MAZDA2 | 対車両対応が主。2025年モデルで昼間の歩行者対応に拡張。夜間検知は非対応。 |
全車速ACC(アダプティブクルーズ)
車種 | 内容 |
---|---|
プリウス | ミリ波+カメラのハイブリッド認識。ゼロ発進、カーブ対応、信号待ち追従も可能。 |
ヴェゼル | 高速・渋滞どちらも快適。車線内中央走行のサポート付き。 |
ノート | ProPILOT装備車のみ0km/hから対応。前走車に合わせた滑らかな加減速制御。 |
インプレッサ | ACCに地図連動速度制御追加。下り坂での車速オーバー防止や急カーブでの減速も可能。 |
MAZDA2 | 非対応。MAZDA3やCXシリーズでは搭載開始。 |
誤発進抑制装置
車種 | 内容 |
---|---|
プリウス | 巻き込み警報+自動ブレーキ。周囲360°センサーで駐車時衝突を自動回避。 |
ヴェゼル | 前後ともに対応。低速時の操作ミスを感知して出力抑制+警報。 |
ノート | 障害物との距離+ドライバーの操作から誤操作を予測して制御。後退時対応も含む。 |
インプレッサ | 後退時の飛び出しを検知。後退速度リミッター機能も搭載し、駐車場での安心感が高い。 |
MAZDA2 | 前進時の誤操作に対応。後退時の対応は非搭載。 |
2025年、安全装備で選ぶおすすめ車種は?
全体の装備充実度・対応範囲・精度・連携機能などを総合的に見ると、次の2車種が突出しています。
- スバル・インプレッサ(アイサイトX搭載)⇒ナビ連動・後退対応・地図ベースの制御あり。全方位型の安全性を確保。
- トヨタ・プリウス(Toyota Safety Sense最新世代)⇒全車標準化+交差点対応や自動駐車連携など、高精度かつ汎用性が高い。
一方で、ホンダ・ヴェゼルはコスパと快適性のバランスが良く、ノートは高速道路での安心感が強みです。
マツダ2は価格重視モデルのため装備制限がありますが、上位車種では十分な機能を搭載しています。
まとめ:安全装備は「対応範囲」「連携性能」まで確認すべき
カタログやCMでは“自動ブレーキ付き”とひとくくりにされがちですが、夜間対応の有無、交差点での検知精度、後退時の制御機能などで大きな差があります。
2025年のクルマ選びでは、以下のポイントを必ずチェックしましょう。
- 先進安全装備の「動作条件(速度域、時間帯、状況)」
- 安全装備が「標準搭載」か「オプション」か
- 上位モデルやオプションパッケージの有無
- 自動車保険料の割引条件との関連
最新技術を上手に選び、安全性・快適性・経済性を兼ね備えたカーライフを楽しんでください。
(ライター:ゴル)
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