こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
トヨタの一部人気車種ではディスプレイオーディオが標準装備となっている為、社外品のカーナビを取り付けられないケースが増えてきました。
C-HRについてもこのディスプレイオーディオに対応しており、「標準装備」扱いにはなっているものの、逆OPという形でオーディオレスが選択可能でその分の費用が車両価格から割引される形をとっています。(5.4万円値引き)
従ってオーディオレスからの社外カーナビの取り付けという選択肢もあり、なかなか悩ましい状況となっているようです。(でも選択肢が少ないよりは遥かに良いですよね^^)
そこでこの記事では、C-HRで選べる純正オーディオ・カーナビと社外カーナビのそれぞれの特徴について解説します。
C-HRの購入を検討中で、カーナビの選択について迷っている方の参考になれば幸いです。
※全ての選択肢は紹介しきれませんので、要望が多かろうと考えられる9型以上に絞りました。(標準搭載のディスプレイオーディオは8型も入れます)
C-HRの純正カーナビ
C-HRの純正カーナビは他の車種とはやや構成が異なり、オーディオレスや7型のエントリーナビも選択可能ではありますが、主に9型以上では以下の3通りに絞られます。
・9型T-Connect非対応ナビ
トヨタ車全体では、ディスプレイオーディオしか選択出来ないケース、T-Connectナビが選べるケースが多いのですが、C-HRについては純正7~9型ナビがいずれもT-Connect非対応となっており、T-Connectありきで考える場合には標準装備のディスプレイオーディオを選ぶ事になります。
従ってまず初めに判断すべきなのが「こちらの3つの選択肢のどちらを選ぶか?」と言ったポイントになります。
・9型純正ナビを入れる(T-Connect不可)
・社外品のナビを入れる前提でオーディオレス状態で納車(T-Connect不可)
ただし、「いきなりどれかを選べ!」と言われても純正ディスプレイオーディオの特徴が掴めない限りは難しいと思いますので、初めにC-HRのディスプレイオーディオの特徴について解説します。
C-HRのディスプレイオーディオのカーナビ機能はOP扱い
まず初めに知っておきたいのが、ディスプレイオーディオには最小構成ではカーナビソフトが含まれず、OPを付けない状態ではCarPlayやAndroid Autoのナビアプリを使用する事が前提となる点です。
最近のディスプレイオーディオというカテゴリーは、「カーナビからナビソフトを外した、ディスプレイを搭載するオーディオ」と言った括りとして確立されつつあり、トヨタのディスプレイオーディオについてもこれに従い、最小構成ではカーナビ機能はありません。
・ディスプレイオーディオには、OPでナビソフトとT-Connectのスタンダード機能を追加できる
・T-Connectスタンダード機能には、クラウドやプローブ情報を活用したルート探索や音声コマンド入力、セキュリティ強化機能などが含まれる
つまり、カーナビとしての機能面にアフターパーツ並の便利さを追求するなら、ナビソフトとT-Connectのスタンダード機能を追加しなきゃダメって事です。
こちらの110,000円のプランです。因みに地デジは+33,000円のOPとなりますので、大抵の方は143,000円スタートですかね(笑)
ただ、いきなり基本パターンをすっ飛ばすのもアレなので、まずは最小構成から考えて行きましょう。
ディスプレイオーディオの液晶サイズとオーディオ機能について
C-HRに標準搭載のディスプレイオーディオは8型フローティングタイプの1本だけとなります。
このディスプレイオーディオでサポートされているオーディオ機能はこちらの通りです。
・Bluetooth
・USBメディア再生
・CarPlay/Android Auto(USB接続)
・バックカメラ
・パノラミックビュー(OP)
・ETC2.0(OP)
・フルセグ地デジ(OPで33,000円)
逆に従来型のカーナビでサポートされている事が多い以下の機能はOPでも対応不可となります。
・CD/DVDメディア再生/CDメディア録音
・後席ディスプレイ独立再生
まずはこのディスプレイオーディオの機能に満足出来そうか?というのが最初に考えるポイントになります。満足できそうなら最小構成で良いと思います。
なお、トヨタの純正ディスプレイオーディオについては、別途以下記事で機能面を解説しています。
その記事やその記事に入れてあるCarPlay、Andoroid Autoや各種ナビアプリの使い勝手について書かれた記事リンクに目を通されるとディスプレイオーディオのメリットやデメリットが分かると思います。
ディスプレイオーディオとは、本来カーナビ筐体からカーナビ機能を外したオーディオ機能だけを残し、カーナビ機能はスマホのナビプリを使う事を前提に作られているのものです。(だからナビソフトがOP扱い)
因みにGoogle Mapを使い慣れた私でも、現時点ではアルファードクラスの大型サイズの乗用車になると、別途カーナビソフトが欲しいと感じています。
最低限だけどT-Connectも使える
次にディスプレイオーディオと合わせて標準搭載となったT-Connect機能についてです。
ディスプレイオーディオ標準搭載車は、T-Connectのエントリー機能が付いてきますので、これらの機能は無料・有料で使用が可能です。
・eケア(走行アドバイス):警告灯点灯時にオペレーターがアドバイス
・マイカーサーチ(うっかり通知/リモート確認・操作のみ)
・マイカーサーチ Plus:アラーム通知/車両の位置追跡/警備員の派遣/エンジン始動通知/リモートイモビライザー(2,420円/年)
まとめると、素のままのディスプレイオーディオではナビ機能はスマホのアプリに頼る事になり、T-Connect機能については安心・安全機能が付帯する形になります。
カーナビ機能を充実させたいならOPでナビ機能を追加しましょう。
カーナビソフトが必須なら純正ナビソフトを入れる
標準のディスプレイオーディオに追加OPでインストール出来るナビキットは、次の2つです。
・T-Connectナビキット:110,000円
キットと言ってしまうと分かりにくくなってしまいますが、要はプランですね。
これら2つのキットは、カーナビソフトは同じものでT-Connectのプランが異なります。
66,000円のエントリーナビキットの特徴はこんな感じです。
・T-Connectはディスプレイオーディオだけの時と同じプランが適用
従ってエントリーナビキットは、VICS WIDE対応のカーナビ機能が付くだけのもの、と考えて良いでしょう。
一方でT-Connectナビキットの方はハードウェア構成は変わらないものの、エントリーには含まれていないカーナビ充実機能であるクラウドルート探索や、地図の更新が含まれたマップオンデマンド、AIによる音声認識エージェント探索、などが付帯します。
※マーカー部がエントリーからの追加機能
・eケア(走行アドバイス):警告灯点灯時にオペレーターがアドバイス
・マイカーサーチ(うっかり通知/カーファインダー/リモート確認・操作のみ)
・ハイブリッドナビ、Tルート探索:トヨタプローブ情報を活用したリアルタイム渋滞回避のルート検索
・マップオンデマンド:3年間は地図の更新が無料(オンライン)
・エージェント:音声コマンドでAIが目的地を検索など
アフターパーツの上位モデル並に案内や探索機能を充実させたい場合には、T-Connectナビキットをインストールする必要がありますね…110,000円で。
なお、さらにOPで追加できるT-Connect機能も、エントリーキットより幅が広いものとなっています。
※マーカー部がエントリーからの追加機能
・オペレーターサービス:オペレーターによる目的地設定・施設情報の案内(3,630円/年)
・オペレーターサービスPlus:オペレーターによる施設や航空券の予約までサポート(6,050円/年)
因みに標準のディスプレイオーディオには、HDMI入力ポートもないですし、リアモニターへのメディアの独立出力も出来ないのでやはりアフターパーツのカーナビと比べると随分AVの機能は落ちます…残念ですが。
なお、オーディオレスで納車した場合の割引額は5.4万円となっていますが、ディスプレイオーディオにナビ機能や地デジをインストールすると6.6~14万円の追加費用が掛かりますので(CD/DVD/SDなしで)、同じ予算で12~20万円くらいまでの社外カーナビが選べる事になります。
オーディオ機能が不満なら9型のT-Connect非対応ナビを選ぶ手も?
ディスプレイオーディオにOPを付けてもCD/DVD/SDメディアはサポートされませんので、場合によってはこちらの263,120円のT-Connect非対応ナビを検討しても良いでしょう。
こちらはもともとカーナビ筐体ですので地図ソフトが入ってますし、CD/DVD/SDメディアもサポートされています。(SDへの録音も可)
ただし、社外品の同サイズのナビに比べると機能面で見劣りしますし、同じ予算で社外品を選べば機能面で圧倒的に優れている製品を購入してもお釣りが来ますので、私ならこの9型は100%選ばない自信があります。
C-HRの社外カーナビ
C-HRの9型以上の社外カーナビには以下の3つの選択肢があります。
・パイオニア楽ナビ 9型
・パナソニックフローティング液晶9型/有機EL 9型/10型
アルパイン BIGX 9型インダッシュ/11型フローティング
アルパインの大画面カーナビは、一部の車種を除いては共通する筐体を採用しており、化粧パネルなどの取付キットが車種別となっています。
また、ソフトウェアが車種別に最適化されており、車種別オープニング画面表示、音響チューニング、専用ガイド線、車両重量などを考慮したナビ案内、駐車場のサイズを考慮した検索機能などが利用できます。
メディア対応はハイレゾ再生、HDMI IN/OUT、リアの独立再生なども含めて全部あり、加えてナビシステムの音声操作、2021年モデルからはCarPlay・Android Auto・Alexaもサポートとなりました。
アルパインカーナビの詳細はこちらの記事で解説しています。
パイオニア 楽ナビ 9型
2019年のフルモデルチェンジ以降の楽ナビは、サイバーナビとほとんど同じ方向性になったので基本機能の面ではかなり似たものとなっています。
メディア対応の面ではハイレゾ再生はサポートしないものの、アルパイン・サイバーナビと大きな差はなく、HDMI IN/OUT、リアの独立再生などもサポートされています。
カーナビとしてはベーシックな機能ではありますが、HDMI IN/OUTとリアの独立再生が揃った製品では最安値です。
通常の使い方であればこれで充分ですね。
楽ナビの詳細はこちらの記事で解説しています。
パナソニック フローティング 有機EL 9型/10型
パナソニックは9型以上の製品としては、40万画素フローティング液晶の9型を1機種、100万画素のフローティング有機ELの10型を2機種展開しており、いずれもC-HRに適合可能です。
9型液晶タイプ「CN-F1D9VD」は楽ナビの9型と似たような特性ですが、以下のポイントで楽ナビの方が優れていますのでやめた方が良いでしょう。
・楽ナビはHDMI IN/OUTとリアの独立再生可
・楽ナビは車種別チューニングOPあり
10型有機ELの2機種は個人的には黒歴史になりそう?と感じる部分もありますが、動画の画質にこだわる方の一本釣りモデルだと思います。
ただし、真ん中の「CN-F1X10LD」はこの価格でHDMIのアウトなしなので、ちょっと中途半端感が否めないですね。
もともとパナソニックは車載ガジェットに対しての専門性が低く、ブランドイメージと汎用性の高さを生かして戦って来ているので、細かいユーザーのニーズを拾うマーケティングが苦手と感じます。
画質に拘る有機EL化を行いながら、自社のリアモニターも無い訳で…。軽自動車向けに9型とかならパナも良いかなぁと思った時期もありますけど、今は楽ナビがそこを押さえる特性になってますからね。
なので、C-HRの場合には原則として最上位の全部ありモデル「CN-F1X10BLD」をおすすめします。
パナソニックカーナビの詳細はこちらの記事で解説しています。
オマケ パイオニアディスプレイオーディオ「DMH-SF700」
社外品のディスプレイオーディオにはカーナビソフトが入っておらず、カーナビ機能はGoogle Mapなどのスマホアプリに頼る事になりますが、パイオイアのディスプレイオーディオ「DMH-SF700」を選択する方法もあるにはあります。
これはナビの使い方次第ですが、Google Mapの案内が許容出来るのであれば「DMH-SF700」を選択して大幅にコストを削減する事も可能になるかと思います。
まとめ
以上、C-HRの純正ナビと社外ナビについて紹介してみました。
まとめると、T-Connectありきなら純正カーナビ、価格とAV機能重視なら社外カーナビと言った選び方になりますね。
社外カーナビも機能、価格帯がそこそこバラけている印象なので、目的にあった製品を選びやすいのではないでしょうか?
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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