※2018年5月27日更新~バックカメラの取り付け手順について、パターン別に説明を加えました。
バックカメラの取り付け方法については、車種別に事情が異なる為、LaBoon!!ではアルファード個別のケースを除いて積極的に説明はしてきませんでしたが、最近はバックカメラのメーカーさんや販売店さんからの製品紹介の依頼を頂くようになったので、この機会にバックカメラを設置する際の保安基準と、ある程度普遍化できそうな取り付け方法についてまとめておきたいと思います。
バックカメラの取り付け方法についての記事を書かなかった本当の理由
バックカメラの取り付けについては、過去に4車種程度で実施していますが、1記事のみで完結する車種別、機種別の記事に関しては以下の記事を作成しています。
この記事はアルファードにパイオニア製のバックカメラの取り付けを行った時に作成した物なのですが、車種によって取り付け難易度が大きく変わり、バックカメラのモデルによっても若干の違いがあります。
最近の車では純正OPでバックカメラの設定があり、取り付け位置が確保されている車も多い為、このようなケースであれば車両後方からカーナビパネル裏にバックカメラ用のケーブルが最初から引き込まれている事が多いのかと思うのですが、問題は純正OPでバックカメラの設定がない車や、OPの設定があっても車内にケーブルが引き込まれていない車のケースです。
私が初めてバックカメラを自力で取り付けたのは、2007年式のランエボ10になるのですが、この車は納車時にバックカメラありのものは、トランクパネルに穴あけ加工とカバーの設置が施されています。
こう言ったケースの場合には、まず設置場所をどこにするか考えなければなりませんし、最終的にはナンバーとリアバンパーの隙間に配線を通したのですが、その作業が思いの外大変だった為、その当時は「二度とやるもんか!」…と心に強く誓いました。(笑)
とは言え、私は自分で出来る事はなるべくやる派なので、車両の入れ替えや増車の際には有無を言わさずバックカメラの取り付けという作業に見舞われます。
以降、3車種程度にバックカメラの取り付けを行った結果、一番最初に最も外れの車種を引いてしまっただけであり、意外と簡単に取り付けが出来る車種もあるということが分かりました。
ただ、車種別に難易度が大きく異なる作業について「バックカメラの取り付け方法はコレだ!」的な記事を書くのも抵抗がありましたし、軽くトラウマになっている「ランエボ10のバックカメラの入れ替え」などの事項もつきまといますので、今までは「バックカメラの取り付け方法」についての記事作成は避けていました。
しかしながら、最近はバックカメラのレビュー依頼について、メーカーさん・販売店さん・読者の皆さんからの要望が増えてきましたので、そろそろ重い腰を上げてある程度普遍化できそうなパターン別の取り付け方法について説明して行こうと考えています。
バックカメラの取り付け位置について
バックカメラの取り付け位置に関しては、映像の見え方以前に保安基準に適合させる事が最も重要なポイントになります。
この保安基準が少々ややこしく、分かりにくいのですが、バックカメラの取り付けに関する規制というよりは、歩行者保護の為の観点による、車両からの突起物のはみ出し全般に関する規制となっています。
要は変な出っ張りがあると歩行者にとって危険だから規制しますよ、というところですね。
また、ナンバー上に設置するケースについては、ナンバーの文字が見えなくならないようにする事が求められます。
バックカメラの取り付けに関わる保安基準
バックカメラの取り付けに関わってきそうな保安基準は2項目あり、ナンバー表示に関わる部分については文字が全て認識出来ればOKですが、突起物の項目は非常に分かりにくいです。
以下、パナソニック製のバックカメラの取り付けに関する注意事項の引用です。
【外装の技術基準 概要】
『自動車と人との接触の際に人が負傷する危険性を減らすため、自動車の外装表面には曲率半径が2.5mm未満である突起を有してはならない。』
第18条 細目告示別添 第1節 別添20「外装の技術基準」
詳しくは、国土交通省自動車交通局ホームページを参照ください。
■ 第18条 細目告示別添 第1節 別添20「外装の技術基準」
【2008年12月31日までに、関連商品を取り付けた場合に関して】
「道路運送車両の保安基準」の「外装の技術基準」の改定により、2008年12月31日までに、お取り付けした商品については、そのままお使いいただけますが、2009年1月1日以降登録の車に載せ替えますと、2017年4月1日以降は不適合となる場合があります。
また、恐れ入りますが、保安基準に適合する製品への交換はおこなっていません。
※2010年4月28日現在、当社製品は適合品に切り替わっております。
以前よりも突起物に関する基準が厳しくなっているのですが、良く分からなかったので国土交通省に問い合わせたところ、現状では自動車メーカーに対する規制として適用されるもので、例えばユーザーがアフターマーケット製品のバックカメラを設置する際には具体的な数値基準がある訳ではないそうです。
バンパーから突起物がはみ出していたとしても、それを以って即違法ということではなく、車検などでは現場の検査官の判断になるとの事。
結論としては極端な突起がなければ良いという解釈ですので、なるべく出っ張らないように設置しましょう。(最終的には検査官の判断なので、モラル的にどうこうというのは問題ないかな?と思います…曖昧な基準ですから)
バックカメラとして使い易いのはリアバンパーが映る位置
バックカメラに求められる役割は、①後方を俯瞰して障害物や人・動物などがいない事を確認、②車を障害物ギリギリまで寄せる際の距離の確認、の2点かと考えられます。
これら2つの目的を同時に達成する為には、車両の後方で最も飛び出しているであろうリアバンパーを映す必要があります。
こんな感じですね。
バックカメラのOP設定がある車で、仮にOPをつけなかった場合でもバンパー上にバックカメラの設置スペースが確保されている場合においては、特に悩むこともないかと思います。
そう言った場合には以下の記事が参考になるかと思います。
ところが、ランエボ10のようにOPを付けなかった場合には、バンパー上にバックカメラを設置する場所がないケースもあります。
こう言った場合にはリアスポ下などが理想になるのですが、ドリルでの穴あけやサンダーなどでパネルをカットする必要が出てきます。(ハードルがものすごく上がります)
そこまでやるような方は、おそらく自分であれこれ考えるのが好きな方だと思うので、この記事は参考にはならないと思います。(笑)
従ってここではおそらくほとんどの車で通用するであろう、ナンバー上への取り付け方法について説明します。
※ナンバーがリアバンパー上に設置されている車だとラッキーです。
なお、取り付け場所を選ばない、ナンバーに被せてボルト留めするようなバックカメラもありますので、取り付け場所に悩んだら以下のようなモデルもおすすめです。
■ ナンバー共締め「PORMIDO」バックカメラのレビュー、評価
バックカメラの取り付け手順
肝心の取り付け方法ですが、今後コペン・ランエボ10でいくつかのバックカメラのテストを行う予定が入っていますので、レビュー記事更新に合わせて手順を追記します。
バックカメラの接続箇所について
まず最初に押さえておきたいのが、バックカメラの接続箇所です。
例えば汎用品のバックカメラで最もスタンダードと思しき、コムテックの「SBC-10」の場合は以下の図の通りとなり、他のモデルに関しても車種専用やカーナビ専用品でなければ以下と同様となります。
①カメラとケーブルとの接続、②カーナビとの接続、③バック信号線、または後退灯のケーブルとの接続、④ボディアースの4か所となります。
まあ…カーナビとの接続が絡んできますので、それなりにDIY好きな方向けの作業となり、今までこの手の作業をした事がない方にはしんどいかと思います。(簡単な車種もありますけども)
カメラの設置位置からコネクタを引き込む
カメラを設置する位置を決めたらそこからどうにかして車内にケーブルを引き込みます。(カメラの固定は配線をカーナビに接続して動作確認を行ってからです。それまでその辺に転がしといて下さい。)
これは車種によって全く難易度が異なりますが、最も簡単なケースではナンバーを外す、またはずらすだけでバンパー内からケーブルを引き込む事が可能です。(普通車の場合には封印がありますので、右側のボルトを抜いて回転させる形になります。)
一番幸せなパターンですね(笑)
バンパー内部の配線は、ランプの配線が通っている部分からトランク内に引き込みます。
内張を剥がす必要がありますが、見える場所にクリップやボルトなどがない場合、基本的には手前に気合で引っ張るだけで外れます。
ランプ類の配線の周囲には防水用のゴムがはまっていますが、ゴムの内部は通せないかと思いますので、脇を通します。(これで水漏れした事はありません)
ミニバンやステーションワゴンなどのハッチバックなどのケースでは、ハッチの部分の内張を剥がせば中に引き込む事が出来るかと思います。
場合によっては外側のパネルなども外す必要がある事もあります。
最も難易度が高いのが、リアバンパー下にナンバーが付いているケースです。
こう言った場合でも、トランクの内張りを剥がして下が見えるようなら簡単なのですが、そうでない場合はかなり面倒です。
【内張を剥がしても何も見えないケース】
例えばランエボ10の場合には、ランプの配線周りからケーブルを通せる経路はココしかありません。
バンパー下を這わせて、ライトの部分から引き上げます。
もちろん、ライトは外さないとケーブルを引き上げる事は出来ません。
バルブは左右に回転させて外しておきましょう。
上の写真では既にバックカメラのケーブルが引きあがっていますが、これが結構大変だったりします。
というのは、上から見ても隙間が全くないように見えて、内部が入り組んでいる事があるからです。
【覗き込んでも地面が見えない】
こう言った場合にはどこからケーブルを引き上げて良いのか全く分かりませんので、上から他のケーブルやハリガネなどを突っ込んで出口を探すしかありません。
出口が見つかったらそのまま針金を下に引き出して、バックカメラのケーブルに養生テープなどで固定してから上に引き上げます。
この工程がかなり大変なので、ランエボ10のバックカメラ取り付けは二度とやりたくない…と感じた訳です。(まぁ、古い配線が残っていれば引き上げるだけなので割と簡単なんですけど)
バックカメラのコネクタをトランク内に引き込みます。
バックカメラの電源を確保する
トランク、またはハッチ内に配線を引き込んだら、カメラのコネクタと付属のケーブルを接続し、プラス極である赤線を後退灯の+線にエレタップで割り込ませます。
因みにL880Kコペンの場合には緑が後退灯のケーブルでした。(車種によって異なるかと思いますので、ネットで調べてみて下さい)
カメラのケーブルの方はアースケーブル(-極)なので、適当な車体のボルトに共締めします。
後退灯のケーブルに接続できない場合
以下のようなランプの配置では、後退灯のケーブルはトランクパネルの方にありますので、接続出来ません。
こう言ったケースでは、車両フロント側にあるリバース信号線に赤いケーブルを接続します。(ケーブルとフロントに引き込んだ後)
車種によってカーナビ裏にある場合もあるかと思います。
カーナビが付いていればおそらくカーナビと接続されている筈です。
ケーブルのフロントへの引き込み
ミニバンやハッチバックの場合にはトランクスペースが仕切られていないので、そのままマットを這わせるか、サイドの下側のパネル内に隠す方法があります。
トランクスペースが分かれている車の場合には、車種によって行程が全く異なります。
コペンの場合には割と簡単で、車内側のマットをめくるとセンターコンソールが見えてしまいます。
なので、ここにRCAの黄色いコネクタを通すだけです。
【コネクタが違いますが、黄色いRCAと見て下さい】
ランエボ10の場合には少々厄介で、トランクのマットや床材などの全ての物を一旦外に出し、車内側のパネルも外します。
リアシートの座面を外します。(外し方は車種によって異なるかも知れませんが、ランエボ10の場合には座面の前方を思いっきり上に引っ張れば外れます)
これでトランク内部が見えるようになりますので、配線を車内に引き込み、カーナビ裏に黄色のRCAコネクタを接続します。
なお、その際にバックカメラの故障のリスクやモデル入れ替えの時の事を考えて、延長ケーブルをカーナビ裏に挿しておいても良いでしょう。
こんなやつです。
カーナビの取り外しも車種によって簡単だったり、面倒だったりしますので、この手の電装品の取り付けの作業の中では難易度は高めかも知れませんね。
とりあえず配線はまだまとめずに、先にカメラの動作確認を行い、正常な動作が確認出来たらカメラを固定します。
カメラの固定方法
カメラの固定方法については、取付位置によって①付属の両面テープを使用する方法、②ビス止めする方法、③別途ステーを用意してナンバーと共締めする方法などがあります。
コペンの場合にはナンバー上部にちょうど良い奥行きがあるので、両面テープで固定している事が多いです。
ランエボ10の場合には、ナンバー上のバンパーの底に奥行きがない上に、手前に出っ張り過ぎている為、両面テープを使用するとカメラがかなり飛び出してしまいます。
こう言ったケースでは以下のようなステーを使用して、タイラップなどでカメラを固定し、ナンバーのボルトで共締めしています。
カメラを固定したら、角度の微調整を行いましょう。
余ったケーブルの結束
カメラを固定したら、余ったケーブルをトランク側に引き寄せながら、他の配線などにタイラップなどで固定します。
トランク側は余ったケーブルを結束してマットで隠れる位置などに暴れないように固定します。
後は外したパネルやマット類を元に戻して、バックカメラの取り付け作業は終了となります。
バックカメラの取り付け方法のまとめ
再三お伝えしていますが、バックカメラの取り付け作用の手順と難易度は、カーナビパネルの外し方や、ナンバープレートの位置、車両の形状によって大きく異なります。
簡単なケースだと慣れれば10分くらいで終わってしまうのですが、面倒なケースで途中の行程でハマったりすると、半日~一日掛かりになってしまう事もあります。
とりあえず事前に確認出来るポイントを考慮した上で、出来そうならDIYでの取り付けにチャレンジしてみて下さい。
無理そうだと思ったら業者さんに依頼するのも手だと思います。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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