こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
今回はLaBoon!!の読者さんの寄稿による、ジムニー(3BA-JB64W)への2カメラドライブレコーダー取り付け手順についてご紹介します。
取り付け機種はMAXWIN「MDR-A001」です。
ご自身でジムニーに2カメラドライブレコーダーの取り付けをやってみようと検討されている方の参考になると思います。
ドラレコと取り付け備品等の確認
まず、取扱説明書を参照し、同梱されている付属品に不足がないか確認します。
リアカメラを車内用にした場合は、カメラはフロント用と同じものですが、取り付けステーが違います。
ジムニーJB64Wには、車種別専用取付ステーMR-KIT04を使って取り付けるため、配線カバーは使いません。
マイクロSDカードは付属していないので、使用可能な最大容量の128GBのマイクロSDカードを別途用意しました。
電源の取り出し
付属されている電源ケーブルには、10Aのヒューズがついているので、助手席の足元にあるヒューズボックスから常時電源とアクセサリー電源を取ります。
エンジンルーム内の左側にあるヒューズボックスを開けると、蓋の裏に白のヒューズクリップがついているので、これを既存のヒューズの取り外しに使います。
助手席足元のヒューズボックスはグローブボックスを外した方がアクセスは容易ですが、外さなくても下からのぞき込むようにして作業は可能です。
ヒューズボックスのカバーにはヒューズの用途と容量が書かれています。
黄色の線の常時電源は2段目一番奥の赤色TAIL 10Aのヒューズ、赤い線のアクセサリー電源は3段目の中央にある青色ACC2 15Aのヒューズを使用します。
アクセサリー電源のヒューズが15Aから10Aに変更になるので、シガープラグ等から大きな電源を使う予定がある場合は要注意です。
アース線はヒューズボックスの奥にあるネジにナットを使って挟み込んで固定しています。
テスト起動
電源に接続できたので、前後カメラとドライブレコーダー本体を接続してテスト起動します。
すべて取り付けてからカメラが映らないなどということになれば製品の初期不良なのか、施工不良なのか原因究明が大変で、製品の不具合になれば手戻りになるので、取り付け前に製品に不具合がないことを確認しておく必要があります。
説明書を見ながら一通りの機能、操作に問題ないことを確認し、ケーブルを切り離してから取付作業に取り掛かります。
オーディオからのバック信号分岐
ドラレコ本体までの電源ケーブルの引き回しルートとしては、助手席側のAピラーを通した方が短くなりますが、今回はリアカメラ用のバック信号をオーディオから分岐することと、リアカメラ用ケーブルは運転席側を通す予定であることから、電源ケーブルもセンターパネル裏を回して運転席側Aピラーを通すことにしました。
オーディオパネルを外すには、まずエアコン吹き出し口上のカバーを外します。
両サイドにクリップ、上下に爪があるので、内装はがしで傷つけないように注意して下側から外します。
このカバーを外すとオーディオパネルを固定しているネジが2本見えるので外します。
オーディオパネルの上側は左右2か所、下側は左右に2つずつ中央に1つの計5か所のクリップで固定されています。
写真は取り外した後なので上下逆さになっており、上側のクリップしか写っていません。
オーディオ裏からは青い20ピンのコネクターと、小さい白いコネクターが出ていますが、白いコネクタにつながっている緑の線がパーキング信号、紫の線がバック信号です。
写真では緑の線は切断してアースに、紫の線は切断しギボシ端子で分岐してリアカメラから出ているバック信号線の延長用の青い線につないでいます。
ギボシ分岐コードと青いコードは付属品ではなく別途用意したものです。
電源もオーディオから分岐してもよかったのですが、あらかじめ付属の電源ケーブルにヒューズがついていたのでそのまま使いました。
ヒューズからとった電源ケーブルはエーモンの黄色の配線ガイドを使ってオーディオ裏に引き込んだ後、同じように配線ガイドを使って運転席側のAピラーの下に引き出しておきます。
バック信号の延長線も配線ガイドを使って運転席の足元に引き出しておきます。
Aピラーのカバーは、上下2か所のクリップ、ダッシュボードに爪で固定されているので、まず上側から浮かすようにして引っ張り、上下2か所のクリップが外れたら、上方向に引き出すようにすると取り外しできます。
ミラー交換
まず純正ミラーを取り外します。
カバーは4か所のクリップで固定されているので、内装外しを使って浮かして下に引っ張ると外れます。
シートベルト警告灯のケーブルがつながっているので、勢い余って引っ張りすぎないように注意します。
コネクターを外してカバーを取り外すと、ミラーを固定するネジが見えます。
このネジがとても固いので、取り外しにはサイズのあった大きなプラスのドライバーが必要です。
手持ちのドライバーではネジをなめそうだったので、インパクトドライバーを使って外しました。
取付ステーをドラレコ本体ミラーにネジで取り付けます。
本体から出ている電源ケーブルとフロントカメラ用ケーブルはステーの穴を通します。
ネジのところには、付属品ではありませんが、手元にあった3mmのスポンジクッションシートを切って貼り付けています。
スポンジクッションシートを貼り付けた理由は、ステーがセーフティサポートカメラのカバーと干渉するためです。
カバーの切り欠き加工はしたくなかったので、ミラーの取付ステーの根本の部分に、スペーサーとして手元にあった5mmの厚さのゴムシートにネジが通る大きさの穴をあけて挟み、ステーの位置を下にさげることで、カバーを加工せずに取り付けできました。
フロントカメラ取付
フロントカメラの位置については、中央はセーフティサポートのカメラがついているため、運転席側か、助手席側に取り付けることになります。
助手席側にすると運転席からはミラーの陰になり、視界の妨げにもならなくてよいのですが、できるだけ運転席から見える視界にカメラを合わせたかったので、運転席側に取り付けることにしました。
ジムニーのフロントウィンドウは高さがあまりなく、付属のフロントカメラ用の取付ステーを使うとカメラ位置が下がり、かなり視界の邪魔になるので、取付ステーは使わずにリアカメラについていた台座を付け替えてガラス上部に取り付けました。
フロントカメラの配線は、カメラからミラー取付部まで天井内張の中を通し、本体から出ているケーブルに接続し、余った配線は束ねて天井裏に隠します。
天井裏の隙間にケーブルを通すにあたって、天井の内張を少し浮かせるためにバイザーをあらかじめ外しておきます。
バイザーは根本のネジを外してから引っ張ると外れます。
左側の部品は爪ではまっているだけなのでひねるようにして引っ張ると外れます。
奥にあるクリップも外しておきます。
リアカメラ取付
車内取付用カメラを選択したので、リアカメラはリアウィンドウの上部中央に取り付けることにしました。
車外からハイマウントストップランプの下にテープで印をつけておくと簡単に位置決めができます。写真は取付後ですが、リアにスモークフィルムを貼っているためカメラが見えません。
カメラのレンズに熱線がかぶらないように高さも調整します。
このカメラは上下の角度をレバーで調整できるようになっていて便利であるものの、台座の角度が合わずに角度調整範囲を超える場合は別途工夫する必要があります。
ジムニーのリアウィンドウはほぼ垂直になっており、付属の取付台座ではカメラが下向きになり過ぎて使えなかったため、カメラの両サイドに超強力両面テープを追加し、直接ガラスに貼り付けました。
写真はすべて取付後のものです。
リアカメラ用ケーブルの引き回し
カメラの位置を決めて養生テープで仮止めしたら、ケーブルを通していきます。
リアカメラ用ケーブルは、リアウィンドウの運転席側の端に沿わせてリアデフォッガーの穴を通し、バックドアから蛇腹のホースを通して運転席側のリア内張りの中、ドアステップの下、フロントAピラー、天井裏を通しましたが、ケーブルの長さには余裕があります。
このケーブルのコネクター部分は、左の写真のリアカメラ側よりも、右の写真のドラレコ本体側に接続するコネクターの方が小さいため、リアからフロントに向かってケーブルを通していきます。
先にケーブルの配線ルートにある、運転席足元、ドアステップ、リア内張、バックドア内張を外します。
運転席のドアステップはクリップ2か所と爪で固定されているので、前方から内装はがしを使って浮かして爪を外していき、上方向に手で引っ張って外します。
ドアステップを外すと、カーペットの下にケーブルとウォッシャー液のチューブがあるので、ケーブルはこれに沿うように敷設します。
運転席の足元のカバーはアクセルペダルの上にあるプラスチックのネジをマイナスドライバーなどで反時計回りにまわして外してから、後ろ側に向かって引っ張ると外せます。右の写真の通り、ドア側の上部にクリップが1つあります。
リアの内張を外すため、リアシートの足元にあるクリップを外します。刺さっているだけなので内装はがしで浮かすようにして引っ張ります。
続いて後ろ側に周り、見えている4つのクリップと、ラゲッジトレーの下にあるクリップ1つを外します。真ん中のピンの頭をマイナスドライバーなどで浮かすと簡単に引き抜くことができます。
リアの内張の上部にクリップが5か所あるので、後ろ側から順番に浮かすようにして引っ張ってクリップを外していきます。
前方のピラーのところに爪があり、結構固くはまっているので、破損させないように注意しながら、力いっぱい引っ張ると内張が外れます。
バックドアの内張は12か所のクリップで固定されているので、内装はがしで浮かしながら手で引っ張って外します。ヒンジ側の下の方から反時計回りに外していきました。
ケーブルを通すため、左側からビニールシートをめくります。
気温が低いとブチルゴムがあまり伸びないのできれいにはがすことができました。
デフォッガーのケーブル出口のゴムキャップには切れ目が入っていて簡単に取り外すことができるので、いったん取り外してリアカメラ接続用のケーブルの小さい方のコネクターを上から下に通します。
リアカメラ用のケーブルをずーっと引っ張っていき、バック信号線も同じように上から下に通します。
通した後は、ゴムキャップを戻します。
ケーブルを追加したので、ゴムキャップはかなりきつくなりますが押し込みました。
この部分は後から別途購入していたこちらのカバーを使って隠すことができました。
残念なのはリアカメラケーブルの接続コネクターの位置です。
カメラから出ているケーブルの長さが短いため、どうしてもこの辺りにコネクターが来てしまうのでうまく隠すことはできません。
あと1mくらい長ければバックドアの中に隠すことができます。
バックドアにケーブルを引き込んだ後、配線ガイドを使って蛇腹の中を通して車内に引き込みます。
ケーブルを通す前に蛇腹の中にシリコンスプレーをしておくと、抵抗が少なくなって通しやすくなります。
ケーブルを既存の配線に沿って運転席足元まで持ってきたら、配線ガイドを使ってAピラーまで引き込み、あらかじめ引き込んでおいた電源ケーブルと合わせて天井裏を通して本体から出ているケーブルに接続します。
ドラレコ本体から出ているケーブルに接続した後、前方から後方に向かってケーブルのたるみをなくしていき、余ったケーブルをスペースのあるリアの内張の中で束ねて固定します。
動作確認
内張を元に戻す前に動作確認を行い、前後カメラが映ることを確認してから、外した内張を戻して作業完了です。
ミラー交換型で専用取り付けステーを使用したので、ドラレコのミラー周辺の配線もきれいに隠れました。
まとめ
以上、LaBoon!!読者様によるジムニー(3BA-JB64W)への2カメラドライブレコーダー取り付け手順についての解説でした。
2カメラドラレコの取り付けは国産車だと1.5~2.5万円くらいが工賃の相場になると思います。
私もDIYに目覚めたのは、工賃の節約の為ですし、やってみると結構面白いので興味がある方は是非チャレンジしてみて下さい。
この記事を見ても、自分で取り付けは難しいな、と感じるようであればこちらの手順で取り付け店舗を探しましょう。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント
リアカメラ取付位置についての質問です。新型ジムニーにMAXWIN MDR-A002のAかBを取り付けるのであれば、以前別の記事で質問させていただき、車外タイプをおすすめいただきました。新型ジムニーのリアカメラ純正取付位置はナンバープレートのすぐ上になるので、地上からすぐのところになってしまい、夜間など、ナンバーを視認できないなど、ドライブレコーダーとしての機能が十分に発揮されにくいのではと思いました。Laboonさんが書かれている、車外と車内取付の違いの記事も拝見しました。新型ジムニーでは車外であればどこにリアカメラを取り付けるべきか、または、ジムニーはリアガラスにスモークが入っているが、車内取付用のMDR-A002Bでも致し方ないか、ご教授いただければと思います。よろしくお願いいたします。
としゆき様
1.>夜間など、ナンバーを視認できないなど、ドライブレコーダーとしての機能が十分に発揮されにくい
これよりもスマートミラーとして見にくいのがデメリットです。ナンバーはそれなりに把握できると思います。
2.>新型ジムニーでは車外であればどこにリアカメラを取り付けるべきか、または、ジムニーはリアガラスにスモークが入っているが、車内取付用のMDR-A002Bでも致し方ないか。
このような判断をする場合
1)実車に取り付けて見え方を確認
2)その見え方が私が許容できるか判断
3)2)に基づいてそれを質問者様にお伝えする
と言う、極めて難しい工程が発生します。(現実的に無理)
このような事情から実車が手元にある状態であれば、サンプルをお送りしますので試用されてはいかがかと考えます。
※フィッティング用のサンプルのMAXWINの在庫確認が必要ですが。