※2025年5月28日更新:最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
ネズミ捕りや固定オービスなどのスピード違反の取り締まりに使われるレーダーの周波数は、かつてはXバンドのみでしたが、数年前から新Kバンドレーダー波を使うスウェーデンのセンシス製のMSSSや、日本無線製のJMA-520/401などの新型取締機が各都道府県警で導入され始めた事から、レーダー探知機各社もこの周波数を探知出来る製品を販売しています。
https://car-accessory-news.com/k-band-area/
しかしながら極めて厄介な事に、この新Kバンドレーダー波はコカ・コーラの動体検知レーダーやマツダ車の後方ミリ波と同じ帯域を使用している為、市街地では誤報の嵐になったり、マツダ車の後方を走ると狂ったように延々と誤報を繰り返す、と言う困った問題がつい最近まで存在していました。
コカ・コーラの人感センサー自販機による誤報
最近の自販機は環境への配慮から人感センサーで電力を制御するタイプが普及しているようですが、コカ・コーラーアプリ対応の自販機はは全て人感センサーを搭載しているようです。
これらは24GHz帯の電波を飛ばして動体検知を行っているようですが、レーダー探知機が探知するKバンド24.1GHzと非常に近い周波数のようですので、レーダー探知機が取り締まりのレーダー波と誤認しやすくなっています。
因みにこの自販機のセンサーモジュールの種類は不明ですが、自販機に使われるドップラーセンサーは24GHz帯が一般的で、富士通では以下のようなセンサーコンポーネントを生産しています。
注3)デフォルトでは24.11GHz、24.15GHz、24.19GHzの3チャンネル対応となっております。
お客様のご要望に合わせて最大11チャンネルまでのカスタマイズ対応が可能です。
24.10GHzにもカスタマイズ出来そうですが、Kバンドの取締りレーダー波と周波数が丸被りする可能性もありそうです。
※日本で使用されているセンシスの小型オービスMSSSのレーダーモジュールの電波周波数は24.15GHzである模様です。丸被りする自販機の周波数もありますね。(最近ではMSSS側も周波数を調整出来る事が判明)
こちらはレーダー探知機が自販機の動体検知用の電波を取締レーダー波と後にして警報している様子です。
※最近注目されている、日本無線製のJMA-520/401についても新Kバンドの帯域を使用しているようですが、詳しい周波数は未確認です。
2025年モデルの各社レーダー探知機の誤報の傾向
今回は2025年5月時点での各社最新モデル、ユピテル「YPK-21L」、ブリッツ「TL315R」、セルスター「AR-925AW」の3機種でKバンド取締導入済みの埼玉県、未導入の東京都内において以下の要領にて誤報の傾向をチェックしました。
- コカ・コーラ動体検知自販機での誤報の挙動チェック
- マツダ車後方での誤報の挙動の挙動チェック
- 誤報回数のチェック
走行経路はこちらの125kmです。
・池袋から山手線に沿って内回りで品川へ
・品川から国道1号線→4号線で埼玉県久喜市へ帰還
レーダー波の受信感度は全てのモデルで全ての周波数を最高設定、ユピテルの誤報対策機能は自動切り替えとしています。
コカ・コーラ動体検知自販機での誤報の挙動
コカ・コーラの一部の自販機は、スピード違反の取締で運用されているものとほとんど同じ周波数で節電を目的とした動体検知による人感センサーが搭載されており、Kバンド取締りが実装されてからは各社のレーダー探知機の誤報が一気に増えています。
2025年モデルでは、各社製品ともKバンドの誤報識別機能が実装済みですが、Kバンド取締導入済みの埼玉県においては、ユピテル・ブリッツ製品は正面から自販機に接近するパターンでは同じようなタイミングでプリアラートが発報され、識別が完了しています。
一方でセルスターの製品は、直前で誤報が出るケース、誤報が出ないケースの2パターンが確認されました。
プリアラートも誤報である事には変わりありませんので、コカコーラの動体検知自販機対策としてはセルスターが最も高精度であると言えそうです。
マツダ車後方での誤報の挙動
マツダ車の後方ミリ波も同様にスピード違反の取締で運用されているものとほとんど同じ周波数となっている事から、従来のレーダー探知機はマツダ車探知機と揶揄されるほどマツダ車の後方では狂ったように誤報を発し続ける問題がありました。
2025年モデルのユピテル製品は、Kバンド取締が導入されているエリアでは、警報を抑制する制御を行わず、未導入エリアでは無駄な誤報を抑える為に、警報を抑制する制御を行います。
今回はKバンド取締が導入されている埼玉県内、未導入の東京都内でのテストを実施しましたが、それぞれ以下のような挙動を示しました。
Kバンド取締が導入されている埼玉県内
Kバンド取締が導入されている埼玉県内では、ユピテル製品・ブリッツ製品とも、遠距離ではプリアラート、ある程度接近するとプリアラートが止まるパターン、接近してもプリアラートが止まらないパターンが確認されました。
後方からマツダ車に追い抜かれるようなケースでは、最短時間のプリアラートの発報となり、徐々に電波が強まるよりも、一気に強い電波を浴びた方が識別時間が短くなるような挙動が確認されました。
一方でセルスター製品は、今のところマツダ車後方での誤報は確認出来ておらず、3社の中では最も精度の高い識別がされているように感じました。
Kバンド取締が未導入の東京都内
Kバンド取締が未導入の東京都内では、ユピテル製品は警報が抑制される制御が入る為、プリアラートは発生せず、ブリッツのみ誤報が出る結果となりました。
誤報回数のチェック
誤報の回数は以下の通りとなりました。
誤報回数 | セルスター | ユピテル | ブリッツ |
---|---|---|---|
埼玉県 Kバンド導入済 | 8 | 33 | 18 |
東京都 Kバンド未導入 | 17 | 8 | 56 |
計 | 25 | 41 | 74 |
誤報対策はセルスターが最も精度が高いと言えそうです。
その他、誤報をカットするレーダー探知機の設定
2025年5月時点では前述のように各社のKバンドへの誤報対策に大きな差が出ましたが、これ以外にもレーダー探知機の固有の機能、または設定変更によって誤報を減らせる可能性があります。
3社共通の誤報カットの設定
2025年5月時点では、3社ともに以下のような誤報カット機能を搭載しています。
指定の時速未満ではレーダー探知の警報をカット
一つ目は指定の時速未満ではレーダー波探知の警報を全てカットする設定です。
ユピテルではこれを「ACC/SE」、ブリッツは「LSC」、セルスターは「L.S.C.」と呼んでいます。
レーダー探知機の受信感度を設定
二つ目はレーダー探知機の受信感度を調整する設定項目です。
・ユピテル:シティ・エクストラ・スーパーエクストラ
※カスタム設定では、速度・感度を自由に組み合わせて調整出来ます。
・ブリッツ:LO・HI・S-HI・HYP
・セルスター:スーパー・ウルトラ・エクストラ
なお、ブリッツの場合にはこの速度に応じた調整に加えて、更にXバンド/Kバンド/MSSS/JMAの受信感度を個別に調整が可能です。
誤報のキャンセルポイントの登録
ユピテル・ブリッツ製品では、誤報ポイントなどで警報をキャンセルするエリアを手動で登録する事が可能です。
それ以外にもユピテルは別の日に同じ位置で警報が鳴ると、その場所は自動でキャンセルポイントとして登録される機能があります。
ブリッツのモデルでは警報中に手動でキャンセル操作を行う仕様となっています。
セルスターにはこのようなキャンセルポイントの抽出機能は表向きはありません。(内部的にはあるかも?)
2025年のおすすめモデルは?
最新のテストでは、主にレーザー式の取締よりも脅威と考えられるKバンドの周波数を使ったレーダー式の取締に対する回避能力の高さを比較しています。
例え探知距離が長くても、誤報が多過ぎると本物の取締を受信した際に反応が鈍くなりますので、受信距離と誤報の多さのバランスが重要かと思います。
Kバンドを使用したセンシス製の小型オービスSSSの受信距離は
ですので、ユピテル製品が他社の3割増し程度になりそうです。
一方で誤報対策の面では、セルスター製品は対自販機・対マツダ車とも3社の中で最高の精度、誤報の絶対数も最も少ないと言う結果でした。
誤報回数 | セルスター | ユピテル | ブリッツ |
---|---|---|---|
埼玉県 Kバンド導入済 | 8 | 33 | 18 |
東京都 Kバンド未導入 | 17 | 8 | 56 |
計 | 25 | 41 | 74 |
従って2025年モデルのレーダー探知機は、セルスター製品がベストバイと言えそうです。

因みに私は複数の車両にユピテル製品のステーと配線が引かれていますので、簡単に乗り替えは不可の状況です。
頑張ってキャンセルポイントの登録を進めつつ、時速40km以下の警報はカットするなど、誤報に慣れてしまわないような工夫をしようと思います。
ブリッツ製品はJMAに対応した事で、前世代よりも誤報が増えているように感じました。
まさかのまさか…という結果でした(-_-;)
コメント
こんにちわ。初めてコムテック購入しましたが、誤警報が多いです。
バグなのか、何も無いところでレーダー受信し
その後は、レベル4レベル3で受信したままになります。
再起動でも同じく受信したままの時があります。自宅駐車場では鳴らないのに鳴り続けるそれが嫌ですね。
コムテック初購入様
最近、コムテックのレーダー探知器がノイズに弱いという情報を頂き、フェライトコアのレーダー探知器の電源ケーブルのレーダー直前に巻き付けたところ、やや改善が見られました。
ドライブレコーダーなどの他の車載機器にも全て取り付けています。
半分まじないのようなものかも知れませんが、フェライトコア自体は安いので試してみる価値はあるかも知れません。
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なるほど!試してみます!ありがとうございます^_^
こんにちは^^
704Vの記事の件ではありがとうございました
やはり、セルスター自体から何かしらのノイズが発生して
それをコムテックが拾うってパターンですね
セルスターは強烈なノイズを出してるのに自分は知らんぷり・・・・
かなり感度を絞ってる気がするのですが・・・
近くでよくステルス取締りやってますがセルスターはユピやコムが反応する場所に
近づいても無反応って場合が基本ですしいわゆる誤警報もセルスターはほとんど
通常警報でなくステルス警報ばっかのような印象を受けるのですがね・・・
また、セルスターのアシュラリンク警報を発した場合や天気情報画面に切り替わると
かなりの確率で誤報してました(この場合はユピテルも・・・)
そんなことないですか?
今は、フェライトコア施工も多少は関係あるとは思いますが
一番大きな要因は電源配線だと思います
私の場合は、3機種ともシガー配線なのですがその場所を2又等を使用して
それぞれ離したりしたら今は本当に誤警報はほぼ無くなりました
(あれだけ誤報の嵐だったんですが・・・)
最後に取締件数の違いはやはり踏切ポイントのカウントを変更しただけの話みたいですね
903VSと併用して使用しましたが取締りポイントの違いは全く感じられなく
お互い同じ場所を登録・警報するようなので・・・
703Vから機種変更しましたがなんかだまされた感じです・・・^_^;
以上、失礼しました
ひらやん様
厳密には分からないのですがセルスターのレーダー探知器が何かの動作、(こちらで見る限りはNシステムや事故ポイントなど様々で特定出来ません)で誤報がなっているようです。
検証は難しですね~、感覚や印象もありますし(笑)」
併設する場合には電源も本体位置も出来るだけ離してノイズ対策をするのが今のところ考え得る最良の策でしょうね。
因みにコムテックの共有ポイントの更新は体感出来ましたか?私の場合は過去に共有ポイントに設定されていた場所が削除されていました(多分)
この共有ポイントの精度で信頼性が大きく変わりそうですが、これもユーザーからは検証できないんですよね…残念ながら
こんにちは
間違ってたらすいません
取締共有システムは確かレーダー波を受信したらサーバーへ自動で登録されると思うのですがリアルタイムに警報するために何時間後には削除されるというイメージなんですが違いましたかな?
一旦サーバーに自動登録されてもその後同じ場所でレーダー波を受信し情報更新しない限り削除される…鮮度重視みたいな
あくまで今やってるかもよ!ってのを知らせるのが取締共有システムだと思いますが違ったかな?
ぶっちゃけ取締共有システムに活用出きるのはレーダー波受信する取締りなんでレーダー探知機積んでるなら当然普通受信すると思うのであまり意味ないような…ステルス取締りには有効かもですね
以上、失礼しましま(^_^)
ひらやん様
確かにアップされている動画では2014年モデルのZERO94VSと同じ仕様でリアルタイムになっているようですね。
最近自宅の近くで共有ポイントがあるのに気が付いて見に行ったのですが、ここはやらんでしょ?という場所でした(笑)
仰る通り、他車が探知した地点なら自分の端末も警報を出すでしょうから、有効なのはステルスだけになるかも知れませんね。
はじめまして。
コムテック ZERO 100lを使用していますが、
高速でマツダ車の後ろにつくとBSMの影響で警報が鳴りっぱなしになります。
VWやAudiの後ろでもよくあります。
Kバンド 24.1Gへの反応のようです。
Webで調べても同様症状の記事が少しはありますが
もっとたくさん騒がれててもおかしくないレベルです。感度の個体差なのか??
サービスセンターに問い合わせると、どうしようもないとのこと。
新製品の105lではKバンドのON/OFF可能とあったので
センターに確認したところ、レーダー完全OFFのモードで可能とのこと。
それでは使えないとおもいました。
管理人様 なにかよいアドバイスはありませんでしょうか?
とおりん様
コムテックのレーダー探知機は全般的に誤報に対しての対策が不充分で、逆に感度の高さを売りにしているところもありますね。
残念ですが、これはレーダー探知機のプログラム上の問題なので、誤報を無くす方法は思いつきません。
レーダー探知機の誤報が増えすぎるのであればセンシス製Kバンドへの対応は完全に諦めてセルスター製品にするという選択肢も出てきますね。
管理人様は性能比較を重要視されているため誤報カット機能をオフにしているとのことですが、実際に取り付けた時にバンバン誤報が鳴るようだとある程度の誤報カット機能を使わざるを得ないと思います。
その設定で万が一期待していたほどの検知が出来ないと思うとなかなか購入に踏み切れないですね。
もし宜しければ、おススメ機種における誤報カットのおススメ設定なを教えていただきたいです。
カネダ様
>センシス製Kバンドへの対応は完全に諦めてセルスター製品にするという選択肢も出てきますね。
TV局みたいに大きなスポンサーがつけば、誤報の頻度と人間の反応の相関関係を統計データから分析できそうですよね。
こういったデータが無い限りは個々のユーザーの好みとしか言いようが無いんですよね(笑)
機能面からのおすすめ機種はLS700ですが、この機種の場合には誤報と警報距離のバランスを考えればL2以上を警報(100~120m手前での警報になることが多い)、多少誤報が多くても長距離から警報(最大で200m超)させたいなら感度最高のスーパーエクストラです。
MSSSは50m手前付近では測定が終わっている可能性が高いので、100~120m手前の警報で間に合うかどうか?それなら余裕をもって200m手前から警報させるのか?
誤報に対する感じ方は人それぞれなので、どちらを選ぶかは好みですね…。最近の私は感度最高のスーパーエクストラで使ってますので、この設定でうるさいなら誤報カット機能で少しずつカットしていく方法をおすすめします。
ユピテルの調整はアナログ的?に段階的に感度が変わる気がしますが、コムテックは感度を落とすといきなり無反応になったりしますね。やはりこういった部分でもユピテルの方が洗練されていると思います。
昨夏、セルスターのW86LAからユピテルのZ200Lに変更しました。
いつも通る場所にコカ・コーラの自販機があるのですが、自動キャンセル機能があるはずなのにそこだけは反応するんですよね(他はちゃんとキャンセルしてくれるのですけど)。
何か自販機自体に違いがあるのでしょうか。
また、ドライブ中の1本道で前にマツダのCX-3が走っていて、これも反応しまくりでした。
逃げようにも脇道は無し、車間を開けようにも自車の後ろもかなりの台数で閉口しました。
※前のCX-3がやっといなくなったと「ホッ」としたのもつかの間、また別のCX-3が…(笑)
水野様
ユピテルの自動キャンセルは2度通過しただけ…と言う条件以外に、本物の取り締まりをキャンセルしない為の何かの要素が存在するのかも知れませんね(電波の強度など)
マツダ車の後方ミリ波は探知機殺しですよね(笑)
コメント失礼します。
一つお聞きしたいのですがレベル3の表記が出て一時的に赤く光っていました。オービスかなと思ってその後三回ほど通りましたがなんの反応もしませんでした。どういうことか教えていただきたいです。
歴代モデルでたまにそう言う事はありますが、ソフトウェアのバグだと思います。
レーダーの誤報はなかなか難しいですね。探知機も高くてそうそう買い替えもできません。なんとかして欲しいものです。
自動運転並みのハードウェア使って、複雑なアルゴリズムで処理すればどうにかなりそうな気もしますけど、ハードウェア的にもソフトウェア的にもコストの面で難しいのかも知れないですね(-_-;)