※2025年6月1日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!LaBoon!!編集長鈴木朝臣です。
Kバンドを用いたセンシス製のMSSS、日本無線製の(JMA-520/401)によるスピード違反の取締への対応として、レーダー探知機各社ともこれを探知する製品の販売を始めましたが、Kバンド探知に漏れなく付いて来たのが誤警報の頻発です。
https://car-accessory-news.com/k-band-area/
誤警報の大きな要因としては、レーダー式取締りと同じ周波数帯を使用するコカ・コーラ自販機の人感センサー、マツダ車の後方検知のミリ波などが挙げられ、各社ともこの誤報の低減に苦慮しているように見受けられます。
コカ・コーラの人感センサー自販機による誤報
最近の自販機は環境への配慮から人感センサーで電力を制御するタイプが普及しているようですが、コカ・コーラーアプリ対応の自販機はは全て人感センサーを搭載しているようです。
これらは24GHz帯の電波を飛ばして動体検知を行っているようですが、レーダー探知機が探知するKバンド24.1GHzと非常に近い周波数のようですので、レーダー探知機が取り締まりのレーダー波と誤認しやすくなっています。
因みにこの自販機のセンサーモジュールの種類は不明ですが、自販機に使われるドップラーセンサーは24GHz帯が一般的で、富士通では以下のようなセンサーコンポーネントを生産しています。
注3)デフォルトでは24.11GHz、24.15GHz、24.19GHzの3チャンネル対応となっております。
お客様のご要望に合わせて最大11チャンネルまでのカスタマイズ対応が可能です。
24.10GHzにもカスタマイズ出来そうですが、Kバンドの取締りレーダー波と周波数が丸被りする可能性もありそうです。
※日本で使用されているセンシスの小型オービスMSSSのレーダーモジュールの電波周波数は24.15GHzである模様です。丸被りする自販機の周波数もありますね。(最近ではMSSS側も周波数を調整出来る事が判明)
こちらはレーダー探知機が自販機の動体検知用の電波を取締レーダー波と後にして警報している様子です。
マツダ車の後方検知ミリ波による誤報
コカ・コーラの動体検知自販機と同様に、取締りで使われるものと周波数帯と同じ周波数帯となっているのが、マツダ車の後方検知ミリ波です。
少し前までのレーダー探知器はマツダ車の後方につくと、延々と狂ったように誤警報を発し続けると言う問題がありました。
このような背景から、各社2025年モデルでは、自販機・マツダ車に対する誤警報対策が実施されるに至りました。(ただし、完璧ではない)
2025年5月時点での誤報チェックの結果
今回は2025年5月時点での各社最新モデル、ユピテル「YPK-21L」、ブリッツ「TL315R」、セルスター「AR-925AW」の3機種でKバンド取締導入済みの埼玉県、未導入の東京都内において以下の要領にて誤報の傾向をチェックしました。
- コカ・コーラ動体検知自販機での誤報の挙動チェック
- マツダ車後方での誤報の挙動の挙動チェック
- 誤報回数のチェック
走行経路はこちらの125kmです。
・池袋から山手線に沿って内回りで品川へ
・品川から国道1号線→4号線で埼玉県久喜市へ帰還
レーダー波の受信感度は全てのモデルで全ての周波数を最高設定、ユピテルの誤報対策機能は自動切り替えとしています。
コカ・コーラ動体検知自販機での誤報の挙動
コカ・コーラの一部の自販機は、スピード違反の取締で運用されているものとほとんど同じ周波数で節電を目的とした動体検知による人感センサーが搭載されており、Kバンド取締りが実装されてからは各社のレーダー探知機の誤報が一気に増えています。
2025年モデルでは、各社製品ともKバンドの誤報識別機能が実装済みですが、Kバンド取締導入済みの埼玉県においては、ユピテル・ブリッツ製品は正面から自販機に接近するパターンでは同じようなタイミングでプリアラートが発報され、識別が完了しています。
一方でセルスターの製品は、直前で誤報が出るケース、誤報が出ないケースの2パターンが確認されました。
プリアラートも誤報である事には変わりありませんので、コカコーラの動体検知自販機対策としてはセルスターが最も高精度であると言えそうです。
マツダ車後方での誤報の挙動
マツダ車の後方ミリ波も同様にスピード違反の取締で運用されているものとほとんど同じ周波数となっている事から、従来のレーダー探知機はマツダ車探知機と揶揄されるほどマツダ車の後方では狂ったように誤報を発し続ける問題がありました。
2025年モデルのユピテル製品は、Kバンド取締が導入されているエリアでは、警報を抑制する制御を行わず、未導入エリアでは無駄な誤報を抑える為に、警報を抑制する制御を行います。
今回はKバンド取締が導入されている埼玉県内、未導入の東京都内でのテストを実施しましたが、それぞれ以下のような挙動を示しました。
Kバンド取締が導入されている埼玉県内
Kバンド取締が導入されている埼玉県内では、ユピテル製品・ブリッツ製品とも、遠距離ではプリアラート、ある程度接近するとプリアラートが止まるパターン、接近してもプリアラートが止まらないパターンが確認されました。
後方からマツダ車に追い抜かれるようなケースでは、最短時間のプリアラートの発報となり、徐々に電波が強まるよりも、一気に強い電波を浴びた方が識別時間が短くなるような挙動が確認されました。
一方でセルスター製品は、今のところマツダ車後方での誤報は確認出来ておらず、3社の中では最も精度の高い識別がされているように感じました。
Kバンド取締が未導入の東京都内
Kバンド取締が未導入の東京都内では、ユピテル製品は警報が抑制される制御が入る為、プリアラートは発生せず、ブリッツのみ誤報が出る結果となりました。
誤報回数のチェック
誤報の回数は以下の通りとなりました。
誤報回数 | セルスター | ユピテル | ブリッツ |
---|---|---|---|
埼玉県 Kバンド導入済 | 8 | 33 | 18 |
東京都 Kバンド未導入 | 17 | 8 | 56 |
計 | 25 | 41 | 74 |
誤報対策はセルスターが最も精度が高いと言えそうです。
特に条件を定めなければセルスターがおすすめ
最新のテストでは、主にレーザー式の取締よりも脅威と考えられるKバンドの周波数を使ったレーダー式の取締に対する回避能力の高さを比較しています。
例え探知距離が長くても、誤報が多過ぎると本物の取締を受信した際に反応が鈍くなりますので、受信距離と誤報の多さのバランスが重要かと思います。
Kバンドを使用したセンシス製の小型オービスSSSの受信距離は
ですので、ユピテル製品が他社の3割増し程度になりそうです。
一方で誤報対策の面では、セルスター製品は対自販機・対マツダ車とも3社の中で最高の精度、誤報の絶対数も最も少ないと言う結果でした。
誤報回数 | セルスター | ユピテル | ブリッツ |
---|---|---|---|
埼玉県 Kバンド導入済 | 8 | 33 | 18 |
東京都 Kバンド未導入 | 17 | 8 | 56 |
計 | 25 | 41 | 74 |
従って2025年モデルのレーダー探知機は、セルスター製品がベストバイと言えそうです。

しかしながら、毎週のようにツーリングやドライブに出掛け、大体同じコースを回る事もあるような方の場合には、以下のIキャンセル機能を活用する事を前提にユピテル製品がおすすめになるケースもありそうです。(私がこのパターン)
ユピテル Iキャンセル機能
ユピテルのレーダー探知機には、別の日に同じ位置で警報が鳴ると、その場所は自動でキャンセルポイントとして登録される「Iキャンセル」機能が搭載されています。
同じ場所に何度もドライブに出かける人向け
この「Iキャンセル」機能は、初めて走る場所では機能しません。
同じ場所を2回以上通った場合にのみ、誤報ポイントが自動でキャンセルポイントとして登録されますので、近場のドライブやツーリングに行きつくしてしまい、毎年同じルートを通り、同じ場所に行ってるような人には、セルスターよりもユピテルの方がおすすめになりそうです。
逆にそれほどドライブの頻度が高くなく、同じ場所にはほとんど行かない方にはセルスター製品がおすすめです。
なお、ユピテルの「Iキャンセル」機能は、機種変更の際には当然の事ながら再学習が必要です。
※機種変更の際に「Iキャンセル」ポイントも引き継げるようにして欲しいですね。
コメント
マツダ車の周波数なんとかして欲しいですね。高速でびっくりします。(^^;
ホントそうですね。