スピード違反取り締まりの実態|警察の矛盾と理不尽な検挙を避ける対策

国家公安委員長による「取り締まりのための取り締まりではないか」との問題提起から10年以上が経過しました。

果たして警察によるスピード違反取り締まりは改善されたのでしょうか?

この記事では、筆者が直面したネズミ捕りや小型移動オービスの事例をもとに、最新の速度管理指針との乖離や、警察の運用姿勢について検証していきます。

ネズミ捕りの実態:取締り現場の現実

現在でも、いわゆる「ネズミ捕り」は各地で行われています。

私が遭遇したのは埼玉県小鹿野町の県道37号線。制限速度40kmの直線路で、橋上という見通しの良い場所です。歩行者や自転車の姿は皆無。

しかも、その道路は埼玉県警の「速度管理指針」における重点取締路線には含まれていませんでした。

にもかかわらず、取り締まりは実施されており、その理由が「事故防止」ではなく「検挙効率」ではないかと疑わざるを得ません。

埼玉県警の速度管理指針と取り締まりの矛盾

埼玉県警が公表する「速度管理指針」では、以下のような方針が示されています。

  • 死亡事故の多い幹線道路を重点路線とする
  • 実勢速度を抑制することが目的
  • 交通の円滑化のため、最高速度規制の見直しを推進する

しかし、実際の取締り場所はこうした指針と乖離していることが多く、実態は「検挙しやすい場所を選んでいる」と言われても仕方ない状況です。

速度制限標識の見直しや設置の適正化といった、交通安全上の本質的な改善が置き去りにされています。

小型移動オービスの運用実態:目的と実効性のギャップ

2014年に警察庁が導入した「小型移動オービス」は、幹線道路に偏っていた従来の取り締まりの固定化を解消し、生活道路などでの安全確保を狙ったものでした。

しかし、実際に設置されたのは広い県道や交通量の多いバイパスが中心で、歩行者が多く通る住宅街での運用はほとんど確認されていません。

私自身、複数の目撃情報を頼りに埼玉県内の設置ポイントを巡回したものの、生活道路での設置は一例も見つけられませんでした。

生活道路の安全確保こそが本来の目的では?

警察法第2条では、警察の役割として「個人の生命・身体・財産の保護」「公共の安全と秩序の維持」が明記されています。

であればこそ、歩行者や自転車が多く通る生活道路での速度抑制こそが本来の目的であるはずです。

ところが現実には、人通りも事故発生率も少ない見通しの良い道路での取り締まりが優先され、生活道路では危険な運転が見逃されているケースも目立ちます。

ネズミ捕りの効率化=国民の安全ではない

小型オービスの導入によって「ネズミ捕り」に必要な人件費が削減され、検挙件数の増加が期待されていることは確かでしょう。

しかし、反則金収入の増加だけを目的にしたような運用では、交通安全の本質から逸脱しています。

こうした取り締まりは、国民の信頼を失わせる要因にもなりかねません。

2025年時点の結論:形だけの改善に終始している

国家公安委員長が2013年に問題提起してから10年以上が経過した2025年現在、スピード違反取り締まりの運用方針には形上の改善が見られるものの、現場での運用には大きな疑問が残ります。

  • 重点取締路線と実際の現場がかけ離れている
  • 標識の不備が改善されていない
  • 小型オービスの運用目的が形骸化している

今こそ「交通の円滑化」「生活道路の安全確保」といった、警察法に基づいた本来の責務に立ち返り、実効性のある速度取り締まりの在り方を見直す必要があるのではないでしょうか。

理不尽な速度違反の検挙を回避するためにできること

取締りが制度的に是正されるまでには時間がかかる可能性があります。

したがって、ドライバーとしては自己防衛も重要です。以下に、理不尽な検挙を避けるための現実的な対策を挙げておきます。

  • 最新型のレーダー探知機を装備する:小型移動オービスに対応したGPS警報機能付きモデルを使用することで、事前に警戒が可能です。
  • 制限速度の標識を見逃さない:特に見通しの良い道路ほど取り締まりポイントになりやすいため、標識の確認を怠らないようにしましょう。
  • 道幅が広く交通量が少ない道路ほど注意する:見通しが良くても40km制限など、意外な設定がされている道路が取締りの狙い目です。
  • 法定速度より少し低めの「余裕を持った走行」:メーター誤差や状況判断による加速を考慮して、日常的に+5km/h程度の余裕を削る意識を持つことが安全です。
  • ドライブレコーダーを常時録画モードで使用:取り締まり現場での警察官とのやりとりや標識の状態を記録しておくと、万一不当な検挙があった場合に反証材料になります。

納得のいかない取締りに巻き込まれないためには、常に「取締りありき」の視点で道路環境を読む意識も必要です。

警察が本来の目的に立ち返るその日まで、ドライバー側も賢く備えることが求められます。

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コメント

  1. るん より:

    数年前に夜の首都高横羽線の追い越し車線で後ろから至近距離で煽られ、
    すぐさま譲ったら○奈川県警の覆面パトカーだった…ということがあります(笑)
    先行車は残念ながら気づかずに捕まりました。
    今でも同じ手法で取り締まりをしているのなら疑問に思いますが。

    昨日の報道によると、小型オービスの場所選びは地元住民からの要望が頼りだそうです。
    警察自ら積極的に動いて欲しいですが、住民からの情報提供が早道かもしれないですね。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

      るん様、どうも警察の理不尽な取締りの背景には、警察官僚OBの天下り先の団体に反則金が地方交付税という形で流れる仕組みがある為、闇が深そうです。
      現場の警察官の方も、やりたくてやっている訳では無いという話もありますね。出世したい方は別かと思いますが(笑)
      理不尽な取締りについては積極的に情報を共有したいものですね。

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