最近では、車のポジションランプやナンバー灯を白く明るいLEDに交換する人が増えています。
しかし、LEDに交換した場合に車検に通るのか、心配になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、保安基準や検査員の判断ポイント、そして交換時の注意点について詳しく解説します。
道路運送車両法の保安基準
ポジションランプ(車幅灯)は、道路運送車両法の第123条で以下のように規定されています。
- 夜間に前方300mから確認できる明るさが必要
- 灯光の色は白色(ただし、一部車両は橙色可)
- 光源は5W以上、または同等の明るさがあること
- また、ナンバー灯は第36条で以下の条件があります。
- 夜間に後方20mからナンバープレートが確認できる白色の灯光
LEDは消費電力が小さいですが、純正球の5W相当以上の明るさがあれば問題ありません。
つまり、LED球の明るさが十分なら車検に通る可能性が高いです。
車検で通らない場合がある理由
通常のハロゲン球なら車検に通りますが、LEDに交換すると次のような理由で通らないことがあります。
- LEDの発光色が青みがかっていると判断される場合
- 照度不足や照射範囲が狭いと指摘される場合
色温度6000K程度までなら白色とされていますが、実際には自動車検査員が目視で判断します。
色温度を測定する機械はなく、検査員が「白」と言えば白、「青」と言えば青です。
そのため、同じLEDを使っても場所や担当者によって結果が異なるのが現状です。
カーディーラーや車検場での違い
カーディーラーなどの指定工場では、運輸支局の基準よりも厳しくチェックされる傾向があります。
営業停止などのリスクを避けるため、厳密に基準を適用しているからです。
その結果、運輸支局では問題なかったLED球でも、カーディーラーでは「青っぽい」とされることもあります。
これは車屋さんの立場としても仕方のない部分です。
交換時の工賃と準備
もしLEDランプが車検に通らなかった場合、純正の電球に戻す必要があります。その際の交換工賃はおおよそ2000円程度です。
簡単な作業であれば、車検前に自分で純正球に戻しておくのがおすすめです。安全に、そしてスムーズに車検を終えるためにも、事前に確認しておきましょう。
(ライター:自動車整備士 SkyLight)
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