こんにちは!自動車系ライターの駆流斎です。
電気自動車(EV)は、同クラスのガソリン車よりも平均して300〜400kgほど重いといわれていますが、その理由は、電動化に必要な大容量バッテリーの搭載にあります。
ここでは、実際の車種を例に挙げて、サイズや車格が近いもの同士の比較をしながら、EVがどれくらい重いかを解説します。
EVが重い理由:大容量バッテリーの存在
EVに不可欠なリチウムイオン電池は、航続距離を稼ぐために大型化されています。
その重さは200〜500kgほどで、ガソリン車の燃料タンクやエンジンよりはるかに重いため、車全体の重量が増加するわけです。
同クラス車種の具体的な重量比較
ホンダe(EV) vs ホンダフィット(ガソリン)
- ホンダe
- 車両重量:約1,540kg
- サイズ(全長×全幅×全高):3,895mm × 1,750mm × 1,510mm
- ホンダフィット
- 車両重量:約1,140kg
- サイズ:3,995mm × 1,695mm × 1,515mm
・重量差:約400kg
トヨタbZ4X(EV) vs トヨタRAV4(ガソリン)
- bZ4X
- 車両重量:約1,960kg
- サイズ:4,690mm × 1,860mm × 1,650mm
- RAV4
- 車両重量:約1,570kg
- サイズ:4,600mm × 1,855mm × 1,685mm
・重量差:約390kg
テスラ モデル3(EV) vs BMW 3シリーズ(ガソリン)
- モデル3
- 車両重量:約1,760kg
- サイズ:4,694mm × 1,849mm × 1,443mm
- BMW 320i
- 車両重量:約1,500kg
- サイズ:4,715mm × 1,825mm × 1,440mm
・重量差:約260kg
ポルシェ タイカン(EV) vs ポルシェ パナメーラ(ガソリン)
- タイカン
- 車両重量:約2,250kg
- サイズ:4,963mm × 1,966mm × 1,378mm
- パナメーラ
- 車両重量:約1,880kg(パナメーラ4の例)
- サイズ:5,049mm × 1,937mm × 1,423mm
・重量差:約370kg
ポルシェ マカンEV(EV) vs ポルシェ マカン(ガソリン)
- マカンEV
- 車両重量:約2,150kg
- サイズ:4,784mm × 1,938mm × 1,622mm
- マカン(ガソリン)
- 車両重量:約1,770kg(マカン GTSの例)
- サイズ:4,726mm × 1,922mm × 1,622mm
・重量差:約380kg
日産リーフ(EV) vs ノート(ガソリン)
注記:リーフはCセグメントハッチバック、ノートはBセグメントで車格が異なります。
- リーフ
- 車両重量:約1,520kg
- サイズ:4,480mm × 1,790mm × 1,545mm
- ノート
- 車両重量:約1,190kg
- サイズ:4,045mm × 1,695mm × 1,525mm
・重量差:約330kg
※リーフとノートは、実際にはサイズも車格も違うため、厳密な「同クラス比較」にはなりません。
平均的な重量差の目安
これらの例から見えてくるのは、EVは同クラスのガソリン車より平均して300〜400kg重いということです。
タイカンやマカンEVのようなプレミアムEVでも、同じ車格のパナメーラやマカンとの重量差は約370kg程度となっています。
EVの重量増によるメリット・デメリット
EVの重さには、以下のような影響があります。
- メリット
- バッテリーが床下に配置されることで低重心化が進み、走行安定性が向上する。
- どっしりとした乗り心地で、直進安定性が高まることがある。
- デメリット
- 加速・ブレーキへの負担が大きくなる。
- 重量が増えることで、タイヤへの負担が大きくなる。
- サスペンションやブレーキの負担も増し、消耗が早まることがある。
こうした「重量増」によるタイヤへの負担は、特にEVユーザーが注意すべきポイントです。空気圧が不足するとタイヤ寿命の短縮や走行安定性の低下、バーストのリスクが高まります。
EVタイヤの空気圧管理の重要性
EVは大容量バッテリーを搭載するため、同サイズ・同クラスのガソリン車よりおおむね300〜400kg重くなるのが一般的です。
そのため、EVのタイヤは重量負担が大きい分、空気圧が抜けやすくなる傾向があります。そこで大切なのが、定期的な空気圧点検・調整です。
- ガソリンスタンドでの点検・補充
- 無料エアポンプで手軽に調整可能。
- 古い設備は精度が低い場合もあるので注意。
- 車両備え付けのエアコンプレッサー
- 出先や緊急時に便利。
- コンパクトなので充填に時間がかかる場合がある。
- 車外品のエアコンプレッサー
- 自宅で好きなタイミングで空気圧管理できる。
- 製品選びは信頼性が重要。

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