夏の到来とともにやってくる車内の猛烈な暑さ。炎天下にさらされた車内は、まるでサウナのような状態になり、快適なドライブどころか健康被害を引き起こす危険もあります。
特に運転席周りやシートの表面は、驚くほどの高温になることが知られています。
今回は、夏のカーライフを安全で快適にするために、車内温度の上昇を抑える効果的な対策とおすすめアイテムをご紹介します。
夏の車内温度はどこまで上がる?
夏の強い日差しが車内を急激に温める仕組みは、主に太陽光に含まれる赤外線が原因です。
JAFのテストでは、外気温35℃の炎天下で4時間放置された車内は、なんと最高57℃にまで達すると報告されています。
車内 最高温度 | 車内 平均温度 | ダッシュボード 最高温度 |
|
---|---|---|---|
対策なし(黒) | 57℃ | 51℃ | 79℃ |
対策なし(白) | 52℃ | 47℃ | 74℃ |
サンシェード装着(白) | 50℃ | 45℃ | 52℃ |
窓開け(3cm 白) | 45℃ | 42℃ | 75℃ |
エアコン作動(白) | 27℃ | 26℃ | 61℃ |
ダッシュボード付近はさらに過酷で、表面温度が79℃にもなることがあります。これは、触れただけでやけどしそうな危険な暑さです。
サンシェードの効果はどうなのか
JAFの実験では、サンシェードを装着するとルーフ付近の車内温度はわずかに2℃程度の差に留まったとされています。
しかし、実際に運転する際に座るのはルーフ付近ではなく、ダッシュボードのすぐ近くの運転席や助手席です。
このダッシュボードは直射日光で非常に高温になり、座席付近の温度に大きく影響します。
サンシェードを使うと、ダッシュボードの温度を70℃超から52℃程度まで下げることができ、運転席や助手席の周囲の温度が劇的に改善されます。
これは、乗車時の体感温度を大きく下げるだけでなく、エアコンの負荷を軽減することにもつながります。
サンシェードで燃費も向上!
高温の車内ではエアコンの稼働率が高まり、燃料消費が増えてしまいます。
サンシェードで直射日光を遮ると、エアコンの負荷を抑えられるため、燃費の向上にもつながる可能性大です。
快適さと省エネ効果を両立できるサンシェードは、まさに夏の必須アイテムと言えるでしょう。
おすすめのアイテム:サンシェード
夏のドライブにおすすめなのが、サンシェード。
シンプルな構造ながらしっかりと日差しをカットし、車内温度の上昇を抑えます。取り付けや取り外しも簡単で、誰でも手軽に使える便利なアイテムです。
座席を直接冷やす「シートクーラー」
サンシェードはダッシュボードだけでなく、座席への直射日光もやわらげますが、背中やお尻の蒸れは避けられません。
そんな時に便利なのが「シートクーラー」。
シート内部に風を送り込むことで、背中やお尻を直接冷やして快適さをアップさせます。シガーソケット電源対応のタイプが多く、簡単に取り付け可能です。
子ども連れには「チャイルドシート用冷却シート」がおすすめ
子どもを乗せるなら、チャイルドシートの熱対策も必須です。チャイルドシート用の冷却シートは、背中の蒸れを解消し、快適な乗り心地をサポートします。
夏場のロングドライブでも、子どもが快適に過ごせるように準備しておきましょう。
即効で冷やす冷却スプレーの注意点
とにかく車内を一気に冷やしたい時に便利な「冷却スプレー」もあります。
ただし、ガス成分が含まれるため火気厳禁。ライターやタバコの火を近付けると、引火して大事故につながる可能性があります。
■産経新聞 ライター着火直後に全身ボンッ…冷やすはずが2人やけど 車内で「冷却スプレー」のガス引火か
20日午後5時ごろ、大阪府豊中市長興寺南の国道176号で、軽乗用車を運転していた大阪市内の男性(24)がライターに火をつけた直後、火が急激に燃え広がった。男性は全身やけどで病院に搬送されたが、意識はあるという。助手席の男性(24)も顔と左手に軽いやけど。
豊中市消防本部によると、2人は車内で冷却スプレーを噴霧。その後、運転席の男性がたばこを吸おうとライターに火をつけたところ燃え広がったという。消防は車内に残っていたガスに引火した可能性が高いとみて調べている。
軽乗用車が急停止し、運転席と助手席のドアから男性2人がそれぞれ飛び出してくるのを後続車の男性が目撃し、119番した。
使用する際は、必ず火の元から離して安全に使用しましょう。
まとめ
夏の車内は、放置すると危険なほど高温になりますが、サンシェードや冷却クッションなどのアイテムを活用すれば、快適で安全なドライブを楽しめそうです。
直射日光を遮るだけで、エアコン効率も向上し、省エネにもつながります。今年の夏も、しっかりとした暑さ対策で車内を快適に保ちましょう。
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