こんにちは!自動車系ライターの駆流斎です。
電動化の波が押し寄せる中で、「718も完全にEVになってしまうのでは」と不安に思っていたファンも多いでしょう。
そんな中、ポルシェは次世代の718ケイマン/718ボクスターについて最上位グレードにはガソリンエンジン車を残すと公式に発表しました【Car and Driver】。
今回の発表は、ポルシェが“ドライバーズカーの本質”を未来へ引き継ぐことを示すものです。
EVとガソリンの二本立てという新しい形で、718は次世代へと進化していきます。
981世代から現行718までの歩み
2012年に登場した981世代は、自然吸気フラット6を搭載し、軽快なハンドリングと高回転域まで伸びるサウンドで高い評価を得ました。
特にケイマンSやボクスターS、さらにはGT4などは、純粋なドライビングプレジャーを体現する存在として人気を博しました。
2016年にはモデルチェンジが行われ、車名は「718」へと変更。自然吸気6気筒からターボ付き水平対向4気筒に切り替えられました。
ダウンサイジングによって性能は向上したものの、サウンドやフィーリングの変化には賛否が分かれました。
その後のラインアップ拡充で「718 GTS 4.0」や「718ケイマンGT4」「718スパイダー」といった4.0L自然吸気フラット6搭載モデルが復活。
再び“ポルシェらしい走り”を楽しめるモデルとしてファンを魅了しています。
次世代718の基本はEV化、それでもガソリンは残る
ポルシェは電動化戦略を進めており、次世代718の基本形はEVになるとされています。
実際にテスト走行中のプロトタイプも目撃されており、電気自動車としての性能向上に期待が集まっています。
しかし同時に、ポルシェは「最上位モデルにはガソリンエンジンを残す」と公表しました【Road & Track】。
これにより、次世代718はEVとガソリンの二本立てで展開されることが明らかになったのです。
登場時期は「2028〜2029年ごろ」
ポルシェは投入時期について「この十年の終盤(towards the end of the decade)」という表現を用いています。
直訳では分かりにくいですが、これは2028〜2029年ごろを意味すると解釈できます。
つまり、次世代718はまずEVモデルが先に登場し、その後にガソリンエンジンを搭載したフラッグシップが追加される流れになると見られます。
現行RSモデルの中古車価格への影響
今回の発表は、現行718の「RS」系モデル(ケイマンGT4 RSやスパイダーRS)の中古車市場にも影響を与える可能性があります。
これまで「最後のガソリン718」として高い希少価値を持っていたRSモデルですが、次世代でもガソリンモデルが登場することで、その“絶対的なラスト”という位置づけは揺らぐかもしれません。
しかし、RSモデルは特別なチューニングが施されたトップレンジであり、4.0L自然吸気エンジンとサーキット直結のパフォーマンスは唯一無二です。
そのため、中古市場での強い需要は維持され、コレクターズアイテムとしての価値は今後も高い水準を保ち続けるでしょう。
まとめ:ポルシェはドライバーズカーを守る
981世代で磨かれた自然吸気6気筒、現行718でのターボ化、そして再び復活した4.0Lモデル。
その歴史を経て、ポルシェは次世代718においてもガソリンモデルを残すと宣言しました。
完全電動化が加速する時代にあっても、ポルシェは“走る楽しさ”を最優先に守り続けています。
次世代718はEVとガソリンという二本立てで、新しい時代のドライバーズカー像を示す存在になるでしょう。
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