Rex Cafe閉店をきっかけに考える、神流町恐竜センターの未来

こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

私がツーリングで何度も訪れている群馬県神流町は、日本で唯一「恐竜のまち」を掲げています。

そのシンボル施設である「神流町恐竜センター」は、化石展示や発掘体験が楽しめる町の看板観光地です。

ただし、館内にあった飲食店「Rex Cafe(レックス・カフェ)」が令和7年3月で閉店しました。

私は閉店直前に現地を訪れ、館内に掲示された「指定管理契約終了に伴い閉店」の告知を実際に目にしました。

その後も後継テナントは入っていないと聞きます。

飲食店がなくなった衝撃

恐竜センターは展示そのものは充実しているのに、飲食機能が失われたことで「見たら終わり」の施設になってしまった印象があります。

観光客は展示を見た後に町外で食事を取る流れになりやすく、神流町として観光消費を十分に取り込めていないのではないでしょうか。

ツーリングドライバー目線では、「ここでしか食べられない一品」があれば滞在時間を延ばし、お金を落としていたはずだと感じました。

道の駅との比較体験

これは昨年の8月になりますが、同日に周辺の二つの道の駅を訪れています。

道の駅万葉の里(神流町)

週末には一定の混雑があり、食堂の席数も多く、お土産も揃っています。決して弱い施設ではありません。

ただ、駐車場や座席に多少余裕があることが多く、どちらかといえば「立ち寄り型」の利用にとどまる印象でした。

道の駅上野(上野村)

週末には駐車場がほぼ満車になることも多く、強い集客力を感じました。

その理由は単一ではなく、飲食や直売の充実に加え、夏場には裏手の神流川で川遊びを楽しむ家族連れの存在も大きいのではないかと思います。

「食べる・買う・休む」に加え「遊ぶ」要素があることで、滞在時間が長くなっているように見えました。

上野村の観光資源

さらに上野村には、道の駅だけでなく多様な観光資源があります。

・まほーばの森:コテージやキャンプ場での宿泊・自然体験

・上野スカイブリッジ:225mの吊り橋で、観光の目玉

・不二洞:関東最大級の鍾乳洞で、夏の避暑や探検体験として人気

これらの観光地と道の駅を組み合わせることで、「立ち寄り」ではなく「滞在」へと観光の質が高まっています。

神流町と上野村の比較データ

数字でも両者の条件の違いは表れています。

指標 神流町 上野村
人口(2025年) 約1,700人 約1,100人
高齢化率 約60% 約55%
一般会計予算 約30億円 約40億円
主な財源 国・県補助金に依存(町税収入2億円未満) 林業・観光収益+交付税
平均年齢 約55歳超 約52歳前後
産業構造 第1次:1.5% / 第2次:16.7% / 第3次:81.8% 第1次:約15% / 第2次:約10% / 第3次:約75%
観光拠点 恐竜センター、道の駅万葉の里 道の駅上野、まほーばの森、スカイブリッジ、不二洞
WEB戦略 行政主導で弱い おそらく外部委託でSNS・WEB発信を強化

 

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👉 特に神流町は一次産業比率が低く、農林産物を観光資源に育てにくい構造にあります。だからこそ「恐竜センター」を核に据えた観光戦略が不可欠だと思えます。

神流町の産業構造が示す課題

  • 農業従事者は十数戸程度で規模が小さい
  • 鮎やこんにゃく、鹿肉といった素材はあるものの生産量が少ない
  • 加工やブランド化が難しく、観光と結びつけにくい
  • 結果として、町経済は補助金と第3次産業(サービス業)に依存

この構造からすると、観光を経済の柱として育てるしかない状況とも言えます。

恐竜センターに必要な方向性

恐竜センターを「展示施設」にとどめず、町全体を動かす拠点とするには次の要素が必要ではないでしょうか。

  • 食の導入:鮎の定食、こんにゃくスイーツ、鹿肉ジビエ料理など
  • 物販の充実:恐竜グッズ+地元特産品を揃えた直売コーナー
  • 体験プログラム:こんにゃく作り、鮎の塩焼き体験、恐竜探検ハイキング
  • 情報発信:外部の専門家や委託先と連携し、WEB・SNSでの広域PR

西上州としての広域観光

神流町単独では資源が限られるため、西上州全体での観光連携が重要だと感じます。

  • 上野村:道の駅、川遊び、猪豚料理、まほーばの森、スカイブリッジ、不二洞
  • 南牧村:自然景観やアウトドア体験
  • 神川町:農産物や温泉

恐竜センターを「入口施設」として位置づけ、観光客を西上州全体に回遊させる仕組みを作れば、地域全体が潤う可能性があります。

恐竜と地域資源をつなげて、西上州全体を盛り上げる

恐竜センターの「Rex Cafe」閉店は残念な出来事でしたが、同時に神流町の観光の課題を浮き彫りにしました。

展示は立派でも、食や体験が伴わなければ滞在は短くなり、町内にお金は落ちにくい。

産業構造的に一次産業が弱い神流町だからこそ、恐竜センターを核に 展示+食+体験+物販+広域連携 を組み合わせていくことが必要だと考えます。

「恐竜を見て、食べて、遊んで、西上州を巡る」

そんな流れが実現すれば、神流町も地域全体も持続的に発展していくのではないでしょうか。

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