※2025年8月28日更新:最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
パイオニアはカーナビメーカーとしてはケンウッドに続いて2番目となる2016年にドラレコ市場に参入していますが、ケンウッドと比べてドラレコの開発には力を入れていない期間が長く続き、スタンドアローン型の本格的な2カメラモデルの販売を開始したのは2019年後半からとなっています。
この2019年後半に発表された製品が、自社企画の匂いを強めた「オリジナル第一世代」と言えますが、この世代の製品はソフトウェアの不具合、リチウムイオン電池の不具合など、問題が相次いで発生し、既に終売となってます。
2022年には「オリジナル第二世代」、2024年から2025年に掛けては「オリジナル第三世代」と見られる製品群が発売され、徐々に完成度が上がってきており、ようやく一部条件・モデルでは市場シェアNo.1のコムテックに匹敵する製品も出て来ました。
そこでこの記事では、主にパイオニアファンの方向けに2025年時点での同社の2カメラドラレコについて以下の順にご紹介します。
スタンダードな箱型モデル
スタンダードな箱型モデルでは、以下2機種がおすすめです。
- VREC-DZ410D
- VREC-DZ810D
「VREC-DZ410D」
「VREC-DZ410D」は、2024年12月に発売された、前後フルハイビジョンのスタンダードモデルです。
この製品はLaBoon!!でもレビュー済みですが、同社の従来機や一般的なフルハイビジョンクラスのドラレコと比べると充分高画質で、特に夜間の明るさに優れた特徴となっています。
従来は夜間の明るさに特化したドラレコは、トンネル内や夜間のヘッドライトが反射したナンバープレートが白飛びし易かったのですが、この製品ではうまく調整され、全体のバランスに優れた仕上がりになっていました。
ナンバー認識精度はスタンダードなフルハイビジョンクラスのドラレコと同等ですが、ナンバーの認識にそれほどこだわらない方は「VREC-DZ410D」で充分かと思います。

VREC-DZ810D
「VREC-DZ810D」は、2024年12月に発売された、フロント4K+リアフルハイビジョンの同社のフラッグシップモデルです。
フロントカメラは4Kの超高解像度ですので、一般的なフルハイビジョンクラスのドラレコと比べると非常に高いナンバー認識精度となっています。
また、高解像度センサーは夜間の映像が暗くなると言うデメリットがありますが、本製品では一般的なフルハイビジョンクラスのドラレコと比べても遜色ないレベルの明るさを実現しています。
全体的なバランスだけではなく、ナンバー認識も重視したいと言う方向けの製品です。

スマートミラー型モデル
パイオニアのスマートミラー型ドラレコは、2025年8月時点では「VREC-MS700D」のみの展開となっています。
本製品はスマートミラー型ドラレコとしては珍しく、ドラレコ機能を重視した製品となっており、前後カメラとも2.5Kの高解像度録画を行い、ナンバー認識に特化した特性に振られています。
ただし、LaBoon!!のテストでは録画ファイルの圧縮率が高過ぎるせいか、フルハイビジョンのコムテック「ZDR048」と大差ないナンバー認識と言う結果でした。
夜間の明るさは、コムテックの業界での人気No.1製品の「ZDR048」と同程度です。
スマートミラー機能は昼間の見え方は充分高画質と感じましたが、夜間のモニターの眩しさが問題であると感じています。
従って前後フルハイビジョンのコムテックの「ZDR048」と比べても特に優れた点がなく、残念ながら微妙な仕上がりであると言わざるを得ません。

まとめ
パイオニアのドライブレコーダーは、2019年に本格参入して以降、初期モデルの品質課題を経て、2024年以降の第三世代機では完成度が大きく向上しています。
特に「VREC-DZ810D」は、フロント4K対応の高解像度とバランスの良い夜間映像を両立しており、画質重視派にとって有力な選択肢となっています。
一方で、価格を抑えつつ基本性能をしっかり確保した「VREC-DZ410D」は、ナンバー認識精度を重視しないライトユーザー向けとして非常にバランスが良く、初めての2カメラドラレコとしても安心して選べるモデルです。
ただし、スマートミラー型の「VREC-MS700D」に関しては、録画画質・視認性ともに期待を上回るものではなく、ミラー型を希望する方には他社製品も検討すべき段階にあると言えるでしょう。
コメント
パイオニア VREC-MS700Dの評価を伺いたいのですが実機での検証予定はないのでしょうか?
VREC-MS700Dについては、4~5月のレビュー予定です。