ガラコの使い方とおすすめの種類

「ガラコ」と言えばSOFT99のフロントガラスの撥水コーティング剤の代名詞的な存在で、フロントガラスの撥水コーティング剤と言えば「ガラコ」と、誰もが連想してしまうであろう超有名商品です。

ガラコがいつ頃からメジャーになったのかは記憶が定かではないのですが、改めて調べてみると私がまだお気楽な学生だった頃のバブル末期にはこのようなCMが放映されていましたので、25~30年くらいの歴史があるのでしょうか。

昔はガラコを使うと撥水効果は出るものの、ワイパーゴムの寿命が縮むなどと言われていましたが、最近ではそのようなデメリットも改善され、ガラコの単一ブランドの中でも様々な製品が発売されています。

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開発元のSOFT99のガラコの製品ページを見ると、なんと20種類以上の「ガラコ」と名前のついた製品が紹介されていますね。

【SOFT99のガラコ】

いきなりこんなに見せられると選ぶ気が失せてしまいそうですので、まずはこれらのガラコたちをいくつかのカテゴリーに分けてご紹介します。

ガラコに期待できる役割

ガラコの主な役割には①フロントガラスに薄いコーティング皮膜を作り、ガラス面の凹凸をなくしてワイパーの動きを円滑にする事と、②強い撥水効果で雨粒の表面張力を高めて風圧で吹き飛ばす事の2つが挙げられます。

その他にもコーティング皮膜を作っておくことで、油脂汚れやミネラル成分のウロコが出来た場合にも皮膜ごと剥がす事で、ガラス表面が汚れた時と比べるとリカバリーが容易になる点が挙げられます。

ガラコはざっくり成分で分けると「シリコン系」と「フッ素系」

「シリコン系」と「フッ素系」の最大の違いは、その名の通り使用されている成分が①シリコン系であるか、②フッ素系であるかという点になりますが、「シリコン系」は安価、「フッ素系」は価格がやや高めとなります。

施工した際の効果はシリコン系」と「フッ素系」ともに概ね共通ではありますが、一般的にはシリコン系のガラコの方が撥水性が高く耐久性は低い、フッ素系の超ガラコは撥水性はやや劣るが耐久性は高いと言われています。

 

なお、シリコン系のガラコは油脂成分が含まれている為、油膜に弱いという話を耳にする事がありますが、シリコン系・フッ素系のガラコの溶剤の成分は、詳細までは公開されておらず、シリコン系でも油脂成分含まれない可能性もありますので真相は不明となります。

また、フッ素の化合物ではフライパンに使用されるテフロンなどの樹脂が有名ですが、同じフッ素化合物でも結びつく元素や原子の数が変わると性質も微妙に変わってくるため、「超ガラコ」に使用されているフッ素化合物がどう言った効果があるのかは分かりませんが、一般的には概ねフッ素加工が施されたフライパンのように、水や油を弾くと言われていますね。

 

因みに「フッ素加工」という言葉自体は我々が普段から良く耳にする、身近な言葉ではありますが、実は純粋なフッ素は人間にとっては猛毒です。

フッ素というのは他の元素と結び付く力が強く、自然界には単体でほとんど存在しない元素です。

19世紀にこのフッ素を他の元素からどうにか切り離せないかと、実験を試みた化学者たちがバタバタ死んだり、致命的な後遺症を抱えるほどのダメージを負っているそうです。

ただまぁ、他の元素と結び付くと全く性質が異なるものになりますし、一度結び付いたらなかなか切り離せない元素なので、フッ素の化合物が危険という事はありません…フライパンのコーティングに使われているくらいですから。

高いけど耐久性が高いフッ素系ガラコは3アイテム

2018年12月時点で販売されている「フッ素系」のガラコは以下の3アイテムとなります。

①超ガラコ

②超ガラコちょい長

③激速ガラコ

超ガラコ

現在発売されているガラコの中でも最も耐久性に優れるのが「超ガラコ」です。内容量は70ml。

メーカーテストでは1年間の耐久性能があるとの事で、通常のガラコの6倍の耐久力と謳われています。

施工手順について以下の通りとなります。

①液体をフロントガラスに塗り込んた後に5~10分乾燥させる

②乾いたクロスで拭き上げる

③12時間乾燥させる

 

一見簡単な手順に見えますが、クロスで拭き取り後に12時間は濡らしてはならないので12時間以内に雨が降りそうな状況では施工は避けた方が良さそうです。

また、ウォッシャー液は水かガラコ撥水以外は使用不可と書かれていますので、その点についても注意が必要です。

なお、サイドガラス・リアガラス・サイドミラーへの使用も可能と書かれていますが、サイドミラーの場合には水滴になって見にくくなる恐れがあります。

SOFT99では超撥水の「ガラコミラーコートZERO」の使用が推奨されていますね。

サイドミラーの水滴落としにおすすめの撥水コーティングの比較実験
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フッ素系のガラコ!「超ガラコ」の使い方
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超ガラコちょい長

「超ガラコちょい長」は同じくフッ素系の溶剤が115ml入った作業性重視のガラコです。

耐久性については「超ガラコ」と同様に6ヶ月と謳われており、塗り込みようのフェルト部分が幅広タイプ、柄の部分もミニバンなどの車高が高くフロントガラスの面積が広い車での作業性を考慮して長めになっているのが特徴です。

施工方法は「超ガラコ」と同様で以下の通りとなります。

①液体をフロントガラスに塗り込んた後に5~10分乾燥させる

②乾いたクロスで拭き上げる

③12時間乾燥させる

 

「超ガラコちょい長」はメーカー説明を見る限り、「超ガラコ」と同じ溶剤が使われているような気がするのですが、amazonなどのレビューを見る限り容器やフェルトの形状の問題で液が出過ぎてムラになったり、保管時に中身が蒸発し易い、などの問題点が指摘されていますので、無難なのは「超ガラコ」の方かも知れません。

激速ガラコ

上述の2アイテムは施工工程が①塗り込み、②乾燥、③拭き上げ、④乾燥の4工程となっていますが、「激速ガラコ」は必要な作業工程を省いた簡易施工版となります。内容量は50ml。

作業工程は付属のクロスに溶剤を染み込ませてスポンジで塗り伸ばすだけで、乾燥と拭き取りの工程が不要となっています。

その分、耐久性は「超ガラコ」の半分の6ヶ月となっていますので、油膜やウロコ落としなどの下地作業時間の事を考えると耐久性が2倍の「超ガラコ」の方が良いのではないかという気がしますね。

こまめにメンテナンスしたい方は「激速ガラコ」で(笑)

シリコン系ガラコはスタンダードから作業性重視まで

シリコン系のガラコはフッ素系よりも種類が多く分かりにくいので以下のタイプ別に括ってご紹介します。

①スタンダードタイプ

②スプレータイプ

③下地処理不要タイプ

④透明樹脂共用タイプ

⑤解氷タイプ

⑥ガラスクリーナータイプ

⑦ウォッシャー液タイプ

⑧お手入れタイプ

まず知っておきたいのがスタンダードタイプのガラコ

塗り込みと拭き取りが必要なスタンダードタイプのガラコには、以下の3つの製品があります。

①ぬりぬりガラコ ハヤデキ~75ml

②ぬりぬりガラコ デカ丸~120ml

③ぬりぬりガラコ ちょい長~115ml

これらは全て同じ溶剤と思いきや、紛らわしくも「ハヤデキ」と「デカ丸」は同じではないようです。

というのは、施工工程が異なるからです。

「ハヤデキ」は最も施工方法が簡単で、塗り込んだ後に拭き取りとなります。

「デカ丸」と「ちょい長」に関しては、5~10分乾燥させてから塗れたクロスで拭き取りを行います。

ハヤデキデカ丸ちょい長
塗り込み
5~10分乾燥-
拭き取り乾拭き水拭き水拭き
本乾燥---

作業工程を考えると耐久性は「デカ丸」・「ちょい長」の方が高そうですが、特に記載がないので何れも2ヶ月+-αと言った程度でしょうか。

なお、過去に5~10分乾燥と水拭きが必要な「デカ丸」の方を何度か使用した事がありますが、塗り込みの際の液量の調整が難しく、塗り過ぎると乾燥後にカチカチに固まり、拭き取りが困難になった事があります。

フッ素系の「超ガラコ」の方は固まるとサラッと粉状になるので簡単に拭き取れますが、シリコン系である「デカ丸」と「ちょい長」については、液量が多い部分が固まると拭き取り困難になるというデメリットがあります。

ぬりぬりガラコデカ丸は拭き取りにくい?改めてテストしてみた
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従ってこのカテゴリーでは耐久性はやや劣るかも知れませんが、ムラになりにくい「ハヤデキ」を選んだ方が無難であると考えます。(デカ丸との耐久性の比較は今後実施予定)

※いずれもウォッシャー液は油膜除去成分が入ったものは使用不可

作業性重視のスプレータイプのガラコ

上述の「ぬりぬりガラコ ハヤデキ」の作業性をさらに高めたのがスプレータイプのガラコです。

①ミストガラコ~100ml

②ダブルジェットガラコ~180ml

これらは基本的には塗って拭くだけの「ぬりぬりガラコ ハヤデキ」のスプレーバージョンと言えそうですが、ガラスが濡れていても施工可能なのが特徴です。

ミストガラコ

ミストガラコの施工手順は、スプレー直後に拭き取るだけですが、ガラスが濡れている時は乾いたクロス、ガラスが乾いている時は濡れたクロスで拭き取るという違いがあります。

ただし、ミストガラコが塗装に掛かってしまった場合には、塗装が剥がれるなどの悪影響を及ぼす可能性があると書かれていますので、施工時には注意が必要です。

なお、ミストガラコはサイドミラーには使用不可です。

ダブルジェットガラコ耐久強化

ダブルジェットガラコはミストガラコと良く似た製品ですが、スプレーの勢いが強いだけではなく、使用されている溶剤も異なるようです。

基本的にはミストガラコと施工方法は同様ですが、雨が降っている状態でもジェットのパワーで車内から施工が可能なのが大きな違いです。

ゴムや樹脂部分に掛かった場合には速やかに拭き取るように注意書きがありますので、思いっきり樹脂部分に掛かっていそうなCMの内容との矛盾が発生している気もしますが…。

ミラーに関しては直接噴射ではなく、クロスやティッシュに含ませて塗り込む事は可能と書かれています。ボディに掛かってしまった時の影響に関しては特に記載はありません。

雨の日に車内からスプレーするのは気持ち良さそうですが、それだと下地の処理の工程が抜けてしまいますし、下地の処理をするような方は雨が降って来たからスプレーするような事はしないと思います。

そうなるとミストガラコと大して変わらないのでは?と感じますが、ダブルジェットガラコの方が耐久力が高いのでしょうか?

価格はミストガラコとほとんど変わりませんが、溶剤の量はミストガラコの1.8倍ですので、耐久性が同じでもダブルジェットガラコの方がコスパが高いという事になりますね。

ヘッドライトにもOKな透明樹脂共用タイプのガラコ

通常のガラコはガラス面、またはサイドミラーへの塗布が可能ですが、バイザーやヘッドライト、テールランプなどへの施工は不可となっています。

以下の「ガラコBLAVE」はガラス面だけでなく、このような各種樹脂パーツへの撥水コーティングも可能なアイテムです。

施工方法は比較的簡単な部類で、乾いた施工面に塗り込んだ後に乾燥を待たずに付属のクロスで乾拭きします。

まぁ、樹脂パーツも撥水コーティングしたいような方であれば色々こだわりもありそうなので、ガラスはフッ素、樹脂パーツは「ガラコBLAVE」の組み合わせが良いのではないか?と感じますね。

下地処理不要タイプの楽チンガラコ

ガラスのコーティングをする前に絶対にやっておいた方が良いのが、油膜や古いコーティング剥がしです。

この作業が結構面倒だったりするのですが、ガラコの中には下地処理とコーティングを同時に行える究極?の楽チンアイテムが存在します。

それがこちらの「ガラコQ」です。

施工方法は「デカ丸」と「ちょい長」と同様に、溶剤を塗った後に5~10分乾燥させて濡れたクロスで拭き取るパターンです。

…ので、溶剤を塗り過ぎるとカチカチになって拭き取りにくくなるかも知れません。

なお、下地の処理が不要というのは古い油膜を落とす効果があるという事なのですが、ミネラル成分が主体となったウロコは落ちないと思いますし、フロントガラスのちょっとした汚れも許せないという方には向いてない製品でしょう。

手間をほとんど掛けずにそこそこ綺麗になれば良いと考えている方におすすめです。

解氷のついでにガラコ

冬の朝に発生しがちなフロントガラスの氷結の際に効果があるのが、解氷タイプのガラコです。

…というか、解氷時にシリコンの皮膜を作って再凍結を防ぐ仕組みである為、撥水コーティングが第一の目的ではなく、解氷時についでに撥水コーティングをしてしまう製品です。(笑)

①解氷ガラコ ダブルエッジ~330ml

②解氷ガラコ トリガー~450ml

 

コーティングしてあるガラスにも使用出来ますと書かれていますから、ガラコでコーティングしてあるガラスにも問題なく使えますよ、というのが他社製品との差別化ポイントかと思いますね。

なお、スプレータイプは氷結剥がしのエッジ付きで量は少な目、トリガータイプはエッジなしで量は多めとなります。

ただし、フッ素系のガラコを使ってる場合には上からシリコンでコーティングする事になるかと思いますので本来のフッ素の意味がなくなる様な気がします。(ウォッシャー液の説明欄にフッ素の上にシリコンを使っても問題はないと書かれているのですが…)

なので、こう言った解氷スプレーを使う前提であれば、撥水コーティングはシリコン系のものを使用した方が良さそうです…たぶん。

ガラス清掃のついでにガラコ

以下の2種類のガラコは日常のフロントガラス外側の拭き取りの際についでに、撥水コーティングもしてしまおうというハイブリッドアイテムです。

①ガラコdeクリーナー~400ml

②窓ふきガラコ~330ml

 

施工方法は乾いたガラスに吹き付け、すぐに汚れと一緒に乾拭きするだけです。

施工した満足感はあまりなさそうですが、忙しい方におすすめです。

中身は同じような気がしますが、「ガラコdeクリーナー」はトリガーノズル、「窓ふきガラコ」はスプレータイプです。

ガラコにはガラコのウォッシャーで!

ガラコを施工したガラス面には、水かガラコのウォッシャー液を使用しろと書かれている訳なんですが、商売上手ですねガラコのウォッシャー液には以下の3種類があります。

①ガラコウォッシャー~2L

②オールシーズンガラコウォッシャー~2L

③ガラコウォッシャー 強力洗浄~0.75L

 

これらの3種類のウォッシャー液の違いは、①不凍温度、②ボディへのシミの付きにくさ、③汚れの洗浄能力になります。

ガラコウォッシャーオールシーズン 強力洗浄
不凍温度-20℃-40℃-20℃
洗浄力

なお、いずれも3倍まで希釈しても撥水効果は変わりませんが、不凍能力・洗浄能力は低下します。

因みに行きつけの車屋さんに聞いたところ、ガラコウォッシャーは雨が降ってない時に使うとボディの塗装に強固に付着したり、その他悪影響があるかも知れないのでやめた方が良いよ、と言われました。(笑)

なので…、私は多少の事は気にしない車でのみ、使用しています。

コーティング面を修復するお手入れタイプのガラコ

こちらは既にガラコでコーティングしてあるガラス面で、コーティングが弱っている部分を修復すると同時に、汚れを拭き取るアイテムです。

まぁ、フッ素系のガラコや、シリコン系でも①塗り込み→②乾燥→③拭き上げの3工程タイプのガラコを使用しているようであれば、そんなに簡単にコーティング面は弱らないと思いますので、スプレータイプでさっくり施工している方向けのアイテムかなと思います。

ただまぁ、スプレータイプを常備しているならこのお手入れタイプは不要のような気もしますし、窓が汚れた時にガラコのクリーナーの代わりに使うものでしょうか。

ガラコの下地処理に便利な?コンパウンド

下地処理が不要な「ガラコQ」以外は、古いコーティング皮膜や油膜、ウロコをしっかり落とさないと新しいコーティングが本来の力を発揮出来ません。

従って数ヶ月~一年に一度は下地処理が必要になります。

私は毎回キイロビンを使用していますし、ガラコの製品を使わなければならないという事はありません。

一応紹介しておくと、SOFT99からはガラコブランドで以下の2つのコンパウンドが販売されています。

①ガラコぬりぬりコンパウンド

②ガラココンパウンドクロス

 

ボトルタイプとクロスタイプの2種類になりますが、ボトルタイプに関しては今後キイロビンとの油膜やウロコの洗浄力を比較してみようと考えています。

ガラコ油膜取りを使ってみた!キイロビンとの違いは?
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ガラコの使い方とおすすめの種類についてのまとめ

以上、2018年末にラインナップされているガラコブランドの製品を全てご紹介しました。

耐久性で選ぶならフッ素系の中でも「超ガラコ」が最も安定感が高そうです。

ただし、ウォッシャー液をガラコではなく油膜落とし成分が含まれていない物、または水道水を使用すしなければ耐久性が落ちるか、シリコンの皮膜が出来てしまう可能性が高いので、その点は注意が必要かも知れません。

 

シリコン系であれば施工が簡単な「ぬりぬりガラコ ハヤデキ」、「ミストガラコ」、「ダブルジェットガラコ」辺りが使い勝手が良さそうですね。

下地処理が面倒な方は「ガラコQ」も良いと思いますが、ミネラル成分は落ちないと思いますし、フロントガラスを超綺麗にしたい場合には不向きかと思います。

なお、以下の記事において主要ガラコの撥水効果のテストを継続的に行っています。

シリコン系、フッ素系のガラコの違いと効果を比較!!
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(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

サイドミラーの水滴落としにおすすめの撥水コーティングの比較実験
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