フロントガラスのコーティングは油膜の防止にどれほど有効なのか?

※2018年12月12日更新~ウィンドウピカピカレイン、ナノピカピカレイン親水の撥水効果、油膜の浮き方に関する結果を追記しました。

車のボディのメンテナンスで最も厄介なのは、汚れが流れ落ちない程度の弱い雨であろうかと思うのですが、フロントガラスの油膜については少し事情が異なるのではないかと思います。

油膜は一度ついてしまうと、油膜の状況によっては「全く落ちない!」状況になり兼ねませんので、特別な事情がなければ何らかのコーティングで常に保護しておくべきだでしょう。

油膜の主な原因はワックスやコーティング剤に含まれる油脂成分

私は概ね半年に1回くらいの頻度でフロントガラスの油膜取りの作業を行っているのですが、やはり雨の多い梅雨の時期を超えた後は油膜の残り具合が半端ない事になっています。

ボディの場合には大雨が降ると汚れが流れ落ちてくれるので、青空駐車の場合でも大雨万歳!ではあるのですが、大雨が降ると汚れと一緒にコーティング剤の油脂成分が流れ落ちてしまうので、少し長い目で見ると喜んでばかりはいられません。

運転自体にはそれほど問題はない事もあるのですが、最近は夜間が明るいドライブレコーダーが増えているので、油膜が残っているとテスト撮影でかなり乱反射してしまいます。

 

キイロビンとポリッシャーを使用すれば油膜落としの作業自体はすぐ終わるのですが、このところ工具やメンテナンス用品が増えてきて、道具をスタンバイして片づけるのが結構しんどくなってきました…。

やらずに済むものなら出来ればやりたくはないのですが、根本的な解決方法は油脂成分が含まれたコーティング剤を極力使用しない事などが考えられますが、ガラスコーティングをしてもメンテナンス剤を定期的に使用するのは避けられません。

※大気中にも油脂成分は僅かながら含まれているので、ワックスやボディコーティングをしなくても100%防げる訳では無い

…という訳で、100%防げないにしても、ルーフなどから流れ落ちてきた油脂成分がほとんど固着しなそうなフロントガラスのコーティング剤を探しています。

シリコン系のフロントガラスのコーティング剤は油脂成分が固着しそうな気がする…

ガラコの安い方のコーティング剤はシリコン系ですが、過去にシリコン系のものを使用して来て、半年くらい放置しておくとかなり強烈に油膜が浮いてくる状態でした。(シリコン系は効果が2ヶ月程度なので半年も放置するな!という突っ込みはなしで)

ガラコなどの撥水コーティングをしないという選択肢もあるのですが、コーティング有無で油膜の発生速度に差があるのかどうかの検証などはもちろんやった事がありません。

実は走行時に雨が降った時の撥水感についてはそれほど求めている訳では無く、洗車時に出来てしまったミネラルが硬化した水垢や油膜などが、キイロビンなどを使用して研磨した時に落ちやすくなるかもしれない…という期待を込めてフロントガラスの撥水コーティングを使用してきたのですが、どうも落ち易くなっている気が全然しません。

※何でも良いのでとりあえずフロントガラスにコーティングをしておく事で、最後に残る虹色の油膜は落ちやすいかも知れない…と最近気が付きました。

…という訳なので、親水っぽいものから撥水性のものまで、コーティングをしない状態とどちらが油膜が付きにくく、落ちやすくなるのかをテストしてみようと考えています。

親水っぽいフロントガラスのコーティング剤

とりあえず、すぐに思い浮かんだのが親水性のガラスコーティング剤用のメンテナンス剤です。

■ ピカピカレイン公式


一応公式サイトには「フロントガラスOK」と書かれていいますので、使用する事自体は問題なさそうです。

親水性なので撥水効果は期待できませんが、メンテナンス剤なので皮膜は簡単に剥がせそうな気がします。

強力水垢落としなどを使用して、月に一度くらいの頻度で剥がして塗り直せば油膜がもろとも剥がれてくれるのではないかと期待しています。(どうなるか分かりませんが)

とりあえずコイツは手配済みです。

滑水っぽいフロントガラスのコーティング剤

こちらも同じくピカピカレインの製品なですが、ウィンドウ専用で滑水と謳われています。

■ ピカピカレイン公式



耐久性は屋外で8ヶ月となっていますので、そんなに簡単には剥がせるものではないのかも知れません。

親水コーティングやコーティングなしの状態よりは水はけ良さそうですね…それと油膜の問題は別かとは思いますが。

因みにこのコーティングの上に油膜が乗ってしまったらどうしたら良いんでしょうかねぇ。(キイロビンとか使うと、このコーティングごと剥がれそうですし)

まあ、とりあえずどんなもんかと試してみたくなったので、手配だけはしておきました。

 

この手のテストは検証期間がかなり長くなりそうですので半年~1年掛かりのテストになるかも知れませんが、ブツが届き次第、ぼちぼちやっていこうと考えています。

コーティングやワックスを使っていると1回雨が降っただけで油膜が…

ブツは到着してまだ施工していない状態なのですが、テストの為にとりあえずコペンとランエボ10の油膜をキイロビンとポリッシャーを使用して落としておきました。

…が、翌日雨が降りドラレコの撮影の為に濡れたクロスでフロントガラスを拭いたところ、既に油膜が現れ始めています…。

おそらく…、以下のシャンプーを使用すれば一般的なコーティング剤やワックスは綺麗に剥がせますので、新しい油膜だけなら落とせるとは思うのですが、いきなり暗雲が立ち込めています。

ウィンドウピカピカレインとナノピカピカレインのテスト

忘れてた訳でもないんですが、ブツを手配してから余裕で5ヶ月くらい放置してしまいました…。(2~3ヶ月と思っていたら5ヶ月だった)

テスト車両のランエボ10については、ほとんど乗っていない上にフロントガラスのメンテナンスも全くしていません。(2ヶ月に一度くらい普通にカーシャンプーで洗うくらい)

…で、その結果この様に大変残念な事になっています。(雨の日に乗れないだろ、これ…)

因みに…ですが、この車は1年半くらい前に飛び石でフロントガラスにヒビが入ってしまい、交換しています。

本来であればフロントガラス交換直後に何らかのコーティングを施工するべきなのですが、それに合わせて何かテスト的な事をしたいと考えているうちに1年半が経過しました。

因みにウォッシャー液も色々思うところがあり、「水道水」しか入れてませんでした。

 

途中で2回くらいはキイロビンで油膜やウロコを落としていますが、今回は残念なことにキイロビンではウロコは落ちたものの、油膜は落とし切れず…、台所用の洗剤やガラス用のコンパウンドを使用してもこんな状態で変化なしです。

ここからポリッシャーを使おうかとも思ったのですが、この状態からコーティングしても虹色油膜を隠す効果が出るのであれば、別の意味で素晴らしいのでは?と考え、敢えて決行する事にしました。

今回は①滑水のウィンドウピカピカレインと、②親水のナノピカピカレイン親水と2つのガラス用コーティング剤のテストの為、以下のようにフロントガラスをエリア分けしました。

ウィンドウピカピカレインの施工方法

ウィンドウピカピカレインは以下のように①ボトルとフェルトが一体化した容器と、②拭き取り用のクロス、③取扱説明書がセットになっています。

施工方法は説明書に丁寧に記載されていますが、液剤を塗って乾く前にクロスで拭き取るだけです。

 

①容器を手で挟んで「パチッ」と音がするまで押し潰します。

②液剤がフェルトに染み出てきますので、あまり圧力を掛けて垂らさないように注意します。(私は垂らしました)

もともと液剤は8mlしか入っていないので垂らすと勿体ないです。

③フロントガラスやミラーなどに塗り込みます。(圧力を掛け過ぎて塗り過ぎました)

拭き取れば問題ないですが、他の場所にも塗ろうと思うと足りなくなります。

④付属のクロスで拭き取ったら作業終了です。

乾く前に拭き取らないと、ガビガビになって凄いムラになると思いますので、注意ですね。(笑)

 

今回はフロントガラス1/3、リアガラス前面、車両右側のサイドガラス、右側のサイドミラーに塗布しましたが、最初に液を出し過ぎてしまった為、他の部分は出がらしで何とか頑張りました。

因みに見た目は施工前と全然変わりません。

おそらく通常だとフロントガラスとサイドミラー2個分くらいで終わるのではないかと思います。

ナノピカレインの施工方法

ナノピカピカレインは、ボディのガラスコーティング剤であるピカピカレインシリーズのメンテナンス剤です。

今回使用したのは親水のスーパーピカピカレイン用のメンテナンス剤で、これはフロントガラスにも使用が可能と謳われているものです。

セット内容は以下の通り、①ボトル本体+ノズル、②拭き上げ用のクロスとなります。

施工方法はスプレーして拭き取るだけです。

これは匂いがアルコールっぽく、揮発性が高いのでムラになりにくいですが、コーティング剤としての効果は薄い様な気がします。

施工数日後の効果検証

今回のテストは乾燥した状態での見た目の差は全く感じられませんでしたが、雨が降った状態での水の弾き方や、油膜の目立ち方には非常に大きな差が出ました。

以下、①ウィンドウピカピカレイン、②ナノピカピカレイン親水、③何もせず、となります。

撥水性に関しては①ウィンドウピカピカレインが最も強く、②ナノピカピカレイン親水は③の何もしない部分よりも水を弾いています。

なお、これらのコーティングを施工した後にポリマー系のボディコーティングを行っており、その後2回ほど雨が降りましたので、少なからずフロントガラスに油脂成分が付着している筈ですし、施工前からワイパーで拭き取った後に虹色の線が浮く状態でした。

この油膜の上にコーティングするのはどうかと思ったのですが、結果は一目瞭然です。

ウィンドウピカピカレインを施工した場所だけ、虹色の油膜が出てこなくなりました。

なお、ウィンドウピカピカレインは撥水でなかく滑水なので…、ガラコのように走行時の風圧で水玉を吹き飛ばすタイプのものではないような気もしますし、雨天ではワイパーと併用した方が良さそうですが、これはかなり気持ち良いです。

■ ピカピカレイン公式

走行中の雨の弾き具合や、耐久性に関しては全く不明ですので、後日テストを行います。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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