ターボのブースト圧って何だ?

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

ターボ車運転歴、約10年の私が今さらですがターボ車のブースト圧について解説します!

とは言っても、それほど詳しい訳じゃないので改めて勉強し直した事を備忘録代わりに書き留めておくだけなんですが…。

因みに何故そんな事を調べる気になったかというと、今まで6年間ほぼノーマルで乗って来たランエボ号を改めてメンテナンスしつつ、これからいじくりまわしてやろうと思っているからです。

要はチューニングするって事なんでが、サーキットを走るなどの目的ではなく、DIYでいじくりまわす事の喜びを味わう事が第一の目的ですので、コスト節約の為に出来るだけ自分で出来る作業は自分でやります。

ショップにお願いして経験のある方のメニュー通りのチューニングをすれば、そうそう壊れたりはしないと思うのですが、基本はDIY作業の為に車を壊さない為のお勉強と言ったところです。

ターボチャージャーなどの過給機の仕組み

車のターボチャージャーなどの過給機は、タービンという扇風機の羽のような物が付いた装置で無理矢理空気を押し込んで爆発力を高める事でパワーを絞り出しています。

例えば2000ccの車であれば、タービンで空気を圧縮して通常の2倍を無理矢理エンジンの燃焼室に押し込む事で、4000ccのエンジンと同じくらいの空気が入りますので、それに適した混合気(燃料が気化したもの)を送り込む事で、少ない排気量でも大きなパワーが得られる訳です。

ターボ車のブースト圧とは?

ブーストとは英語表記だと「Boost」となり、日本語に直訳すると「高める」であるとか「押し上げる」などの意になります。

まぁ、これは誰でも何となくは分かってるような?…なので「Boost圧」を直訳すると「昇気圧」となりますね。

もともとタービン自体が無理矢理空気を送り込んで燃焼室内の気圧を上げる装置なので、そのまま日本語に訳すと「昇気圧装置」となりそうですが、「ブースト圧」とはそのまんまの意味で、どれだけインテークパイプとエンジンの間にある、インテークマニホールド内部の圧力を高めるかの指標という事になります。

ブースト圧の単位

ブースト計のブースト圧の単位は、通常では100kPa(キロパスカル)で表現されている事が多く、100kPa=概ね海抜130m地点での1気圧です。

チューニングショップなどでは1kgf/c㎡で表現する事もありますが(簡単に言えば指先1本に1kgの圧力が掛かっている状態)、数学が苦手だとこの手の単位を感覚として把握するのは難しいのでそこはすっ飛ばして、ブースト計の目盛を見てみましょう。

0が大気圧と同じ圧力、すなわちインマニ内の圧力は外界と同様に1気圧です。(ここで言う外界の気圧とは、海抜130mでの外界の気圧)

1.0であれば2気圧で外界の2倍の圧力、2.0なら3倍の圧力になっているという事ですね。

一方で0より下には1.0の位置まで目盛が振られていると思いますが、これはインマニ内の圧力が外界の気圧よりも低い状態を示します。

何故1気圧よりも下がってしまうのかというと、以下の図の排気→吸気の行程では、ピストンの上昇で排気ガスが押し出され、ピストンの下降で混合気が吸引される状態となります。

エンジン側が勝手に空気を吸い込む状態もありますし、アクセルの開度によってはインマニとエアクリーナーの間において吸気量を調整する弁の役割を果たすスロットルバルブが閉じる状態になりますので、インマニ内は空気の量が減って1気圧未満(負圧)になります。

0から下はこの負圧(1気圧未満)の状態を示している事になりますね。

相対圧と絶対圧の表示方法ついて

先にブースト計の実例を出してご説明しましたが、これは1気圧の状態を0と見てそこから+-の気圧差を目盛に刻んであります。

多分、日本の自動車業界だとこの相対圧が一般的に使われているものと思われます。

0を中心としてそこから上下に相対値を目盛っている訳ですが、感覚的には1.0が1気圧の2倍、2.0が3倍というのは分かりにくくないですか?

私は分かりにくいです。(笑)

因みに一部のレーダー探知機などのOBD接続で吸い出せるブースト圧には、先程の相対圧ともう一つ絶対圧というものがあります。

 

※絶対圧はコムテックのみで、ユピテルとセルスターは相対圧のみ

最終的には慣れの問題ですが、感覚的にはこっちのが分かり易い…とズブの素人である私は感じます。

エンジン負荷が上がるとブースト圧は維持できない

エンジンは回転数や負荷が上がった分だけ大量の空気を必要とします…ので、高回転域になると普通はブースト圧が下がります。

3000回転と6000回転では単純に2倍の燃焼回数の差がありますので、同じブースト圧を維持する為にはタービンの回転数も上げなければなりませんが、タービンを壊さないように安全マージンが取られていたり、もしくは吸気・排気側の抵抗やタービンそのものの効率の限界がボトルネックになり、ブースト圧は下がる事が多くなります。(ブーストが垂れると言われています)

場合によってはエアクリーナーやインテークのパイプ類、排気側のパイプ類を抵抗の少ないものに変え、社外品のECUやブーストコントローラーなどを使用する事で全域でのブースト圧の上昇やブーストの垂れも抑えられるようですが、タービンがブローする危険性も上がりますので、どこまでやるかは非常に悩ましいところですね。

考え方によっては「お金を使って車を壊す」という究極の無駄になりますから(笑)

余談ですけど、シリンダー内の圧力は凄い事に!

今回はターボ車のブースト圧の話ですが、過給機のないNAの車でもエンジンのシリンダー内は物凄い圧力が掛かっています。

要は圧縮比の事ですが、これはピストン下図のように吸気→圧縮の行程で、吸い込まれた空気がどれだけ圧縮されているのかを示す指標です。

ピストンが下死点にある時にシリンダー内の容積は最大となり、上死点では最小になりますが、最大÷最小=圧縮比となります。

例えばレギュラー仕様車のマーチであれば、10.2、ハイオク仕様のロードスターは高めの13.0となっています。(レギュラーの場合、圧縮し過ぎると意図しないタイミング・位置で発火するので低めの設定)

インマニ内の気圧が1の状態なら、13気圧の圧力まで高めて爆発させる訳ですのでエンジンにもかなりの負荷が掛かっていると想像できます。

因みにランエボ10もハイオク仕様ですが、ターボなので圧縮比はマーチより低い9.0しかありません…が、ブースト圧1.5で概ねインマニ圧も2.5気圧になりますので、その状態でシリンダーに空気を圧縮してぶち込めば2.5×9=22.5気圧と、とんでもなく高圧力になります。

まぁ、普通はエンジンよりも先にタービンが壊れて、その破片がエンジンやオイルクーラーに混入してエンジンもブローするというパターンが多いみたいですのでタービンの方を心配した方が良さそうですが。(笑)

まとめ

以上、ターボ車のブースト圧について、単位や相対圧・絶対圧の違い、その他エンジンに関わる圧力についてまとめました。

うちのランエボ号は、マフラーは社外品、エアクリはHKSの純正交換タイプのフィルターが入っていますので、ぼちぼちとECUや触媒、タービンアウトレットの交換などを検討しています。

とりあえずDIYでやれるところまでやってから考えようと思ってます。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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