この記事はこれからランエボ10を購入しようか検討している人向けの記事です。
もともと2014年10月に書いた記事ですが、最近の経験に基づいて内容を見直しています。
ランエボ10のクラッチは重く、運転しにくい車なのでしょうか?
結論から言うとそれは慣れの問題だと思いますし、女性であっても「ランエボ10に乗りたい!」という気持ちがあれば問題にはならないと思いますので「欲しいと思った時が買い時なので買いましょう!」とお伝えしておきます。
そんな事を理由に買わないのは勿体なさ過ぎると思います。
さて、ネット上では「ランエボ10のクラッチは重い」であるとか、「クラッチが繋がる位置はかなり手前」といった類の話を頻繁に見かけますね。
「重い」や「手前」という表現はその人の主観に基づいた相対的な評価なので一概には言い切る事が出来ませんが、私が他の車と比べてみたり、嫁に運転させた時の経験に基づいて説明します。
初めてランエボ10に乗った時は12年ぶりのMT車
私は過去にR32~33のスカイラインのMT車を乗り継いでいた時期がありましたが、子供が生まれたり仕事の都合で車を1台しか維持する事が出来ない状況になってしまった為、ランエボ10に乗る前の10年間はATのミニバンに乗っていました。
子供がある程度大きくなった事と、経済的に余裕が出来た為に12年振りに再びMT車のランエボ10に乗る事になったのですが、その際には既にMT車のクラッチの重さやミートポイントなどについての過去の車の感覚は当然ながら全く消え失せていました。
従って事前に「ハイパワーな車だから重かろうと想像した重さ」よりは軽いというのが第一印象です。
また、他の車と比べると極端にクラッチのつながるミートポイントが手前にある事から、前に乗っていた車が奥でつながる車だと若干戸惑うかも知れません。
また、アクセルのレスポンスも決して良い方ではないですし、最初の頃はクラッチを切った状態で500回転程度の回転数の調整が少し難しかったような気がします。
納車当日にはややクラッチ操作がおぼつかない場面もありましたが、すぐに慣れてしまいました。
慣れてしまうと全く重いとは感じず、もう少し重くても良いかな?と考えるくらいに凄く運転し易い車に感じるようになりました。
人によっては凄く重く感じるのも事実ではある
女性の場合はどうなんでしょう?
一例として私の嫁の例を挙げておきますが、嫁は昔私が所有していたR32スカイラインのMTターボ車にちょくちょく乗っており、当時はMT車にも普通に乗れていました。
15年振りくらいのMT車としてランエボ10を運転させてみましたが、エンストしまくりでかなり発進に手間取りました。
クラッチが繋がる位置がかなり手前である上に、何の覚悟もない人が乗るとかなり重く感じられるようです。
アクセルを少し開けたつもりが回転数が上がりすぎてアクセルを緩めた時に繋がってエンストのパターンか、上がりすぎた状態で繋がって急発進気味になるかのどちらかが大半です。
つまり、クラッチを切った状態で1,500回転キープというのが慣れない人にはちょっと難しい車のようです。
まあ、クラッチのミートポイントが手前で力が入りにくい位置な上にそこそこ重い、さらにアクセルのレスポンスが悪いという3つの理由からそのようなエンストこきまくりの状態になってしまったようです。(笑)
おそらく半クラ領域は広めではあるかと思いますが、ミートポイントが奥にある車に慣れると運転しにくいのは事実ですね。
クラッチが奥で繋がる車の場合は、アクセルを少し吹かしたと同時にクラッチを離し始めればスムーズに繋がります。
ランエボ10はかなり手前までクラッチを戻さないと繋がらないので、やっぱり癖はあります。
ただし、トルクも大きいので平坦な道であればアクセルをふかさなくてもクラッチをゆっくり離すだけで発進は出来てしまいます。
クラッチディスクの摩耗状態でもミートポイントは変わる
一般的にはクラッチが繋がる位置はクラッチディスクの磨耗度にも影響されると言われています。
60,000km走行時にクラッチ交換をした直後は、ディスクのバリが残っていたせいか繋がる位置がかなり奥になり、お陰でいつものようにクラッチを少し離した状態からアクセルを吹かそうとしたら見事にエンストしました。
その後1000km程度走行した後は、バリが取れたの繋がる位置がまた手前に戻ってきています。
ランエボ10のクラッチが凄く重く感じた時
最近、中古でL880Kコペンを購入したのですが、おそらくコペンのクラッチは軽くも重くもない標準的な重さかと思いますが、クラッチの繋がる位置はかなり奥の方で、少しクラッチを戻すとすぐに半クラ状態になります。
坂道発進は楽そうですが、トルクがないので半クラ状態になってしまえば意外とランエボ10の方が楽かも知れません。
ランエボ10のクラッチ操作に慣れてしまっていた私は、コペンのクラッチのミートポイントがあまりに奥で、踏んだ感覚が物凄く軽くフニャフニャに感じたので、初っ端は見事にエンストをこきました(笑)
1週間程度コペンに乗り続けて、ランエボ10には一切乗らない日が続いたのですが、何日目かにはコペンのクラッチ操作に慣れてしまい、最初は軽くてフニャフニャと感じていたものが「なんかそこそこ重くね?」と感じられるようになっていました。
そして久しぶりにランエボ10に乗ってみると…「なんじゃこりゃ、激重やんけ!、しかもなかなか繋がらんし!」という印象に変わっていました。
12年振りのMT車としてランエボ10に乗った時よりも運転しにくく感じたのであります。(笑)
要は慣れの問題で、クラッチが軽い車に乗り慣れてしまえばそれが快適になり、重い車でも慣れてしまうと快適になるという証拠です。
嫁の場合には別にランエボ10を運転したいと思わない状態で無理矢理載せてみたので悲惨な結果に終わりましたが、「ランエボ10に乗りたい!」と考えている人なら運転が楽しいと感じてすぐに慣れてしまうと思いますよ。
この手の車は欲しいと思った時が買い時だと思うので、良い弾が見つかったら買ってしまえ!というのが結論です。(笑)
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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