フロントガラスの油膜落としの定番と言えば間違いなく「キイロビン」かと思うのですが、最近は各種ガラコの比較テストを開始した絡みで、ついでにガラコの油膜落としをテストしてみる事にしました。
中身的にはキイロビンと大差はないだろう、というのが事前の予測ですが、果たしてキイロビンとの油膜除去能力の差は体感出来るのでしょうか?
ガラコ油膜落としの成分と特徴
ガラコの油膜取りは正式名称が「ガラコぬりぬりコンパウンド」となっている通り、油膜落としに特化したコンパウンドとなりますが、コンパウンドなので「ぬりぬり」というよりも「すりすり」しないと油膜は落ちないでしょう。
コンパウンドなのでフッ素系のフロントガラスコーティング剤も落とせると書かれていますね。成分表記には化学的にガラスと反応して油膜を剥がしやすくする「酸化セリウム」などの具体表記はなく、「弱アルカリ性の研磨剤」と書かれているだけです。
まぁ、詳しく書いていないだけで「酸化セリウム」も含まれているのではないかと思いますが。
フェルトとボトルが一体化しているのがポイント
フロントガラスの油膜取りは「キイロビン」の知名度が圧倒的に高く、いくら「ガラコ」ブランドを使ったとしても似たような製品を出しては売れないと思いますので、この製品は作業性や運用面でキイロビンとの差別化を行っています。
この辺りはデザイン見れば分かると思いますが、ボトルと研磨用のフェルトが一体化しており、「キイロビン」と比べると若干作業性は高いです。
ガラコ油膜取りの使用手順
今回テストに使用したのはガラスにコーティングをせずに、半年以上油膜を落としていないコペン号です。
以下のように右側を「キイロビン」、左側を「ガラコ油膜落とし」で磨きます。
まずは最初にガラスを水洗いして、砂ぼこりなどの物理的な汚れを落とします。(やらないとガラスに傷がつくかも)施工前の状態は油膜でかなり水を弾いていますね。
クロスで拭き上げても良い感じに油膜が浮き出てきます。
リアガラスはさらにいい具合に出来上がってます。ここ1年で色々試してみた結果、おそらくボディにコーティングした後にガラスにコーティングをしないで青空駐車を行うと、1ヶ月くらいでこれに近い状態になる事が分かりました。(雨が降らなければならないと思いますが)
なかなかのナチュラル撥水具合です!
ガラコの油膜取りは、使用前にボトルを良く振ってフェルトカバーのネジとカバーを外してから使用します。
あんまり研磨力がなさそうなフェルトですけど…。
ガラスを霧吹きなどで軽く濡らしておいてから、ボトルを下に向けるだけでコンパウンドが垂れてきますので、あまりボトルに圧力を掛けない方が良いですね。
擦る時はボトルの根元を持たないと力が掛からず、フェルト面が圧着しにくくなります。
今回は左右ともに片側3分くらいで全く水を弾かなくなり、油膜の落ちやすさは体感的にはキイロビンと同様でした。(落ちない時は落ちないので、古いコーティングがなかったから早かったのかも知れません)
因みに「キイロビン」はスポンジが付属しており、液剤をスポンジかガラスに垂らして使用しますので、作業性は「ガラコ油膜落とし」の方が良いですね。
手も汚れませんし汚れた手で触らないので「キイロビン」のように容器も汚れにくいです。
リアも含めて作業後の親水具合と見た目の差は変わらない感じですね。(霧吹きで水を掛けた状態)
「ガラコの油膜落とし」もなかなか良いかも知れません。
ガラコ油膜落としのまとめ
「ガラコの油膜落とし」は成分的に「キイロビン」と異なるのかどうかは不明ですが、油膜の落ちやすさに関してはその差は感じられませんでした。
一方でボトルと研磨用のフェルトが一体化している事から、作業時の利便性は「ガラコの油膜落とし」の方が高く、手も汚れない為、スマートです。
ただし、油膜の付き方によってはスポンジでいくら擦っても落ちない事もあり、おそらく数年間ガラスのメンテナンスをしてない車の場合には何れの製品を使用しても簡単には油膜は落ちない恐れがあります。(過去に何度か痛い目見てます)
従って年に1~2回はガラスのコーティングと合わせて油膜落としを行うユーザーの場合には、スマートに施工できる「ガラコの油膜落とし」の方が向いてるかも知れません。
逆に中古車を買ったばかりで前のオーナーの管理状況が分からなければ、スポンジで気合を入れて擦れる「キイロビン」を選んだ方が無難でしょう。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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