※2020年10月6日更新~実機レビューを追記しました。(クーポンあり)
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
今回はリチウムを使用しない安全性の高いジャンプスターター Autowit「Super Caps 2」のサンプルをご提供頂きました。
リチウムイオン電池はエネルギー効率が高く、スマホやモバイルバッテリーだけでなく、HVやEV車の駆動用の電池としても採用されていますが、品質の悪い電池を使用した製品は燃えたり爆発したり…という危険性があり、日本国内では2019年の3月からはPSE基準の検査に合格した製品以外はほとんど販売不可となっています。
これにより、かなりの数のモバイルバッテリーが叩き売られていた時期がありましたが、通常のジャンプスターターもリチウムイオン電池を内蔵していますので、この規制に引っ掛かります。
amazonなどの見ていると、PSE検査を受けてなさそうな怪しい製品も見受けられますが、今回ご紹介するのは安全性を重視して、リチウム電池ではなくコンデンサーに蓄電するスーパーキャパシタタイプのジャンプスターターです。
因みに一般的なリチウムイオンを使用したジャンプスターターは、ゆっくりではありますが徐々に自然放電が進みますので、一年に一度くらいは充電状況を確認してあげないといざ車のバッテリーが上がった時に役に立たない事があります。
ジャンプスターターの購入を検討しているが、リチウムイオン電池は不安という方は是非検討してみて下さい。
Autowit「Super Caps 2」
Autowitというブランドは、中国の深センエリアにある「Genhigh」集海科技(深セン)有限公司という会社が持つ、カー用品のブランドです。
この会社はガジェット類の総合メーカーで、日本ではクラウドファンディングを主戦場としていますが、海外では「GadgetPlus」という自社通販サイトでの販売構成が高いようです。(最近サイトの日本語訳も追加された模様)
ロサンゼルスにも事務所が有ると書いてますので、主にアメリカ向けに販売を行っていたようですね。
…で、今回レビューの依頼を頂いたのがこちらの「Super Caps 2」です。
実はこの「Super Caps 2」にはひとつ下のグレードの「Super Caps」という型番もあるようですが、2の方が出力が大きく、大排気量の車にも対応しているようです。
Autowit | Super Cap 1 | Super Cap 2 |
---|---|---|
対応車 | 12V | |
最大電圧 | 15.5V | 15.5V |
最大電流 | 700A | 800A |
対応排気量 | ディーゼル/3000cc ガソリン/5000cc | ディーゼル/4000cc ガソリン/7000cc |
出力/入力 | ジャップスタート用クランプ | |
入力ポート | 12V/シガープラグ | |
入力ポート | 5V/microUSB | |
チャージ時間 | 1~1.5分/10V以上 | 3分/12V |
3分/6V | 20分/6V | |
10分/4V | - | |
12Vシガーソケット/2~3分 | 12Vシガーソケット/3分 | |
USB/20~30分 | USB/45分 | |
環境温度 | -40~+60℃ | -40~+70℃ |
収納ケース | × | ◯ |
取扱説明書 | Super Cap 1 | - |
「Super Caps 2」の特徴
まずはリチウムタイプと「Super Caps 2」の最大の違いですが…、リチウムタイプは予め電池に充電した状態で車載し、バッテリーが上がった際にジャンプスタートを行う、という手順になります。
一方で、スーパーキャパシタはリチウムよりも自然放電し易く、充電は速いという特徴がありますので、充電されていない状態で車載する事が前提となります。
充電されていない状態で車載したんじゃ意味無いだろ!と感じるかも知れませんが、この製品はエンジンが掛からないほどに弱ったバッテリーから、短時間で残った電気を吸い上げて瞬間的に大きな力を出す事が出来るので、死に掛けバッテリーからのリカバリーが可能だそうです。
こんな感じで直前に充電してから使います。
なお、完全に死んでしまった6V未満の電圧しかないようなバッテリーからは、キャパシタに充電する事が出来ませんので、そう言う場合にはモバイルバッテリーや、他の車のバッテリーなどからチャージさせて貰う必要があるようですが、6V以上の電圧なら時間を掛けてチャージが可能なようです。
セットとデザイン内容
こちらの動画でもレビューしています。
「Super Caps 2」のセット内容はこちらの通り、極めてシンプルな構成となっています。
・スターターケーブル
・microUSBケーブル(5V充電用)
・シガーケーブル(12V充電用)
・取扱説明書
本体はバカでかい!
本体は一般的なジャンプスターターと比べるとバカでかいです(笑)
iPhone SEと比べるとこれくらい
一般的なジャンプスターターと比べるとこれくらいの大きさの差があります。
ポート類はこちらのゴムカバーの中に集中しており
左から充放電兼用スターターポート、シガー充電ポート、microUSB充電ポート、スタートスイッチとなっています。
その他、ポートやボタン類は一切なく、こちらに充電圧・給電圧・蓄電量などが表示されるパネルがあります。
「Super Caps 2」の充電
「Super Caps 2」はキャパシタなので充電後は急激に電力が失われます。手元にサンプルが届いた時点では既に空の状態でした。
「Super Caps 2」の通常の運用方法としては上がってしまったバッテリーから充電を行い、その電力を一気に開放してジャンプスタートするという具合になります。
今回は廃バッテリーの電圧を「Super Caps 2」の充電が可能な最低電圧6Vに合わせるのが難しかったので、直流安定機にて6Vの固定電圧での充電を行いました。
説明書には6Vで20分と書かれていますが、6V/2Aの給電が28分続いて満充電になりましたのでおよそ3Whの蓄電量となります。
モバイルバッテリーなどで使われるmAh/3.7Vに直すと800mAh程度です。
本機は1回ジャンプスタートするごとに充電を行う仕様なので、容量はそれほど大きくはありません。
コペンの8V台のバッテリーでジャンプスタートさせてみた
先に直流安定器を使って充電してしまったので、ジャンプスタートは充電なしでコペンの8V台のバッテリーで行いました。
8V台だと全くセルが回りません。
始動手順は「Super Caps 2」をバッテリーにセット、クランパーでプラス・マイナスのバッテリー端子を挟むだけです。
スタートスイッチを押すとブザーと同時に10秒のカウントダウンが始まります。
カウントダウンが終わると「ピーーーー」というブザーに変わり、一気に電圧が上昇しますのでこの間にセルを回します。
普段以上に非常に気持ち良くセルが回って一発でエンジンが掛かりました。
これは排気量によって大きく変わると思いますが、ジャンプスタート後の蓄電量は72%になっていましたので、コペンのエンジン始動に必要な電力量は1Wh程度という事になります。
バッテリーの電圧を6V未満に落としてみた
次に死にかけのバッテリーから充電を行う、という本来の使い方にチャレンジしてみました。
…と言っても、先程の残りの70%の蓄電量を無理矢理減らす方法が考えつかなかったので、このまま充電を行う事にしました。
最初は遅いペースながらも充電されてましたが…
電圧が5Vを切ったところで逆に電力を吸われたのか、電圧と蓄電量が下がり警告音が鳴りました。
やはり6V+αの電圧が出ていないとジャンプスタートに必要な電力を蓄えるのは難しいようです。
モバイルバッテリーからの充電状況
次にモバイルバッテリーからの充電状況を確認してみました。
ジャンプスタートを行った後の70%程度の蓄電量の状態から、丸々2日後には34%まで放電が進んていましたのでここからの充電開始です。
34%から満充電になるまでは25分程度の時間が掛かりました。(0からのスタートだと35~40分くらいになりそうです)
「Super Caps 2」の総評
最後に「Super Caps 2」の総評です。
リチウム電池を使用したジャンプスターターに対する「Super Caps 2」のメリットをまとめると…
・真夏の高温になる車内でも膨張・破裂・火災などの恐れがなく安心
・何やら最新鋭っぽいガジェットを手に入れた事で満足感が得えられる
の3点になろうかと思います。
一方でデメリットはこちらの3点です。
・本体価格が一般的なジャンプスターターの3倍程度と高い
・本体サイズがバカでかい
…というわけなので、「Super Caps 2」がおすすめなのはこんな人です。
・複数台車を所有しているなど、乗る機会が少ないクルマがある
・新しいガジェットに興味がある
どちらかというとリテラシーが高く、車もガジェットも好きな方向けですね。
逆にこれに当てはまらない方は一般的なリチウムのジャンプスターターで良いと思います。
その代わり、年に1~2回の充電管理は忘れないようにしましょう!
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(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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