※2025年9月1日更新:最新の所感を追記
こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
私がランサーエボリューションX(ランエボ10)を購入したのは2013年8月。
所有歴は12年を超え、購入してからの走行距離は約8万キロ、車両の総走行距離は12万キロを突破しました。
この間に、コペン、ロードスター、124スパイダー、981ボクスター、MR-S、ポルシェ911なども所有する機会がありましたが、それらを経験してもなおエボ10は「手放せない一台」です。
ランエボ10の良いところ
・同クラス輸入車よりも安価で高性能
中古相場は上昇中ですが、輸入スポーツカーに比べると依然手が届きやすく、維持費も国産スポーツカー基準で収まります。
・峠に最適なローギヤード設計
中低速トルクが厚く、2速が吹け切る40〜90km/h域では圧倒的な加速感。
0-100km加速タイムで同等以上のNAスポーツカー(300〜500馬力級)と比べても、公道で体感できる加速感はエボ10の方が上です。
高回転型NAは公道で回し切れないため、エボ10は「実際に楽しめる速さ」を味わえます。
・電子制御四駆の安心感
電子制御を切らない限り、公道で破綻することはまずありません。ウェット以外では横滑り防止もほとんど介入せず、全開時に一時的に出力が制御される程度です。
・実用性を兼ね備えるスポーツカー
大人4人が無理なく乗れる広さ、燃費8〜10km/L。スポーツカーとしては非常に日常性が高いです。
・サイズ感のバランス
個人的には、車幅1800mm強が峠でラインを有効に使える限界サイズだと感じています。近年のスポーツカーは大型化が進んでおり、その意味でもエボ10は貴重です。
加速感について
日本の公道において、ランエボ10の加速感は際立っています。
高回転型のハイパワーNA(300〜500馬力級)と比較しても、常用域でのトルクと加速感はエボ10の方が体感的に強いです。
特に40〜90km/hの加速は暴力的で、峠道では非常に速く走れる一因となっており、サーキットでは高回転域の伸びが物足りないものの、峠道での実用加速では群を抜いています。
コーナリング性能について
・公道での安定挙動
電子制御四駆により、ステアリング操作に素直に反応。立ち上がりでアクセルを踏んでも破綻しない安定感があります。
・電子制御オフ時の挙動
ドライコンディションでは、サーキットで電子制御を切っても危険な動きにはならず、「弱アンダー」が出る程度。
ただし、フロントヘビーかつ車重が重いため、コーナリングの限界速度はそれほど速くありません。
荷重移動を意識すれば曲がりますが、ライトウェイトスポーツのような軽快感はありません。
結果として、コーナー手前でマージンを取って速度を落とす峠では、早めに立ち上がりのトラクションが稼げるためにかなり速く、サーキットでもそこそこ速いのがエボ10の特徴です。
※エボ10はラリーカーなので、サーキット走行向けには最適化されていません。
ランエボ10の悪いところ
- 車重が1500kg台と重い:軽快感はライトウェイトスポーツに大きく劣ります。
- 電子制御が優秀すぎる:公道では破綻せず安心ですが、旧車のようにドライバーが挙動を引き出す余地は狭いです。
- 車高が高め:スポーツカーらしい低重心感がなく、乗り味にともすればファミリーセダン的な雰囲気があります。
- 内装の質感がチープ:プラスチック感が強く、輸入スポーツカーと比較すると見劣りします。
- SSTのリスク:MTは安心ですが、SSTは故障時に70〜80万円以上掛かるケースもあります。
- サウンド面の物足りなさ:ターボ車ゆえに、マフラーを変えても高回転型NAのような甲高いエグゾーストサウンドは楽しめません。音の爽快感を重視する人には不向きです。
- オープンカーのような開放感がない:屋根付きセダンなので、風と一体化するような爽快感は味わえません。ロードスターやボクスターのようなオープンカー経験者にとっては、やや物足りなく感じるかもしれません。
まとめ:ランエボ10は「峠で光る万能スポーツ」
ランエボ10は、峠では「かなり速く」、サーキットでは「そこそこ速い」。
加えて大人4人が乗れる実用性を備え、日本の道に合ったサイズ感を持つ貴重なスポーツカーです。
もちろん、ライトウェイトや高回転NAのような軽快感やサウンドはありませんし、オープンカーの開放感も得られません。
しかしその代わりに、誰でも安心して楽しめる速さと万能性を持っています。
総走行距離12万キロを超えた今でも「まだ乗り続けたい」と思わせる一台であり、購入を検討している方にとって後悔しないスポーツカーだと言えるでしょう。
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