こんにちは!自動車系ライターの駆流斎です。
「なんでそんなに高性能なクルマが必要なの?」「スペックを活かす場面なんてないのに無駄じゃない?」
クルマに詳しくない人からよく聞かれるこの問い。
確かに、サーキットを走るわけでもないのに、400馬力オーバーのエンジンやレーシングカー並みのブレーキが必要かと聞かれれば、多くの人が「無駄だ」と答えるかもしれません。
しかし、ハイスペック車を選ぶ人には、単なる性能だけでは測れない、深い思いや価値観があります。
本記事では、「車のスペックは本当に無駄なのか?」という問いに対し、様々な角度から考察していきます。
ハイスペック車のスペックは無駄なのか?
まず結論から言えば、日常生活においては「オーバースペック」になりやすいのは事実です。
・出力性能の無駄
例:400馬力、0-100km/h加速4秒などの性能は、日本の公道ではまず発揮されない。
・装備の無駄
可変サスペンションや大径ブレーキ、トルセンLSDなども、街乗りでは宝の持ち腐れになりがち。
・燃費や維持費の負担
ハイオク指定、10万円超えのタイヤ、高額な任意保険など、経済的にも負担は大きい。
このように見ていくと、「実用性だけを考えれば軽自動車やコンパクトカーで十分」と考える人が多いのも頷けます。
それでもハイスペック車が支持される理由
では、なぜ人はあえて「無駄」とされるクルマを選ぶのでしょうか?それには合理性を超えた深い理由があります。
夢やロマンの象徴だから
車は単なる移動手段ではなく、人生の夢や目標、成功の証でもあります。
「子どもの頃から憧れていたクルマをいつか手に入れたい」──そんな思いを実現するために、スペックでは語れない価値があるのです。
技術へのリスペクトと所有欲
ハイスペック車はメーカーの技術力の結晶。
優れたシャシー設計、精緻なエンジン、エアロダイナミクスなど、その存在自体に価値を見出す人も多いです。
意外と実用的な一面も
- 高速走行時の安定性
- 長距離ドライブ時の快適性
- 突発的な危険を回避できる加速力やブレーキ性能
見た目とは裏腹に、安全性・快適性の面でも優れているのがハイスペック車の特徴です。
“無駄”にこそ価値があるという考え方
趣味の世界では「無駄を楽しむ」という価値観が確かに存在します。
- 時計、カメラ、オーディオ、そしてクルマ
- 実用性を超えた「所有の喜び」「語れる楽しさ」
- SNS時代の今、自分のスタイルや価値観を表現する手段としてのクルマ
スペックを使い切れないことが問題なのではなく、「持っている」ことそのものが意味を持つのです。
まとめ:車のスペックは心の満足度を高めるもの
たしかに、スペックだけを見ればハイスペック車は“無駄”が多く見えるかもしれません。
しかし、クルマとは本来、感情や価値観、そしてライフスタイルを乗せて走るもの。
合理性だけでは説明できないからこそ、クルマには人を惹きつける力があるのです。
スペックを選ぶか、実用性を選ぶか──正解は人それぞれ。
ただひとつ言えるのは、「好きだから乗る」その気持ちが、どんな理由よりも尊いのではないでしょうか。
関連記事