みなさんが軽自動車の購入を検討するとすれば、どのメーカーで考えますか?
軽自動車と言えば、スズキ?ダイハツの軽自動車も粒ぞろいですよね。
いやいや、ホンダの軽自動車のラインナップもなかなかだよ。
こんな声が多く聞こえてきそうです。
では、トヨタは?
軽自動車の購入を検討した時、あなたの頭の中で「軽自動車はトヨタ」というワードが浮かぶでしょうか?
正直に言えば私は、トヨタで軽自動車のイメージはまったくありませんでした。
これまでトヨタ自動車は、最小1000㏄クラスの普通車、ヴィッツやパッソなどの人気車種をいくつも抱えていましたから、あえて軽自動車の発売をしなくても十分にユーザーは獲得できていたはずです。
では、なぜあえてトヨタエンブレムの軽自動車を発売するに至ったのでしょうか?
【http://toyota.jp/pixisspace/】
なぜ今さら? トヨタ自動車が軽自動車販売に至った経緯とは?
トヨタ自動車が軽自動車発売に対して公に発言したのは「軽自動車しか売れない地域がある。
その地域の顧客獲得のためである」ということ。
リーマンショック以降、円安から輸出業が低迷したトヨタは、国内の新車登録台数もここ数年で巻き返しているものの、何かしらの打開策を求められていました。
そこで踏み切ったのが軽自動車の販売でした。
【人気の軽自動車】というコラムにも書いた通り、最近の軽自動車は普通車顔負けの装備、スタイルで販売台数を伸ばしています。
特にランキング上位に名前が挙がるのはホンダやニッサンといった、普通車の人気車種も抱えながら軽自動車の販売も好調なメーカーの軽自動車でした。
中でも、ニッサンに至っては、自社開発の軽自動車は持たずオールOEM、他社からの供給車種でのランクインだったのです。
デイズ、デイズルークス、モコ、すべてスズキ、三菱自動車のOEM車種です。
OEMに着目したトヨタは、自らの子会社であるダイハツから軽自動車を買い付けることにより、トヨタブランドの軽自動車が誕生したのです。
認知度の低いトヨタの軽自動車 そこにはこんな理由が?
私が初めてトヨタエンブレムの軽自動車を見たのは、街中を走っているときでした。
黄色いナンバーのトヨタエンブレム、という不思議な光景を目にしたのが最初でした。
通常、新たな車種を発売するとき、トヨタほどの大手自動車メーカーであれば大々的に広告、CMを打ち披露するもの。
しかし、トヨタは軽自動車に関して目立った宣伝は一切しませんでした。
それは、自社の子会社であるダイハツのOEM車種であったからだと言われています。
ニッサンのように他社製品に手を加えて販売するのならともかく、ダイハツは大切なトヨタの子会社。
トヨタが軽自動車の販売開始を大きく宣伝をすることでダイハツが持っている顧客を食いつぶしかねない。
あくまでも、トヨタの軽自動車はダイハツあってのもの、というスタンスからこうした販売方法になったのだとか。
それにしても認知度が低すぎて…果たしてトヨタの軽自動車、売れているのでしょうか?
販売店・現場の声から生まれた軽自動車販売
トヨタと言えば、人気車種は数知れず。
最近のヒットはアクアやプリウスといったハイブリッドカーが有名ですよね。
アクアに関しては新車価格もかなりお手頃。
【http://toyota.jp/aqua/】
あの新車価格でなおかつエコカー…人気が出る理由もわかります。
ですが、トヨタの店頭に来店されるお客様の中にはこのハイブリッドカーと軽自動車を購入検討、比較される方も多いのだとか。
確かに最近の軽自動車は室内空間もかなりの広さ。それでいて燃費も良くて、走りも快適。
なんといっても、維持費の安さでは普通車に勝ち目はありません。
検討した結果、軽自動車の購入に流れるお客様が大半を占めるなんていう、苦しい時期もあったそうです。
そこで、店舗の販売員から上がったのが「トヨタでも軽自動車を扱いたい」という声だったそうです。
実際に販売にこぎつけるまでには紆余曲折あったでしょうが、今こうしてトヨタの軽自動車が並んでいるのは、販売員の声を拾ったトヨタ自動車の在り方が現れているように感じます。
トヨタの軽自動車 そもそもピクシスってどんな車?
トヨタ ピクシスと言っても、実はピクシスシリーズには5台もラインナップがあります。
ピクシス エポック・ピクシス スペース・ピクシス メガ・ピクシス トラック・ピクシス バン。
どれもダイハツの人気車種のOEMです。
ピクシス エポック(ダイハツ ミライースOEM)
【http://toyota.jp/pixisepoch/】
スモールという言葉がぴったりなピクシス エポックは、なんと平均燃費35.2㎞/lと超低燃費!!
ほかの軽自動車と比較しても、その燃費はだんとつ。
男女問わず好まれる見た目も、人気の秘訣です。
エポックという可愛らしい名前には「新時代」なんて思いも込められているのだとか。
ピクシス スペース(ダイハツ ムーヴコンテOEM)
【http://toyota.jp/pixisspace/】
カスタムモデルもあるピクシス スペースは、なんとボディカラーが12色もあります。
最近の人気はルーフがホワイトのツートンカラー!可愛らしいピクシス スペース、男性にも好まれそうなピクシス スペースカスタム。
あなたの好みはどちらですか?
ピクシス メガ(ダイハツ ウェイクOEM)
【http://toyota.jp/pixismega/】
軽自動車の中でも最大級の車高を持つピクシス メガ。
荷室の広さも他車とは別格!自転車はもちろん、夏はサーフボード、冬はスノーボードも楽に積み込めます。
アウトドア派のオーナーさんに愛されています。
OEMですから、もちろん違いがあります。
ダイハツ ウェイクのOEMであるピクシス メガは、車高の高さが個性的な軽自動車。
今のところボディカラーも共通で、見た目の違いはグリルのエンブレムだけです。
価格も同じ。
販売店によっては決算によって値引き率が多少変わるかもしれません。
不思議なもので、メーカーにこだわるユーザーさんが多いって知っていますか?
トヨタしか乗らない、ニッサンにしか乗らないなんて人、結構多いんですよ。
こうしたこだわりを持っているユーザーさんにとってはトヨタから軽自動車が販売されたのって朗報だと思います。
愛車に対する考え方は人それぞれですが、ライフスタイルによって愛車って変化していきませんか?
独身の頃は実用性なんて二の次で2シーターのスポーツカーが大好きでも、その次は少し落ち着いたセダンや趣味性の高いSUVを乗るようになって、そのうち結婚して子供ができると家族がたくさん乗れるようなミニバンやワンボックスが使い勝手が良くなって、そうこうしていると子供も手が離れて自分の好きな車にやっと乗れるように。
でも、年を重ねていくうちに普通車だと運転能力が追い付かなくて、軽自動車が小回りも利いてちょこちょこ乗りの多い生活に合うようになって…。
この時の軽自動車を検討する選択肢の中に、今まではトヨタは入っていませんでした。
でも、今なら軽自動車もトヨタが検討可能になったわけです。
また、近年若者の自動車離れが進んでいるってご存知でしょうか?
私が担当させていただいていたトヨタディーラーの店長さんと世間話をさせていただいていたとき、こんなお話を聞きました。
ある親子が車を購入するために来店されたそうです。
息子さんは19歳になる年で、免許を取って初めての車でした。
ショールームでお父様が「どんな車がいいか」と息子さんに尋ねたところ「車はたまにしか乗らないし、必要な時はお父さんの車に乗るからいいよ」と答えたそうです。
車に対して、あまり必要性を感じない。
愛車を持つということに魅力を感じない。
今はこうした若者が多いそうです。贅沢な話だなぁとも思いますが、生活環境の変化や金銭的な背景もあるかもしれません。
自動車を所有するって、自動車保険代、車検代、ガソリン代、毎月お金がかかるわけですから安易なことではありません。
少し前に「ゆとり世代」なんて言葉が流行りましたが、今の若者は「さとり世代」なのだとか。
「愛車はあれば便利だけどお金がかかる」と悟ってしまうのでしょうね。
そんな若者にこそ軽自動車をおすすめしたいものです!!!
ピクシスをおすすめするポイントとは?
トヨタ車は、国内問わず海外でも非常に人気があります。
それは「壊れにくくデザイン性も高い」という点です。トヨタの子会社であるダイハツ車においても同じ事が言えます。
そのため、トヨタ車、ダイハツ車ともにリセールバリューが高いのです。
購入した金額に対して売却金額も比較的高額、ということです。
売却金額が高いと次の車の追い金が少なく済んだり、メリットはたくさんあります。
また、売却を考えておらず、長期間乗り続けたい人にも、トヨタ車はおすすめです。
メンテナンスさえしっかりと手をかけてあげれば、軽自動車とは言え故障も少なく、走行距離だって10万キロも夢ではありません。
何といっても最近の軽自動車は古さを感じさせないスタイルの良さも人気の理由ではないでしょうか。
ピクシスのマイナスポイントとは?
車種自体には特にマイナスポイントはありませんが、このピクシス、とにかく認知度・知名度が低いんです(涙)。
それゆえに、中古車を探そうと思うと、かなり台数が少ないため妥協せざるを得ない点がたくさん。
ピクシス メガに至っては、全国に数台しか中古車がない!という希少っぷり。
まだまだトヨタの軽自動車を知ってもらう努力が必要ですね。
ちなみに、ピクシスシリーズはトヨタの販売店、トヨタ、トヨペット、トヨタカローラ、ネッツトヨタ全店で販売しています。
※地域によって取り扱い車種は異なりますので、事前に確認をお願いいたします。
ピクシスシリーズ、おすすめの年式は?
ピクシスシリーズ自体が割と最近発表されていますので、年式も新しいものばかり。
中古車として購入するのなら初年度のものでも十分なほどです。
それぞれの初年度登録年と、後期へのモデルチェンジ年を紹介いたします。
☑ピクシス エポック
エポックの初年度登録は平成24年。後期へのマイナーチェンジは翌年平成25年8月です。
☑ピクシス スペース
スペース初年度登録は平成23年。平成26年に後期へマイナーチェンジされています。
☑ピクシス メガ
メガの初年度登録は平成27年。まだ一部改良のみで、マイナーチェンジ、モデルチェンジはされていません。
☑ピクシス トラック
初年度登録平成23年。
平成26年にモデルチェンジされて2代目になりました。
顔面の印象もがらりと変わり、オプションなども充実しています。見た目にこだわりがなければ、前型平成25年式の最終モデルがおすすめです。
☑ピクシス バン
初年度登録はピクシストラック同様平成23年。
ダイハツ ハイゼットカーゴの一部改良に伴い、ピクシスバンも一部改良されているもののモデルチェンジには至っていません。
それぞれの中古相場
☑ピクシス エポック
全国最安値…平成24年式 5.0万キロ→50万円
平均中古車価格…75万円
75万円予算だと例えば平成25年式 2.0万キロのピクシス エポックが購入可能です。
☑ピクシス スペース
全国最安値…平成23年式 4.7万キロ→63万円
平均中古車価格…98万円
98万円予算だと例えば平成25年 3.3万キロのピクシス スペースが購入可能です。
☑ピクシス メガ
全国最安値…平成27年 0.9万キロ→120万円
平均中古車価格…140万円(中古車の台数が限りなく少ないので平均にするとこれくらいでした)
140万円予算だと例えば平成27年 3.0万キロのピクシス メガが購入可能です。
☑ピクシス トラック
全国最安値…平成26年式 5.8万キロ→58万円
平均中古車価格…69万円
69万円予算だと例えば平成26年 0.8万キロのピクシス トラックが購入可能です。
☑ピクシス バン
全国最安値…平成25年式 7.5万キロ→57万円
平均中古車価格…78万円
78万円予算だと例えば平成24年 5.2万キロのピクシス バンが購入可能です。
ざっくりと紹介しましたが、ピクシス トラック、ピクシス バンを検討する際に確認したいポイントは、パワーウィンドウが付いているかどうか、パワーステアリングかどうかです。
いまどきの自動車には当たり前についている装備でも意外にこの手の車種ではオプションだったりします。
パワーウィンドウを確認せずに単純に車体価格が安いからと飛びついてしまうとあとあと不便な目に遭ったりします。
なんせ窓を手動で開けなくてはなりませんからね。
助手席も同様です。
トヨタピクシスのまとめ
今回はトヨタの軽自動車 ピクシス シリーズについて紹介いたしました。
どの車種もまだトヨタから発売されて数年の新しいものばかりで、売れ行きも絶好調!とは言えないですが、ラインナップ自体はとても人気のあるモデルばかりです。
軽自動車と言えばダイハツやスズキ、ホンダがイメージされやすい中、トヨタは今後どのように軽自動車市場で戦っていくのか、楽しみですね。
もしピクシスシリーズが気になった方はお近くの中古車販売店へ足を運んでみてはいかがでしょうか?
(ライター:中古車査定士ryo)
コメント