※2018年6月6日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。
USB対応の電子デバイスの普及で、スマホやタブレット、アイコスなどの車内電源からの充電が必須になりました。
最近のカーナビやオーディオにも、スマホやiPhoneとBluetoothやUSBケーブルで接続して音楽や動画を再生する機能が搭載されていますし、車載カーナビを使わずにスマホやiPhoneのアプリで代用している人も多いと思います。
車の中でスマホやiPhoneを使わない人でも、普段からネットサーフィンをする事が多ければ、いざ車で外出しようと思った時に電池が少なくなっている事もあるでしょう。
また、アイコスについても1度の使用につき、1回の充電が必要な事から、車で外出する際には車内での充電が必須になって来ます。
そんな時に重宝するのがシガーソケットから電源を取るUSB充電器(シガーソケットUSB)ですが、なぜか充電が遅い、全く充電されないといったトラブルに見舞われた事はありませんか?
そのような場合にはいくつかの原因が考えられますので、原因と対策についてそれぞれ説明を行います。
全く充電できない場合と、充電出来るけど充電速度が遅い場合には原因が異なります。
先に全く充電出来ないケースから説明しますので、充電が遅いケースは読み飛ばしてこちらに進んで下さい。
シガーソケットから全く充電出来ない場合
シガーソケットから全く充電が出来ない時に考える事は、まずはシガーソケットのヒューズ切れです。(車両側のヒューズ)
ヒューズか切れていればシガーソケットに全く通電しなくなりますので、インジケーターなどが点灯するタイプであれば通電状況が一目で確認出来ます。
ただし、ヒューズ切れ以外にもUSB充電器そのものが故障している可能性もありますので、違う車のシガーソケットに挿してみましょう。
「そんなの分かっているけど、車が1台しかないよ」という人は、まずは自分の車のシガーソケットを綺麗に拭いて汚れを落としてみると改善する事があります。
シガーソケットの真ん中の部分が電流が流れてくる+極です。
+極の周りの円筒状の金具の部分が電気が戻って行く-極です。
両方を丁寧に軽く湿った雑巾などで拭き取りましょう。
電気が流れないように念の為、車のキーを抜いておきます。
こちらのUSB充電器の先端が+極に、横から出ている金具が円筒に接していなければ電気は流れません。
しっかり奥まで刺さっているか、USB充電器をグルグル回した時に横から出ている金具が円筒の金属部分に接しているか感覚で確かめて下さい。
USB充電器がソケットにしっかり接触していそうなら、USB充電器の故障かヒューズ切れでソケットに電流が流れていないかのどちらかでしょう。
ヒューズが切れていないか確かめる方法
ヒューズ切れの確認は比較的簡単です。
車の取扱説明書にヒューズボックスの位置が記載されていますので、ヒューズボックスの位置とシガーソケットのヒューズの位置を確認します。
この場合は13番がシガーライター/アクセサリーのソケットになっています。
ヒューズを引き抜き抜いて真ん中の線が切れていればヒューズ切れです。
車のヒューズには「平型」「ミニ平型」「低背」の3種類があり、各種類の中でも対応するアンペア数が異なりますので、同じ型の同じアンペア数の物を購入しましょう。
ヒューズが切れていない場合
ヒューズが切れていない場合でUSB充電器も壊れていない場合は、配線の断線が考えられますので、諦めてディーラ等に車を持ち込んで調べて貰いましょう。
シガーソケットからの充電が遅い場合
ケースとして最も多いと考えられるのが、充電される側のデバイスの必要電流量に対して、USB充電器の最大電流量の不足です。
シガーソケットを使用したUSB充電器は、商品ごとに最大電圧・電流が異なります。
スマホやiPhoneであれば1.0A以上、タブレットやアイコスは1.0~1.5A以上の電流が流れるようなら問題ないはずです。
ここが意外と厄介で、充電器側のUSB挿し込み口に1.2A、2.4Aなど、最大電流量が記載されていますが、実際にこの電流量が流れない製品もあります。
充電される側の蓄電量が100%に近くなるほど流れる電流は少なくなる傾向にありますので、MAXの電流は流れませんが、規格が古かったり粗悪品のUSB充電器だと0.5A程度の場合もあります。
アプリで充電流量を計測してみる
iPhoneやandroidスマホの場合には、無料アプリを使用して充電電流を計測する事が可能です。
こちらのアプリは、充電流量の表示はされませんが、充電していない状態での電流の増減と、充電状態での電流の増減の差し引きで充電流量を求める事が可能です。
充電していない状態では130mA(0.13A)の放電状態ですが…
充電している状態では782mAの充電状態となっています。
つまり、130mA+782mA=912mA、つまり0.912Aの電流が充電器からiPhone側に流れているという事になります。
android用にはこちらのアプリがおすすめです。
スマホ以外のデバイスの場合
充電対象のデバイスが、アイコスなど、iPhoneやandroid搭載の端末以外であれば、アプリでの計測が出来ませんので、電流チェッカーを使用します。
なお、この工程はやや面倒なので、明らかに充電が遅い場合には充電器を買い替えてしまっても良いかと思います。
中には電圧・電流チェッカー機能付きの充電器もありますので、むしろ車のシガーソケットの電圧や電流量を把握したいだけならその方がおすすめです。(この後紹介します)
しっかり原因を究明したい方は、このまま読み進めて下さい。
このようなチェッカーを使用する事で、USBポートからどれくらいの電流が流れているのかを計測する事が可能です。
この電流・電圧チェッカーは安くて良いと思って購入したのですが、20~30回程度使用したところであえなくお亡くなりになりました。
安いのは良い点ですが、いざ使おうと思った時に壊れているとかなり萎えますので、新しくて性能が良く壊れにくそうなものを選んだ方が良いかも知れませんね。
最近では急速充電規格であるQC3.0やUSB Type-Cポートにも対応した製品が販売されています。
さて、電流・電圧チェッカーで計測してみて、USB充電器の表示スペックを大幅に下回る数値しか出ないのであれば、充電器の故障かもともと劣悪な商品なのか、もしくは車のソケット側の出力不足が考えられます。
シガーソケットの電圧はおよそ12Vですが、ソケット部分の電圧自体が弱ければUSB充電器の不良ではなく、ソケット側に問題があります。ソケットの電圧は自分でも工具さえあれば簡単に調べる事が出来ます。
※エンジンを掛けた状態であれば14V以上は出るかと思います。
車のドアを開いた時にボディ側に接している金具や、グローブボックスの奥などにあるボルトをボディーアースとしてとる為に、検電テスターのピンチではさみます。
次に車のキーをACCに回してシガーソケットに電流を流し、検電器の先端で+極の突起に触れます。
電流が流れていれば、このように電圧の表示が出ます。因みにエンジンを掛けると若干電圧が上がります。
電圧が大幅に不足している場合は、バッテリーに問題があるのか、車の発電機に問題がある可能性があります。大事に至る前にディーラーで確認をした方が良いケースです。
特にエンジンオンの状態で13V以下の数値しか出ない場合には、発電機がヤバいのではないかと思いますので早急に対処した方が良さそうです。
車側に問題がないのであれば、USB充電器を買い換えた方が良いでしょう。
おすすめのシガーソケット用USB充電器
USB充電器を選ぶポイントは、スマホだけなら1スロットあたり1.2A以上、タブレットを想定するなら1スロットあたり2.0A以上、さらに各スロットの合計のアンペア数の最大値がいくつまで出るかも考慮する必要があります。
スマホ2台を充電するなら2.4A、スマホとタブレットを各1台ずつなら3.2A、タブレット2台であれば4.0A以上のものがおすすめです。
ただし、注意しておきたいのが表記スペックを大幅に下回る電流しか流れない製品もあるという事です。
また、耐久性や車両火災の不安なども考慮すると、あまり安いものを選ぶのも不安が残る部分です。
USB端子だけを搭載した充電器
今のところ、2ポートで計4.8Aの出力に対応している最も安定性が高そうなUSBシガーソケット用充電器は「Wicked Chili (ウィケッドチリ)」のデュアル USB充電器ではないかと思います。
なぜこの製品が安定性が高そうなのかというと、「Wicked Chili (ウィケッドチリ)」というのは、ドイツのメーカーですが、BMWやポルシェなどが純正パーツとして同社の製品を使用しているからです。
BMWやポルシェなどが純正パーツとして使用しているメーカーなら、そこいらの中華企画の物とは安定性や安心感が全く違うと思いませんか?
また、充電する各デバイスによって最適な充電のアンペア数が異なりますが、このUSBシガーソケットUSBは内蔵されたIDチップにより、各デバイスに対して最適な電流を供給する機能が搭載されています。
因みに同じく4.8A対応の中華製の安いUSBシガーソケットUSBも持っているのですが、手に取った感じでは「Wicked Chili (ウィケッドチリ)」の方はUSB端子の辺りに適度な重みがあり、しっかりした作りになっている印象です。
昼間なので分かりにくいのですが、USBの挿し込み口がLEDで光る仕様です。
■ 「Wicked Chili」のQC3.0、USB PD3.0対応 車載充電器発売
電圧と電流チェッカー付の充電器
REMAXのエイリアンは充電器本体に電圧と電流チェッカー機能が内蔵されており、車を運転中に常時電圧を測定できる便利な充電器です。
エイリアンというネーミング通り本体のデザインに特徴があり、クールなイメージです。(黒と白の2色あり)
肝心の性能と使い勝手の方ですが、この充電器はスマホの充電ケーブルなどを挿さずに何も充電していない状態では電圧を表示します。
【エンジンオフ ACCオン時】
【エンジンオン時】
因みに私の車はいつ上がってもおかしくない死に掛けのバッテリーで、ドライブレコーダーを複数搭載して11.6Vまで停止電圧を下げるという運用の仕方をしていますので、駐車監視明けにこの充電器で電圧を計測するとしっかり11.5~6Vの電圧を示していますので、計測精度はそこそこだと思います。
エイリアンは充電を開始すると電圧表示から電流表示に切り替わります。
MAXの電流量は3.4Aまでとなっている為、タブレット+スマホの急速充電が可能です。
今回試してみたのはiPhone6とASUSのWindowsタブレットの組み合わせで、iPhone6は家庭での急速充電では1.2~1.3A程度、Windowsタブレットの場合には0.9~1A前後となっています。
まずはiPhone6の1本挿しの場合には1.2Aと家庭での急速充電とほぼ同じ電流が流れています。
2本挿しにした場合には2.3Aとなっていますので、ほぼ家庭での急速充電と同じ電流が流れている事になります。
機能面を考えるとかなりコストパフォーマンスが高いと思います。
後はデザイン的な部分の好みもありますが、内装パネルが黒を基調にしていたり、カーボン調になっているような場合には結構合うのではないかと思います。(白も発売されています)
その他メーカー別のおすすめシガーソケットUSBは以下のページを参照して下さい。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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