車検において「サイドスリップ検査」という言葉を耳にしたことはありませんか?
タイヤの向きに関わる検査で、しっかり準備をしていないと不合格になることもあります。
この記事では、サイドスリップ検査の基本知識や合格のためのコツ、費用目安まで詳しく解説します。
サイドスリップとは?
サイドスリップとは、車が直進しているときにタイヤが微妙に横滑りしてしまう現象を指します。
一見タイヤはまっすぐ向いているように思えますが、実際には「トー」と呼ばれる角度が付いており、ハの字(トーイン)や逆ハの字(トーアウト)で微調整されています。
この微調整によりタイヤの偏摩耗を防ぎ、寿命を延ばす役割もあります。
サイドスリップは、こうした角度(トー)を適正に保っているかを調べる重要な検査なのです。
保安基準でのサイドスリップ規定
道路運送車両法・保安基準の第91条によると、以下のように定められています。
- 国産車:サイドスリップ量が走行1mあたり±5mm以内
- 輸入車:メーカー指定の範囲であれば±5mmを超えても許容される
この数値は、前輪のサイドスリップ量に対する基準です。後輪については特に規定されていません。
サイドスリップ検査の方法
検査ラインには鉄板状の「サイドスリップテスター」が埋め込まれています。検査では、その上をまっすぐ走行し、タイヤの横滑り量が基準内かを計測します。
サイドスリップ検査に合格するためのポイント
以下のポイントを押さえることで、サイドスリップ検査の合格率がアップします。
- ハンドルを切らずにテスター上をまっすぐ通過する
- 斜め進入はNG。前輪の進入線だけを意識する(後輪まで気にしなくてOK)
- タイヤの空気圧を適正にする(低いと横滑り量が増える)
もしハンドルのセンターがずれている場合は、検査前にどちらにどれくらいズレているかを申告しておくと良いでしょう。
サイドスリップ調整の費用目安
サイドスリップの調整料金は以下が目安です。
- 調整作業:2000~3000円程度
- 測定のみ:500~1000円程度
テスター屋さんに調整を依頼する場合は、空気圧を適正値(または少し多め)にして持ち込むのがおすすめです。
サイドスリップは合格・不合格がはっきり分かれる検査項目です。事前にしっかり準備し、安全・快適なカーライフを守りましょう。
(ライター:自動車整備士 SkyLight)
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