LaBoon!!企画でikeepブランドのドラレコ「iReco」開発計画について

こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

LaBoon!!では従前からカーアクセサリー関係の情報メディアとして、私が気になる製品を中心に実機レビューを行って来ましたが、ここ3~4年は自分が使いたいけれども世の中にはないガジェットの製品企画・開発・販売を行っています。

LaBoon!!のコンテンツの中で最も充実したカテゴリーはドライブレコーダーで、私も過去に数え切れないほどの数の製品をレビューして来ました。

2025年時点ではドラレコ市場も充分に成熟し、あらゆる製品が市場に出回っていますので、ユーザーの大抵のニーズはそれらの製品で満たす事は可能でしょう。

しかしながら、まだ私が考え得る理想的な機能構成のドラレコは存在していないのも事実です。

このような理由から、現在ikeepブランドで私の企画のドラレコ「iReco」を展開する計画が進行中です。

現在のドラレコ市場の製品販売までの流れ

こちらは守秘義務が発生するデリケートな部分も含む情報ですが、日本で販売されているドラレコは大部分が以下のような生産背景で企画・開発・生産・販売が行われています。

ドラレコの企画の流れ

現状日本で販売されているドラレコは、大手メーカーであれば企画の部分は自社で行っているケースが多い様です。

一方で中小の日本メーカーの場合には、中国の開発会社が販売している製品をソフトウェアだけ改変し、自社ブランドで売るケース、ハードウェアを一部改変して自社ブランドで売るケースも見受けられます。

ドラレコの開発の流れ

ドラレコの開発の部分は最もデリケートな情報になりますが、開発の部分を日本人エンジニアが日本国内で行うパターンはほとんどないように思われます。

私が持っている情報は、古い物・新しい物がありますが、日本向けの製品ではかつては台湾の開発会社や韓国の開発会社が多く使われていました。(海外のエンジニアが派遣されると言うパターンもあったよう)

現在では日本人エンジニアが日本国内で行うパターンもあるかも知れませんが、主流は海外の開発メーカーを使用するパターンであると感じています。

企画から海外委託の製品の場合、開発も海外です。

なお、開発会社が台湾系・中国系・韓国系のいずれであるかでベースの仕様が大きく異なり、多くの場合、台湾系・中国系は車両の12Vの電圧を5Vに降圧して駆動させ、韓国系の製品では12Vの電圧をそのままドラレコの駆動電圧としています。

2013年以前の古い時代から日本でドラレコを展開しているメーカーは、韓国系の12V機が多く、以降は台湾系・中国系も増えてはいますが、性能面では中国系→台湾系→韓国系品質面では韓国系→台湾系→中国系と言うのが私が肌で感じている特徴です。

韓国の開発会社を使う場合、マージンを充分に取る設計になり易く、生産までの原価が上がります。

また、韓国内ではそれほどハイエンドな製品が求められない為、韓国系の設計で中国系に匹敵するハイエンドな製品が出てきにくいと言う背景があります。

ドラレコの生産の流れ

ドラレコの開発は海外委託が多いと説明していますが、生産に関しては開発会社から生産工場に委託をするケース、または海外で基板やレンズを生産して、国内で最終組み立てを行うケースなどがあります。

日本の大手メーカーでも、モデルによって生産経路を分けているメーカーも多いです。

LaBoon!!で企画するドライブレコーダー生産背景

今回、LaBoon!!企画するドライブレコーダー「iRECO」は、企画は私が担当し、開発は韓国の開発メーカーが行います。

この開発メーカーは、以前韓国の大手のドラレコブランドを立ち上げた創業者がその会社をバイアウトし、新たに立ち上げたメーカーとなりますが、エンジニアの方々は日本向けのOEMの開発経験が豊富で、日本メーカーへの出向でドラレコの開発に携わった方も含まれます。

生産に関しては、この開発メーカーが常用している韓国内の工場で行いますが、こちらの工場では様々なブランドの製品を生産していますが、その中には皆さんがよくご存じであろう日本の大手メーカーの製品も含まれます。

このように元々高品質のドラレコを生産する背景を使っていますので、品質は安定するものと考えており、3年保証で展開する計画です。

LaBoon!!で企画するドライブレコーダーの製品仕様

今回、LaBoon!!企画するドライブレコーダー「iRECO」は、現在国内で販売されているドラレコでは達成出来ない目的を達成する為に開発しています。

その目的とは以下の通りです。

・当て逃げの際のナンバー認識精度は必要充分なものを確保しつつ、ドアパンチにも備える
・バッテリーへの負荷を最小限に抑えつつ、極めて長時間、安定した駐車監視を継続する

これら二つの目的を達成する為に、「iRECO」では以下のハードウェア構成としています。

・フロントカメラは、現行ではドラレコ用センサーとして最も高性能と考えられるSONYの4K STARVIS 2に対応する「IMX678」を採用した半天球の360°カメラ
・インナーカメラは、SONYのSTARVISに対応するフルハイビジョンの「IMX291」を採用したセパレート型の半天球の360°カメラ
・リアカメラは、SONYのSTARVIS 2に対応するフルハイビジョンの「IMX672」にスタンダード視野角のレンズ
・駐車監視中の省電力性を確保する為に、電源を制御する複数モジュールを内蔵した前方、側方用のレーダーユニットを採用(OP)
・レーダーモジュールで駐車監視中の電源を管理する事を前提とした高速起動対応のハードウェア構成
・見易く操作性に優れた3.5型タッチパネルディスプレイを採用

カメラの配置の不自由さを解決

インナーカメラをセパレート型にこだわった理由は、ルームミラー裏にフロントカメラ筐体を隠しつつ、インナーカメラを任意の位置に配置する為です。

従来の3CHモデルは、コスト重視の為にフロントカメラ筐体の前後にレンズを搭載したものがほとんどですが、このような製品はルームミラー裏に隠してしまうと、以下事例のようにインナ―カメラのレンズがミラーに遮られてしまいます。

 

■「CS-364FH」の実機レビューと評価 セルスターの2025年向け360°ドラレコ最終的にはこの位置に設置したのですが、前後2カメラの360°モデルは取り付け場所に迷います。

運転席側だと邪魔ですし、助手席側はワイパーの拭き取り範囲から外れます。

以下、先代の「CS-361FHT」を運転席側に設置し他事例ですが、運転の邪魔です。

レンズが左側に付いていますので、この位置が指定席かと思いますが車種によっては考え物ですね。

駐車監視の熱暴走の問題を解決

現状では駐車監視特化型のドラレコとしてはVANTRUEの「N5」などが挙げられますが、この製品の場合には駐車監視中の証拠能力は高いものの、夏場の熱に弱く高温になると熱暴走を防止する為のシャットダウン報告が事があります。

この廃熱の問題を確保する為にも、レーダーモジュールによる駐車監視中の電源管理は有効です。

更にVANTRUEのドラレコは基本保証期間が1年、ユーザー登録で1.5年までの延長が可能ですが、常時ドラレコを通電させる駐車監視は、ドラレコには最も負担が掛かる運用方法と言えますので、駐車監視を常用する場合には、3年の保証期間があると安心です。

長時間の駐車監視によるドラレコへの負荷について
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。最近は日本メーカーのスタンダードグレード以上のドラレコの保証期間は、3年に足並みが揃いつつあります。これはユーザーにとっては喜ばしい事ですが、新たに保証期間を延長するメーカー側にとっては大...

コメント

  1. 水野康彦 より:

    ミラー型ドラレコを使い始めたら、今までの小さい画面のドラレコは使いづらいと思うようになりました(フロントガラスに本体がぶら下がるのは邪魔でもありますし、最近の車はADAS用の機器も付いてるので、取り付け場所も考えないといけませんしね)。
    実際、運転中にルームミラーを「じっくり」見ることはほぼないので、60fps無くても良いですし、撮影範囲が広いので後方確認が楽です。

    実際に使用しているNEO TOKYO社の「ミラーカム2」が私の一番理想に近いですかね。
    細かい部分(MicroSDを抜き挿しするのに本体をミラーから外さないとダメとか、配線を隠すために本体上下サイズが大きいとか)をブラッシュアップすればパーフェクトに近いのでは?とも思います(画質向上はキリが無いですしねw)。

    コストを掛けられれば良い物が出来るとは思いますが、じゃあ、いくらまで払う?と聞かれると、40000円前後かなぁ、と。
    それに「iCELL」を付けないといけないですしねw

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      4万円の売価では理想の製品は作れませんので難しいですね(-_-;)中途半端なものを作るつもりもないですし。
      超特化モデルとして、保証期間や付加機能で総合的にご判断頂ける方にアプローチするしかないと思っています。
      既にプロジェクトの大枠は決まっており、私も腹をくくって相当額の投資をします。

      コストを抑えて大手メーカーと被る製品を展開する事に意義は感じられませんので、失敗しても自分の納得のいく選択をします。

  2. A139P_User より:

    23年からVIOFO A139 Pro 3ch 使っています。
    画質にはまあまあ満足です。
    でも視野角はユピテルY-3200いいなあなどと思ったり。
    iRECOは4K x2, FHD x1 3カメラでいいですね!
    ライバルは 70mai T800, iRECOも期待しています
    https://4kt800.70mai.com/

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      ありがとうございます。
      因みに4Kはフロントのみで、インナーはフルHDです。
      スペックと熱処理のバランスを考えて、本当に重要なフロントのみ4Kとしました。

      画質のチェックはまだこれからですが、開発会社のチューニング技術は非常に高いと感じていますので、私も期待しています。
      中国系のモデルは熱処理苦手ですが、この会社のデバッグは気温が高い中東で実施しているそうです。

      • A139P_User より:

        どうもありがとうございます
        4K x1, FHD x2 でしたね

        VIOFO A329S 3chが 470ドル、68000円相当、
        iRECOはそうすると7,8万くらいでしょうか?
        開発大変かと思いますが画質、機能も期待しています。
        楽しみに製品化お待ちしています。

        • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

          iRecoは一部のディーラーや中古車ディーラーでも販売される予定なので、そのような実店舗ではその程度の価格帯になると思いますが、WEB販売についてはLaBoon!!で大幅割引クーポンを発行して調整する予定です。
          今後、レーダーの感度等も含めて調整を行いますが、最も重視している構想としては外部バッテリーなしでも補器バッテリーに大きな負担を掛けない事です。
          ただ、感度が高過ぎると録画時間帯が増えますし、低すぎると重要なシーンで録画がされないケースも出てくると思いますので、なかなか難しいですね。

  3. タキ より:

    iRecoにとても期待しています!
    発売日はいつ頃を予定されていますか?
    もちろん発売日よりも納得のいくモノ作りを優先して頂きたいですが…

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      ありがとうございます。
      予定は10月頃になっています。

  4. meitantei より:

    これは面白そうですね。インナーカメラがフロントと一体だと設置場所が限られて良い位置に付けられません。目の付け所がGood!!

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      一体型だと設置場所に苦慮するんですよね

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