アジアンスタッドレスを2014年の秋から2015年の秋まで、11ヶ月履き続けてみた感想などをまとめています。
この記事はもともと2014年の12月に書かれたものですが、当時の私は東京都青梅市に単身赴任しており、週に2回も埼玉と青梅を行き来していた関係で万が一の雪に備えてスタッドレスを購入しました。
異常気象が続いているからこそ、保険の為にアジアンスタッドレス
2014年の冬は異常気象となり、関東でも各地で大雪が降りました。
私が住んでいた埼玉でも数十センチの積雪を記録しましたが、幸いにも仕事が休みだった為に車に乗らずに済んだのですが、今年は仕事の絡みで週に2回埼玉から東京都下の山間部ギリギリのところまで往復しなければならない為、雪が降るかどうかは分かりませんが、大事を取ってスタッドレスタイヤを購入する事にしました。
国産スタッドレスは価格が高すぎる
とは言ってもランエボⅩはノーマルでも18インチの245/40です。
タイヤの性能を求めればブリヂストンのブリザックが良いに決まっているのは分かるのですが、これを4本となると15万円くらい掛かってしまいます。
年に1~2回しか雪が積もるかもしれないという条件に対してこれは高すぎます。
そこで格安のアジアンスタッドレスを購入する事にしました。
もちろん、条件面さえ合えば性能はアジアンスタッドレスでも問題ありません。
色々調べた末にNEXENのWINGUARDを購入しましたが、結局のところ一度しか雪が積もりませんでしたのでスノーグリップの評価はほとんど出来ずじまいですが、その他の評価ポイントである、ドライグリップ・ウエットグリップ、静粛性、乗り心地、燃費などについては一定の評価が出来ます。
NEXEN WINGUARDの評価(比較対象は純正ADVAN A13C) | |
---|---|
ドライグリップ | ワインディングを流す程度では問題なしだが、滑り出しは早い |
ウェットグリップ | 高速道路で百○○キロで走行しても問題なし |
スノーグリップ | 1度しか試せませんでしたが、下の項目を見て頂ければ大体察しはつくかと |
静粛性 | やや騒音が大きい程度 |
乗り心地 | ややゴツゴツ感あり |
燃費 | 変わらず |
耐摩耗性 | かなり良い |
2015年の春はなかなか忙しかったのと、秋以降には会社を辞める目途が立った事で、2015年の冬はスタッドレスは不要となる事が分かりました。
従ってサマータイヤへの履き替えをせず、12月~11月の約11ヵ月の使用期間となっています。
11ヵ月の走行距離は1.1万キロで、溝の残りは7.6mmですので、新品時の10mmから2.4mm減った事になります。
因みに半分以上は高速道路走行でしたが、1,000キロで0.2mmの摩耗といったところですね。
一般的にはスタッドレスの溝は残り5mmが寿命と言われていますので、2.5万キロが寿命といったところでしょう。
純正のADVAN A13Cは2万キロ持ちませんので、それに比べればまだ全然持ちは良いです。
アジアンスタッドレスは持って3シーズンなので、12~3月の4ヵ月間で8,000キロ走行すれば3シーズン目の終わりにちょうど寿命が来ます。
そんなに走る人はいないと思いますし、走行距離が多めの人でもせいぜい4ヶ月で4,000キロ位でしょうから、耐摩耗性は考えても仕方がない部分だとは思いますが、2シーズン使用して履き潰すという選択肢を考えれば耐摩耗性はあった方が良いですね。
まあ、純正のADVAN A13の減りが早すぎるので、スタッドレスタイヤを購入してもあまり損はしていない感じだと思います。
NEXENのWINGUARDについての詳しい評価はこちらを参照して下さい。
国産とアジアンスタッドレスタイヤの氷上制動距離の比較
国産スタッドレスとアジアンスタッドレスの性能を比較する面白い動画がありますので、まずはこちらの見て下さい。
【2013スタッドレスタイヤ性能比較テスト 氷上編 by 太平タイヤセンター】
この実験動画の内容をまとめると、以下の通りとなります。
☑実験車:ヴィッツ
☑実験方法:氷上で時速40kmからのフルブレーキングでの制動距離を計測
経年劣化によるスタッドレスタイヤの制動力の低下
経過年数 | 新品 | 3年 | 5年 | 7年 | 10年 |
---|---|---|---|---|---|
国産 | 10分山 | 8分山 | |||
22.7m | 24.2m | 25.5m | 27.3m | 29.7m | |
アジアン | 10分山 | 8分山 | |||
28.6m | 37.7m | - | - | - |
磨耗度によるスタッドレスタイヤの制動力の低下
消耗度 | 新品 | 8分山 | 5分山 | 3分山 | サマータイヤ |
---|---|---|---|---|---|
国産 | 0年 | 5年 | |||
22.7 | 27.6 | 30.6 | 32.7 | 55.7 |
この実験結果を見ると、同じ条件の国産スタッドレスタイヤでも1回ごとの結果にバラツキが出ています。
5年8分山の1度目と2度目の実験結果に2mの誤差が出ていますが、アジアンスタッドレスタイヤの新品は、国産スタッドレスタイヤの5年~7年の8分山に相当するようです。
国産スタッドレスタイヤの寿命は、8分山までしか使わないなら10年程度で、3分山まで使うなら5年程度と言ったところでしょうか。
バランスが素晴らしい国産スタッドレスタイヤ
この実験結果に対して、私が独自に山の減り方とゴムの経年劣化による制動距離の伸びを掛け合わせてみたのが下の表です。
※あくまでも参考程度の予測値です。
国産 | 新品 | 3年 | 5年 | 7年 | 10年 |
---|---|---|---|---|---|
新品 | 22.7 | - | - | - | - |
8分山 | - | 24.2 | 25.5 | 27.3 | 29.7 |
5分山 | - | 29.0 | 30.6 | 32.8 | 35.6 |
3分山 | - | 31.0 | 32.7 | 35.0 | 38.1 |
この表を見ると国産スタッドレスタイヤの性能のバランスが非常に良く取れていることが分かります。
制動距離35m程度までを許容範囲とするならば、7年3分山、10年5分山まで引っ張る事が出来ます。
あまり雪が降っていない状態でドライ走行が多くても、距離を走らなければ10年程度まで使用出来そうです。
スノー走行ではタイヤの溝は減りませんので、雪国の人はもちろん、雪があまり降らない地域で車に乗る機会が少ない人向けですね。
アジアンスタッドレスは、ドライ走行が多く、かつ距離を走る人向け
逆にアジアンスタッドレスタイヤの場合は、3年経過すると既に8分山でも35mを超えてしまいますので、使用できるのは2年目までと考えた方が無難です。
月に1,000km程度走行する場合、1シーズン目の4ヶ月で4,000キロ、2シーズン目の4ヵ月で4,000キロの走行距離となります。
大体これで8分山になりますので、3シーズン目は使用せずに2シーズン目が終わったらそのまま履き潰すのが良い感じだと思います。
アジアンスタッドレスタイヤは雪があまり降らない地域でそこそこ距離を走る人向けと言えるでしょう。
雪があまり降らない地域で、年間の走行距離が1万キロを超えるならば、アジアンスタッドレスタイヤが良いと思います。
アジアンスタッドレスの中でも中国メーカーはまだ怖い
2年程度の使用ならばアジアンスタッドレスでも問題はありませんが、サマータイヤでも評判が悪い中国メーカーは避けた方が良いでしょう。
比較的価格と性能のバランスが良いと言われているのが台湾メーカーNANKANGや韓国メーカーNEXENです。
サマータイヤでも一定の評価があるNANKANGとNEXENですが、台湾は雪が降らない国というのが気になりますね(笑)
従って個人的にアジアンスタッドレスのおすすめNo.1はNEXEN 「WINGUARD SPORT」になります。
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