車検前にタイヤを交換するべき?判断基準と保安基準のポイント

車検を控えたとき、タイヤの状態が気になる方も多いのではないでしょうか?

タイヤの溝が少ない、ヒビが目立つなど、車検に通らない可能性がある場合は、事前に交換しておくのが無難です。

ここでは、タイヤに関わる保安基準や交換のタイミングについて詳しく解説します。

保安基準におけるタイヤの規定

道路運送車両法の第167条では、タイヤを含む走行装置の安全性が明記されています。タイヤに関しては、次の条件を満たさなければ車検に通りません。

  • タイヤ溝の深さが1.6mm以上(二輪車は0.8mm以上)
  • 亀裂やコード層(ワイヤー)の露出がない
  • 空気圧が適正
  • 車の重量に合った負荷能力がある

溝の深さは、ウエア・インジケータ(スリップサイン)でも確認可能です。

タイヤの交換判断基準

タイヤは「溝があればOK」ではありません。

ヒビが多いタイヤは、走行中にバーストするリスクが高まるため、溝があっても車検では不適合となります。

特にサイドウォール(側面)やトレッド面(接地面)にヒビが多い場合は注意が必要です。

また、貨物車や軽トラの場合、JWL-Tなどの強度表示が義務付けられています。

アルミホイールも含めて、表示や損傷の有無を確認しておきましょう。

溝が少ないタイヤのリスク

溝が1.6mm未満のタイヤは、雨天時にハイドロプレーニングを起こしやすくなります。

これにより、ハンドル操作が効かずに重大事故を招く危険性があります。さらに、事故を起こした場合、溝がないことが過失として扱われる可能性もあるのです。

スタッドレスタイヤの場合は、雪道で使う場合の限界が4~5mm程度とされています。雪道以外で使うなら1.6mm以上あればOKですが、雪道では注意が必要です。

ワイヤーが出てしまったタイヤの危険性

タイヤの摩耗が進みすぎると、ワイヤー(コード層)が露出することがあります。

この状態は非常に危険で、すぐに交換しなければなりません。グリップ力が大幅に低下し、いつバーストしてもおかしくない状態です。

ヒビ割れのあるタイヤ

ヒビ割れがあるタイヤは、走行中に破裂するリスクがあります。車重を支えられずにバーストする危険性が高まるため、早めの交換が必要です。

車検で不適合と言われた場合の流れ

車検時にタイヤが不適合と判断されると、その場で交換を依頼できるケースは少ないです。

通常、在庫がないため、タイヤの取り寄せに2~3日程度かかります。

その間、車を預けるか、一度返却して再度車検に持ち込む必要が出てきます。

そのため、車検前にタイヤ交換が必要とわかっているなら、先に交換しておくとスムーズです。

バランス調整は必要?

新品タイヤをホイールに組み込む際は、通常バランス調整が行われます。

走行によってバランスウエイトが外れた場合は再調整が必要です。

バランス調整のみなら1本500~1000円程度で行えます。

振動などがなければ必ずしも再調整は必要ありませんが、長距離を走る方は一度確認してみると良いでしょう。

タイヤは車の安全性に直結する重要な部品です。車検前にしっかり確認し、必要があれば早めに交換しておくことをおすすめします。

(ライター:自動車整備士 SkyLight)

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