国道140号(彩甲斐街道)は埼玉県熊谷市から山梨県南巨摩郡富士川町に抜ける、全長150kmの一般国道です。
1998年までは山梨・埼玉の間に不通区間があったものの、現在では有料の雁坂(かりさか)トンネルの開通に伴い、両県の通行が可能となっています。(秩父から山梨市中心部までは1時間半程度)
私は埼玉県久喜市在住なのですが、最近は埼玉県西部の群馬・長野・山梨に抜ける一般道に日帰り、または1泊2日のドライブに出かける機会が増えています。
■ 国道299号線の十石峠を長野側から秩父方面へドライブ~所要時間は約35分
この界隈でドライブコースと言えば、群馬県から長野県八ヶ岳方面に抜けるメルヘン街道が有名ですが、あまりメジャーではないものの、国道140号を使って山梨市に抜けるルートも道路の整備状況が良好でなかなか走りやすく、春~秋にかけては四季折々の変化を感じられる関東近県のドライブの穴場ではないかと体感しました。
私が走ったのは日曜日の午後でしたが、両車線ともに交通量は非常に少なく、何か勿体ない気がしましたので、今回は国道140号と山梨市の観光スポットなどについて紹介します。
※私が走ったのはあいにくの丸一日雨の日だったので自分で撮った写真がほとんどないのですが、今後天気の良い日にリトライして追加予定です。
約一年後にリトライしました(笑)ちょっと曇り気味ですし、紅葉を見るには少し早過ぎたかも知れませんが景色は綺麗に撮れました。
東京・埼玉方面からは秩父を抜けて国道140号(彩甲斐街道)に入る
山梨市自体は中央道を使えば東京都心部から2時間弱で到着出来てしまう距離なのですが、そのルートはドライブコースとしては変化に乏しく面白みに欠けるので、埼玉県西部の秩父方面から国道140号に入るのがおすすめです。
都内からであれば圏央道入間IC、もしくは狭山ICから、国道299号を通って秩父方面に向かいます。(都心部から2時間ちょい)
秩父駅前で国道140号と交差しますので、そこから山梨方面に向かいます。
秩父は都心から日帰りや一泊で行ける観光地として人気がありますので、1泊2日の行程で秩父観光と絡めても良いかも知れません。
秩父駅前から山梨方面に向かう途中に関東最強のパワースポットとして人気のある「三峰神社」がありますので、時間に余裕がある方は立ち寄ってみては如何でしょう?
また、周辺には秩父湖・滝沢ダムや、武田信玄が設置したと伝えられる「栃本関所跡」などもありますので、がっつり観光するのであれば、この辺りも是非訪れておきたいところです。
【栃本関所跡】
雁坂(かりさか)トンネルを抜けて「道の駅みとみ」へ
国道140号(彩甲斐街道)は1998年までこのエリアが不通になっていた為、「開かずの国道」とも呼ばれていたのですが、現在では雁坂トンネルの開通によって非常に整備状況も良く、その割には交通量が少ない為に走りやすいルートとなっています。
雁坂トンネルは管理が山梨県道路公社となっている為、ETCやクレジットカードの使用は不可、現金・回数券のみの取り扱いとなり、通行料金は普通車730円、軽自動車は580円です。
開通から20年近く経っているのですが、通行量が少ない為か道路の整備状況は良く、かなり綺麗です。
雁坂(かりさか)トンネルを抜けると、すぐに「道の駅みとみ」が見えてきます。
【道の駅みとみ】
この界隈は往復30分のハイキングコースとして人気がある「西沢渓谷」への拠点となっている事もあり、駐車場や市営温泉、キャンプ場などの施設が点在しています。
なお、市営温泉は以下のページを印刷、もしくはスマホなどで印刷する事で入湯料の割引を受ける事が出来ます。
「西沢渓谷」へは東京から日帰りドライブだと時間的に厳しいかも知れませんが、春から秋の紅葉シーズンにかけてはハイカーには大変人気のあるスポットとなっています。
【山梨観光協会】
時間に余裕があるならば、この周辺に一泊して「西沢渓谷」周遊にもチャレンジしてみたいものですね。
四季折々の美しさが堪能できる広瀬ダム
「道の駅みとみ」から2kmほど山梨市街に向かって走ると、「広瀬ダム」の駐車場が見えてきます。
「広瀬ダム」は富士川水系笛吹川のダムですが、春の桜・夏の緑・秋の紅葉・冬の凍結など、四季折々の自然の美しさを体感できる場所です。
紅葉については11月上旬がみごろのようですね。
ダム施設内には公園も併設されていますので、紅葉や桜の季節に散策してみては如何でしょうか?
東京からの日帰りドライブであれば、ここまでで4時間近くかかると思いますので、この「広瀬ダム」が終着点になろうかと思います。
1泊2日の行程で考えるなら、国道140号を更に下って次の2つのコースがおすすめです。
「大弛峠(おおだるみとうげ」~日本最高標高の車道峠
私自身、まだ未トライなのですが是非一度走ってみたいと思っているのが、車で超えられる最高標高の峠道である「大弛峠」です。
似たような名前の峠に、八王子と相模原の間にある「大垂水峠」がありますが、こちらは正しくは「おおたるみ」と読むそうです。(最近までおおだるみと思っていた)
「道の駅みとみ」から20kmほど山梨市街方面に向かうと県道219号線と交差しますが、ここが「大弛峠」への入り口になります。
山梨観光協会ではおすすめのサイクリングコースとして紹介されていますが、車で走ってもなかなか楽しそうなコースです。
なお、この「大弛峠」は長野県側に抜ける事も出来ますが、山梨県側は県の管理で全舗装であるのに対して、長野県側は川上村が管理している為、未舗装のダートとなっていますので、峠を上がったところにある駐車場で折り返した方が良いでしょう。
なお、12月~6月までの期間は冬季閉鎖で「大弛峠」までは上がれないそうですので注意が必要です。
「フルーツライン周回」~富士山を展望できる果樹園の中を走り抜ける
山梨県のフルーツラインは、山梨市・甲州市・笛吹市の甲府盆地の北斜面の果樹園地帯を抜ける広域農道を走るコースです。
国道140号線を起点と考えるなら道の駅「花かげの郷まきおか」を目印として、フルーツラインの標識に従って右折すると周回コースに入れます。
こちらのコースは桃やすももの花が満開になる4月上旬~中旬が見どころ満載のコースです。
国道140号(彩甲斐街道)周辺のお食事処
東京を朝8時ごろ出発すると、途中の寄り道状況にもよりますが「道の駅みとみ」には11時~13時頃に到着するかと思います。
昼食については山梨県で最もメジャーな郷土料理である「ほうとう(餺飥)」がおすすめです。
もちろん「道の駅みとみ」でも「ほうとう」は食べられますが、出来れば「ほうとう」の専門店で本物の味を楽しみたいところですよね。
そんな人には「道の駅みとみ」から10~15kmほど山梨市街方面に向かった国道140号線沿いにあるほうとう屋さんがおすすめです。
「民芸茶屋 清水」では、みとみエリアの名産であるイノブタ料理を中心としたメニューで、いのぶたほうとうが人気のメニューとなっているそうです。
【山梨観光協会】
一方で「富士見茶屋いろり」では、その名前の通り晴れた日には富士山が展望でき、武田勝頼公着用の甲冑のほか、刀剣・鉄砲・掛け軸などの古美術品などの展示品を観覧する事も可能ですので、文化財好きの人のおすすめです。
国道140号(彩甲斐街道)周辺の温泉
国道140号線周辺には、先に紹介した市営温泉以外にもたくさんの日帰り、宿泊温泉施設があります。
このうち、川浦温泉山県館については貸切露天風呂や露天風呂付客室などもありますのでカップルや家族連れでの宿泊にもおすすめです。
なお、みとみエリアから更に足をのばせば、石和温泉などの宿泊施設も視野に入りますが、わずか人口3万5千人で最近観光に力を入れている山梨市にお金を落としていって頂けると山梨市の皆さんが喜びます…多分(笑)。
国道140号(彩甲斐街道)ドライブのまとめ
埼玉県側の秩父に関しては西武鉄道やテレビなどのメディアの押しもあってかなり観光客が増えているようなのですが、そこから少し先の山梨市になると首都圏での知名度がぐっと下がります。
私もこのエリアを走ったのは初めてで、埼玉に住んでいながら旅行は栃木・群馬・長野、山梨県では石和温泉・富士吉田周辺などが中心でした。
今回たまたま山中湖方面から国道140号線を通って埼玉方面に帰ってみたところ、ここはもう一度晴れた日に走りたい、落ち着いて散策してみたいと感じたので改めて調査を行い紹介させて頂きました。
時間が許せば11月に紅葉を見にもう一度訪れたいと考えていますし、春・夏の景色の変化も感じてみたいと思います。(冬は雪と凍結で危険そうなので遠慮しておきます)
ドライブやツーリング、ハイキングが好きな方は意外となじみの深いルートなのかも知れませんが、一般的な認知度はまだまだ低いのではないでしょうか?
興味を持った方は、是非11月に紅葉を見に国道140号(彩甲斐街道)を走ってみて下さい。
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