車のドレスアップとしてタイヤをインチアップする人が多いですが、インチアップやインチダウンで車検に通らなくなる事はあるのでしょうか?
インチアップ・インチダウンのメリット・デメリット
インチダウンのメリット
- タイヤ+ホイールの重量が軽くなるため燃費が良くなる
- タイヤの値段が安くなる
インチアップのデメリット
- 乗り心地が悪化するがハンドリングは良くなる
- ロードノイズが増える
インチダウンの注意点
ブレーキキャリパーとホイールが干渉しないか確認が必要です。
ホイールが小さくなることでキャリパーとホイールが干渉してしまう場合があります。
ホイールのオフセットとリム幅
ホイールのオフセットを変えてタイヤを外側に出すだけであれば外側が当たらないかだけを気にすれば良いですが、リム幅を広げようとする場合は内側も干渉しないか十分に確認が必要です。
直進では干渉しなくてもハンドルを切ると干渉する場合もよくあります。
また、リム幅を広げて太いタイヤを取り付けた場合は燃費や加速が悪くなります。
引っ張りタイヤはグリップ力が低下し、偏摩耗します。
まず手始めに何をしたら良いのか?
現在のタイヤサイズからどのサイズのタイヤにできるのかを計算します。
タイヤの偏平率だけ変えるのか、合わせて太さを変えるのかなどいろいろ検討できます。
もしわからなければオフセットやリム幅は変更しないことをおすすめします。
その際にスピードメーターの誤差のことも頭に入れておいてください。
タイヤサイズを計算できるサイトなどもありますので活用しましょう。
スピードメーターは、標準のタイヤサイズを元に設計されています。
タイヤの外径があまりに違いすぎるものはスピードメーターの検査で不適合になります。
スピードメーター(速度計)の保安基準
第226条 速度計の取付位置、精度等に関し、保安基準第46条1項の告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする
~中略~
二 速度計の指度は、平坦な舗装路面での走行時において、著しい誤差のないものであること。この場合において、次にかかげるものはこの基準に適合しないものとする。
イ 平成18年12月31日までに制作された自動車にあっては、自動車の速度計が40km/h(最高速度が40km/h未満の自動車にあっては、その最高速度)を指示した時の運転者の合図によって速度計試験機を用いて計測した速度が次に掲げる基準に適合しないもの。
(1)二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車並びにカタピラ及びそりを有する軽自動車以外の自動車にあっては、計測した速度が次式に適合するものであること。10(V1-6)/11≦V2≦(100/90)V1
この場合において、
V1は、自動車に備える速度計の指示速度(単位km/h)
V2は、速度計試験機を用いて計測した速度(単位km/h)
~中略~
ロ 平成19年1月1日以降に制作された自動車にあっては、イの規定にかかわらず、自動車の速度計が40km/h(最高速度が40km/h未満の自動車にあってはその最高速度)を指示した時の運転者の合図によって速度計試験機を用いて計測した速度が次の基準に適合しないもの。
(1) 二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車並びにカタピラ及びそりを有する軽自動車以外の自動車にあっては、計測した速度が次式に適合するものであること。
10(V1-6)/11≦V2≦(100/94)V1
この場合において
V1は、自動車に備える速度計の指示速度(単位km/h)
V2は、速度計試験機を用いて計測した速度(単位km/h)
このように、平成18年12月31日以前に制作された自動車と平成19年1月1日以降に制作された自動車でスピードメーターの誤差の許容範囲の基準が異なるのです。
提示された式を計算するとスピードメーターの誤差の許容誤差は次のようになります。
スピードメーターの検査を行った時、スピードメーターが40km/hを示した時の実速度が次の速度以内におさまっていなくてはなりません。
平成18年12月31日以前に制作された自動車
約30.9km/h ~ 約44.4km/h
平成19年1月1日以降に制作された自動車
約30.9km/h ~ 約42.6km/h
標準のタイヤサイズの場合、スピードメーターが40km/hを示した時の実速度は35km前後であることが多いです。ピッタリやプラスで表示されることはほとんどありません。
(ライター:自動車整備士 SkyLight)
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