高校生用の電子辞書は、カシオの「エクスワード」とシャープの「ブレーン」どっちがおすすめ?

高校1年の娘が電子辞書が欲しいと言い出しました。

高校の電子辞書の普及率は、約7割程度と言われています。

この記事は2015年10月に最初に書いたものを2017年向けに一部手直ししているのですが、2015年~2017年モデルにかけてカシオとシャープの基本的な方向性は変わらず、むしろその違いが顕著になっています。

市場の人気は圧倒的にカシオ

今までは中学生の時に買った、シャープの「ブレーン」を使っていたのですが、どうやら当たり前ですが高校レベルの勉強には適していない模様です。

娘はいわゆる進学校の部類の高校に通っているのですが、学校の友達はほとんどがカシオの「エクスワード」を使っており、塾の先生も「エクスワード」がおすすめだと言っているようです。

カシオ 電子辞書 エクスワード 高校生モデル XD-D4800PK ライトピンク
カシオ (2012-01-24)
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色々調べた結果、高校生用の電子辞書は、カシオの「エクスワード」とシャープの「ブレーン」以外にほぼ選択肢がない状況で、市場の人気は圧倒的にカシオの「エクスワード」の方が高いという事が分かりました。

因みに、大人用も含めた電子辞書の市場シェアは、カシオが58.2%、シャープが23.3%、それにキャノンが16.2%と続いています。(BCN AWARD)

※電子辞書 市場シェア3位までの推移

※2017年調べではカシオ・キャンノンが微増、シャープは微減となっています。

ここ数年のスマホの急激な普及で、電子辞書の市場規模は縮小しており、業界第4位の「セイコーインスツル」が2015年3月をもって電子辞書市場から撤退しています。

シャープも、2015年の5月の決算で2,223億円の赤字を計上した事は記憶に新しいところですが、電子辞書に関しても2012年をピークに年々シェアを落とし続けています。

現状ではシャープは台湾の鴻海に買収されて、続々と日本の技術者が流出していると囁かれています。

カシオのエクスワードが人気No.1のたった一つの理由

細かい機能の部分は後ほど説明しますが、カシオとシャープの電子辞書作りに対するコンセプトの違いを見れば、なぜ「エクスワード」がそこまで圧倒的な人気を誇っているのかが分かります。

電子辞書、気が付けばカシオの独壇場 東洋経済 2015年01月10日

一方、シェアトップであるカシオの2014年3月期の電子辞書事業の売上高は、約320億円とみられる。営業利益率も20%近い高水準を維持している。価格に関しても、「今後もスマホの影響によって価格が変化することは考えづらい」(カシオ)という。

両社の明暗を分けたのはターゲットの違いだ。SIIが大学生や社会人をメインターゲットとした一方、カシオは中学校や高校向け需要を確保。授業中にパソコンやスマホを使用することはできないため、スマホの侵食から逃れることができた。

機能も拡充が続いている。コンテンツ数は現行モデルで約150。「NHKラジオ英会話」が収録され、発音確認機能がつくなど、文字コンテンツではない形でも利便性を追求している。

この記事から読み取れる事は、カシオは敢えてスマホとの競合を避ける為に、電子デバイスとしてのスペックや機能面ではなく「電子辞書」というコンテンツと、使う側の立場にたったユーザビリティをひたすら追求してきたという点です。

一方で「電子辞書界のアップル」と揶揄される事もあるシャープは、スタイリッシュなデザインと電子デバイスとしての最新技術を盛り込んでシェアを伸ばして来ましたが、その戦略がスマホとの競合でモロに裏目に出て売上不振に陥っています。

カシオの「エクスワード」とシャープの「ブレイン」の特徴を比較

2017モデルカシオシャープ
エクスワードブレーン
XD-G4800

PW-SH4
カラー5色展開5色展開
液晶5.3型 528×3205.5型 854×480
電源単3形アルカリ乾電池
eneloop(エネループ)
充電式EVOLTA(エボルタ)
リチウムイオン充電池
USB給電USB給電
駆動時間単3形アルカリ乾電池LR6(AM3)の場合
約180時間
約100時間
eneloop(エネループ)/充電式EVOLTA(エボルタ)の場合(参考値)
約130時間
充電時間使用電池と充電器に依存未確認
重さ約265g(電池込み)約290g(電池込み)

※「エクスワード」、「ブレーン」ともに5色での展開です。

シャープの「ブレーン」がそんなにダメかと言えばそんな事はありません。このスペック表を見ても液晶が大きく解像度も高いですし、充電式のバッテリーも積んでいます。

更に、この液晶が回転式になっており、スマホのように縦画面で操作する事も出来ます。

まさに電子デバイスメーカーとしての強みを最大限に発揮したスペックになっているのですが、カシオの「エクスワード」と比較すると大学受験やTOEICの為のリスニング教材が少なく、大学に入ってからも使い続けることを考えると理系に決めている人でなければ、やや割り切りが必要かも知れません。

また、重さの面でも「エクスワード」が265g、「ブレーン」が約290gとなっています。(ブレーンは2017年モデルで10g軽くなっており、2016年モデルは300gでした)

これは電子辞書が学校に普及した理由として、紙の辞書を通学時に持ち運ぶ事によって生徒の負担が重くなる事に対して、学校側が配慮しているという背景があり、カシオはその事情に沿った形で軽量化にこだわっています。

G-SHOCKで培われた衝撃耐久性にも定評があり、見た目の派手さというよりも、中身を重視した作りとなっています。

冒頭で述べたように、企業の電子辞書に対するコンセプトがユーザーに受け入れられ、電子デバイスとしてのスペックや見た目の派手さを追求したシャープは、スマホにシェアを奪われているという分かり易い構図になっていると思います。

価格が高いのが「エクスワード」の弱点

「エクスワード」は「ブレーン」よりも、価格がやや高いのが難点ですが、毎月のしかかる塾や予備校の費用に比べれば、大した額ではないように思いますし、そこはケチるところでもないだろうという気がします。

そもそもシャープの技術者がどんどん抜けていると言われている現状では、特別な理由がなければシャープの「ブレーン」を選ぶ必要性は薄いと思います。

因みに娘には高校1年生の9月に、2015年モデルの「XD-K4900PK」を買い与えているのですが、これから購入を考えているのであれば、2017年に高校1年生になる子供の場合は2017年モデル、2017年に高校2年生になる場合は2016年モデルがおすすめです。

高校3年生であれば2015年モデルが良いでしょう。

その理由は、娘のエクスワードを使用しての感想を見て頂けると分かると思います。

エクスワードを使用しての感想

これは、今年高校3年生になる娘が高校1年生の秋にエクスワードを購入した時の感想です。

  • 漢文の現代語訳と書き下し分がちゃんと入っている
  • 倫理の用語集が入っている
  • 古語の辞典が分かり易く、調べたいものを探し易い
  • 英検のパス単語や単語集がたくさん入っているので、他の単語集が不要(英検2級の取得の為に使用中)
  • リトルチャロが入っていて面白い
  • 周りの友達のほとんどがエクスワード2015年モデルを使用しているので、操作方法など分からない事があれば友達に教えて貰える

幾分、的外れな回答が混じっているような気がしないでもないのですが、現役女子高生の素朴な感想という事で…。

先程、高校1年生であれば2017年モデル、高校2年生であれば2016年モデルがおすすめですと言ったのは、ズバリ周りの友達と同じものを使っていた方が、色々と便利な事が多いからという理由です。

2017モデル カシオ エクスワード カラー別
XD-G4800WE
XD-G4800BK
XD-G4800PK
XD-G4800VP
XD-G4800BU
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純正ケース ブックカバータイプ
XD-CC2305WE
XD-CC2305BK
XD-CC2305PN
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純正ケース ハードカバータイプ
XD-CC2302WE
XD-CC2302BK
XD-CC2302PN
XD-CC2302DB
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カシオ 電子辞書 エクスワード専用 純正保護フィルム XD-PF22

因みに、エクスワードの持ち運びには専用のケースが2種類用意されています。

 

 

 

使い勝手を考えればブックカバータイプの方がおすすめです。

高校3年間使用するのであれば、それなりに劣化すると思いますので、上の表の最後に貼ってある液晶フィルムも貼った方が良いと思います。

カシオはモノづくりの方向性がはっきりしていて面白い会社だと思う

ここからは高校生向けの電子辞書とは全然関係ない話ですが、カシオは現在では電子辞書の専業メーカーでも、時計の専業メーカーでも無くなっています。

ただし、専業ではなくてもそれぞれの品種の中でマーケティングを徹底的に行っている印象で、それぞれの製品が非常にユーザビリティが高いと感じます。

市場としてはメジャーではなく、ニッチな部類に入るカテゴリーに特化してその部分に存在するユーザーの目的や趣向に合わせて商品開発している印象を受けます。

例えば、昨年11月に高校2年の娘に自撮りデジカメを買い与えた時に調べたのですが、デジカメ自体がスマホでの代替により市場規模が縮小している中でも、「自撮りデジカメ」というニッチなカテゴリーの中ではカシオの製品が人気No.1となっています。

電子辞書に関しても、骨抜きになったシャープの「ブレイン」より断然カシオの「エクスワード」の方が人気がさらに上昇しているのも頷けます。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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