こんにちは!自動車系ライターの駆流斎です。
エンジンオイル交換の際に、多くの人が悩むのが 「純正オイルにするか、社外オイルにするか」 という選択です。
結論から言えば、街乗りとサーキットでは求められるオイル性能が大きく違うため、最適な選び方も変わってきます。
街乗り編|純正オイルで十分、社外はコスパ重視
街乗りでは油温が極端に上がることはなく、燃費性能や始動性の良さが重視されます。
このため、メーカーが指定している粘度と規格を満たしていれば、純正オイルで十分安心です。
・純正オイルのメリット
- メーカー指定粘度を必ず満たしている
- API SP(最新の国際規格。LSPI防止やチェーン摩耗対策あり) に対応
- ILSAC GF-6A(日米合同の燃費重視規格) にも準拠
- 保証面で安心、新車時は特に有利
- ディーラーで手軽に交換できる
・純正オイルのデメリット
- 価格はやや高め(4Lで3,000〜5,000円程度)
- ブランド代や流通コストが含まれることも多い
・社外オイルのメリット
- 同等性能(API SP / GF-6A対応)なら 2,000〜3,000円/4L程度 で購入可能
- コストが安いため 短いサイクルで交換しやすい
- 大手ブランド製(Mobil, Castrol, ENEOSなど)なら性能は純正と同等
・社外オイルの注意点
- 無名格安オイルは規格不足の可能性あり
- ディーラーで「純正以外は推奨しない」と言われる場合もある
👉 街乗りユーザーへの結論
- 新車保証期間内 → 純正オイルが安心
- 保証が切れたら → 社外オイルでコストダウンが合理的
どちらを選んでも、「指定粘度+API SP / GF-6A対応」 を守れば性能差はほとんどありません。
サーキット編|走行頻度と走り方で選び方が変わる
サーキット走行では油温が130℃を超えることもあり、街乗り用の純正オイルでは不安が残ります。
ただし、「サーキットユーザー」と言っても走行頻度や負荷の度合いによって必要なオイルのレベルは変わります。
・年に数回の走行会・軽めのスポーツ走行
- 純正オイルでも対応可能なケースが多い
- ただし、交換サイクルを短めにする(走行会ごとに交換など) のが安心
- このレベルなら API SP / GF-6A対応+指定粘度 で十分
・月イチ以上の走行や連続周回を楽しむ場合
- 高温でも油膜を維持する性能が求められる
- HTHS粘度(150℃での油膜保持力)3.5以上 のオイルが望ましい
- ACEA C3 / A3/B4(欧州規格。高温耐久性重視) に対応した社外オイル(Motul, Mobil 1 ESP, LIQUI MOLYなど)が安心
・本格的なタイムアタックや真夏の連続走行
- 純正オイルでは耐久性不足になるケースが多い
- レーシングオイル(Motul 300Vなど) が適切
- ただし寿命は短く、1,000〜2,000km程度での交換 が前提
👉 サーキットユーザーへの結論
「必ず社外オイルが必要」というわけではなく、走行頻度と負荷の度合いで選ぶのが最適。
- 年に数回の走行 → 純正でもOK(ただし早めに交換)
- 月イチ以上 → 高性能社外オイル(ACEA C3対応)
- 本格アタック → レーシングオイル
ターボ車ユーザー向けの注意点
ターボ車は自然吸気車に比べてオイルへの負荷が大きいため、年に数回のサーキット走行でも純正オイルでは不安が残る場合があります。
・ターボ車で純正オイルが不安な理由
- 油温上昇:ターボ車はブースト時に油温が120〜140℃を超えやすい
- 粘度低下:純正指定が0W-20や5W-30の場合、高温で油膜保持力が不足するリスク
- せん断劣化:タービンでの高回転・高負荷によってオイルが早く劣化
・ターボ車での対策
- 取説に複数粘度が書かれていれば、高めの粘度を選ぶ(例:0W-20推奨だが5W-30も可なら5W-30を選択)
- HTHS粘度3.5以上の社外オイル に切り替えると安心
- サーキット走行後は、早めの交換(1,000〜2,000km以内) を心がける
👉 まとめ
ターボ車は熱負荷が高いため、たとえ年に数回のサーキット走行でも「純正低粘度のまま」では不安。
指定範囲で高めの粘度を選ぶか、耐久性の高い社外オイルに切り替えるのがベターです。
関連記事