※2022年9月12日更新~最新情勢に合わせて内容を見直しました。
こんにちは!Omiです。
最近では高速道路を走行する車の9割程度がETC車載機を搭載しているそうですが、車を購入した時にカーナビと合わせて一番最初に取り付けを検討したいのがETC車載器です。
また、車両の入れ替え以外にも総務省による電波の許認可の基準変更に伴い、2007年以前に生産されたのETC車載器が最短で2022年11末までしか使えなくなる可能性がありますので、古い車載器をETC2.0対応のものに載せ替えを検討している方も多いと思います。
そこでこの記事では、これからETC車載機を新規で購入する方、または載せ替え予定の方向けにETC車載機の現状の説明と、各社製品の特徴について解説します。
ETC車載器は2つに大別できる
ETC車載機をタイプ別にざっくりとカテゴライズすると、このようにETC2.0に対応・非対応の2つに分かれます。
ETC2.0対応の製品の中には、カーナビと連動させる事で「ETCの使用履歴」や「ETC2.0のシステムで収集した渋滞・事故・災害情報」などをカーナビ側で確認、またはルート探索に反映させる事が出来るものもあります。
ETC2.0は2016年から運用が開始された比較的新しいシステムですが、当初目標とされていた役割を果たす前に過去の遺物になってしまいそうな雰囲気です。
従って、LaBoon!!ではETC2.0対応の車載機はおすすめしませんが、カーナビと合わせて取り付けて連動させたい、と考えるユーザーも多かろうと思いますので、念のためにETC2.0の概要について先に解説しておきます。
※LaBoon!!では、ランエボ10と30系アルファードにETC2.0車載機を設置してますが、今後はETC2.0対応の車載機を買う事はまずないでしょう。
ETC2.0とは
ETC2.0は2016年4月から運用が開始された、プローブ情報(リアルタイムの走行車両の観測情報)を活用したビッグデータを生かした、高速道路の渋滞緩和の為に国土交通省が普及させようとしているシステムです。(令和4年の6月時点では28.7%の普及率)
なお、このシステムの最大のメリットは関連省庁の息の掛かった企業を儲けさせる事により、官僚の天下り先を探し易くなる事である…と言われています。
大義名分としては、ビッグデータを効果的に活用する事による渋滞の解消によって期待できる経済効果と、個々のドライバーにとっての利便性の向上というものが挙げられます。
しかしながら、渋滞回避のシステムは既にGoogleなどのBig Tech企業の展開するナビアプリで充分だと感じるユーザーが増えており(私も含む)、ETC2.0で収集したビッグデータの活用による渋滞の解消と言う目的は、絵に描いた餅で終わりそうな雰囲気です。(大半の方が予測した通りの結果になった)
これだけ大々的にETC2.0の導入を推奨しておいて、渋滞解消の為の首都高の値上げって…やっている事が完全狂ってますね。
ETC2.0の通信システム
ETC2.0のシステムの仕組みをざっくりと解説すると、以下の通りとなります。
交通渋滞は個人にとっても社会にとっても大きなデメリットしか発生しませんし、電車の遅延を発生した場合の損害賠償請求額を考えれば、交通渋滞が社会に及ぼす経済的な害はとてつもない額になるであろう事は想像に難くありませんので、ETC2.0の普及によりそれなりの経済効果は期待できると言ってたはずなのですが。
特に天下り関連企業に…。
ETC2.0の高速道路通行料金の割引
先に説明したように、ETC2.0のシステムは常に各所の渋滞状況を把握しているサーバーがリアルタイムに渋滞を緩和させるべく通行量のコントロールを行います。
一方で高速道路を走行中の車両に搭載されたETC2.0車載機の方は、サーバー側でシミュレーションされた渋滞回避ルートを受信し、その指示に従ってにカーナビが回避ルートを提示します。(カーナビ側はサーバーの命令を実行するだけのようなもの)
この渋滞回避の際には迂回ルートを通る必要が出てきますので走行距離は遠くなるという問題も出てきますが、迂回の内容に応じて2割程度の高速料金の割引が受けられます。
従って場合によっては時間とお金の節約になるとの事です。
ただし、ユーザー側ではどれくらいの時間の短縮になったのか、料金がいくら安くなったのかが分かりにくい為、使用してみても満足感は得られないでしょう。
私も2016年から2台の車で対応車載機を使っていますが、ETC2.0の恩恵にあずかる事が出来た、と認識した事がありません(笑)
満足感を得られない上にETC2.0車載機はそこそこ価格も高いので、これが行政に対する国民の不信感を募らせる原因の一つになっている気がしますが…。
渋滞回避ルートの受信と通行料金の割引に必要な物
上述のように高速道路の通行料金の割引を受ける為には、次の3つの条件を満たす必要があります。
・ETC2.0車載機が2015年の7月以降にセットアップがなされている事
・ETC2.0によって示された回避ルートを選択する事
ETC2.0サービスは紆余曲折を経てDSRCサービス、ITSスポットサービスなどと名前がコロコロと変わってきましたが、最終的に今の形になると決定したのが2014年以降だった為、例えETC2.0で使われる「DSRC」通信方式に対応している車載機であっても、ETC2.0のサービスを受ける為には再セットアップが必要になります。
自分が現在使用している車載機がETC2.0で使われる「DSRC」通信方式に対応しているかどうかは、次のキーワードでGoogle検索すれば分かると思います。
なお、カーナビと連動しないETC2.0車載機もありますが、新ルートを自動でカーナビが認識してくれないので、カーナビと合わせて購入するなら連動タイプの製品を選んだ方が良いでしょう。
※そもそも2022年の時点では、LaBoon!!ではETC2.0対応の車載機をおすすめしてません。
カーナビのETC2.0車載器との連動状況
ETC2.0の運用は2016年から開始されていますので、2015年以降に発売されている日本メーカーのカーナビはETC2.0車載器との連動に対応してる製品が主流です。
※デンソーテンが販売しているSOLINGのカーナビは非対応
ETC2.0に対応しない車載器
国土交通省はETC2.0の普及率を上げたいようですが、ETC2.0は既に先が見えてしまったサービスなのでLaBoon!!ではおすすめしません。
そもそも高速道路を利用しないならETC車載器は必要ないですが、一応念の為取り付けておきたいと考えているなら、価格の安いものがおすすめです。
これらの安価なETC車載機は年々アイテム数が減っていますが、ここでは価格の安いカーナビとの非連動型の製品をご紹介します。
パナソニック | パイオニア | ケンウッド | デンソー |
---|---|---|---|
CY-ET926D | ND-ETC40 | ETC-S1000 | DIU-9500 |
18.10発売 | 20.10 | 18.01 | 20.08発売 |
アンテナセパレート |
各社とも機能的にはほとんど差はなく、音声メッセージの違い程度になりますが、パナソニックの「CY-ET926D」は声優に日髙のり子さんを起用していますので昭和な方はこちらをどうぞ(私なららこれを選びます)
他の製品の価格帯はこちらの通りです。
ETC2.0に対応する車載器
ETC2.0は2016年から運用が始まっていますので、現在の主流はカーナビ連動型のETC2.0対応車載器です。
従ってETC2.0に対応する車載機の性能よりも、まずは手持ちのカーナビや、今後買い替えを視野にいれているカーナビがETC2.0車載機に対応しているのかどうかを確認しなければなりません。
原則としてETC2.0対応の車載機は、ごく一部を除き、ほとんどのものがカーナビメーカーごとの専用品と言っても良い状況です。
従って、手持ちのカーナビに対応するETC2.0対応の車載機は多くても2モデル程度からしか選ぶ事が出来ません。
スタンドアローン型のETC2.0車載機についても記事後半に説明しますが、このタイプのETC2.0車載機は音声で交通情報などの案内を行うもののカーナビとは連動しません。
従ってせっかく得られた交通情報をカーナビのルート案内に生かすためには、手動でカーナビを操作して経由地を変更するなどの手順が必要になります。
パイオアカーナビ対応のETC2.0車載機
パイオニアのカーナビ向けにリリースされているETC2.0車載機は、2020年3月に発売された「ND-ETS2」となります。
「ND-ETS2」の対応カーナビはこちらで確認が可能です。
パナソニックカーナビ対応のETC2.0車載機
パナソニックのカーナビ向けにリリースされているETC2.0車載機は、パナソニック製の「CY-2010D」「CY-ET2505D」です。(光ビーコンの有無の差)
パナソニックのカーナビであればどちらのモデルも使用が可能です。
それぞれのモデルの対応カーナビはこちらで確認が可能です。
■ 「CY-2010D」「CY-ET2505D」対応カーナビ
ケンウッドカーナビ対応のETC2.0車載機
ケンウッドのカーナビ向けにリリースされているETC2.0車載機は、「ETC-N3000」「ETC-N7000」の2モデルでの展開となっています。(光ビーコンの有無の差)
■ 「ETC-N3000」「ETC-N7000」対応カーナビ
イクリプスカーナビ対応のETC2.0車載機
現時点ではイクリプスのカーナビに連動するETC2.0対応の車載器で、新セキュリティ規格に対応した製品はないので、カーナビそのものの購入を見送った方が良いかも知れません。
アルパインカーナビ対応のETC2.0車載機
アルパインのカーナビ向けにリリースされているETC2.0車載機は、「HCE-B120」「HCE-B120V」の2モデルです。(光ビーコンの有無の差)
カーナビと連動しない独立タイプのETC2.0車載器
ここまでにご紹介したETC2.0車載機は、受信した情報を映像と音声でカーナビから出力し、場合によっては自動でカーナビの案内ルートを変更するなどの機能を備えていますが、カーナビ連動型ではないETC2.0対応の車載器も存在しています。
これらの車載器はETC2.0で得られた渋滞情報を音声のみでアナウンスし、カーナビの案内ルートを自動で変更してくれる訳ではありません。
個人的にはこのスタンドアローンタイプは全く便利ではないと思うのですが、不思議と各メーカーからこのタイプのモデルが発売されています。
ETC2.0車載器購入の際の助成金などのキャンペーンを国土交通省の息の掛かった団体が不定期で実施していたりする事もあり、その絡みでメーカーもETC2.0対応のスタンドアローンタイプの製品の品揃え拡充しているのかも知れません。
…というわけでスタンドアローンタイプのETC2.0車載器は微妙なカテゴリーだと感じていますが、助成金目当てで購入される方もいると思いますので、各社の製品をまとめて紹介します。
機能差はほとんどないのでブランドイメージと価格を決め手にして良いと思います。
パナソニックの製品は声優に声優に日髙のり子さんを起用していますので昭和な方はこちらをどうぞ!
まとめ
以上、ETC車載器の選び方とおすすめの製品についてご紹介しました。
ご自身の目的に合った製品をお選びください。
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