リアワイパーを外しても車検に通るのか気になる方は多いのではないでしょうか。
ここでは、リアワイパーに関する保安基準やディーラー・車検場での実際の対応を詳しくご紹介します。
ワイパーに関する保安基準
道路運送車両法の保安基準では、窓ふき器について以下のように規定されています。
- 第53条の一:前面ガラスの直前の視野を確保する自動式のワイパーを装備しなければならない。
- 第147条の1:ワイパーブレードが劣化して著しく機能が低下している場合は保安基準に適合しない。
つまり、フロントワイパーは必須で、視界を確保できる機能が求められます。
一方、リアワイパーについては保安基準に明確な記載がなく、装着義務はありません。
カーディーラーや指定工場での対応
カーディーラーや民間の指定工場では、運輸支局よりも厳格な基準を適用することが多いです。
保安基準に適合しない車両を車検に通すと、営業停止や指定取り消しなどの重大な処分を受ける可能性があるため、グレーゾーンの装備もNGとされることがあります。
リアワイパーを外した場合、ネジ穴やカバーが「突起物」と判断される可能性があります。
突起物が歩行者に危険を及ぼすと見なされると、車検に通らないケースもあります。
さらに、リアワイパーのスイッチが付いているのに作動しない場合、「装備されている以上、機能しなければならない」と判断する検査員もいます。
車両によっては、スイッチを取り外す必要が出てくる場合もあります。
検査員の判断が大きなポイント
同じ車種でも、リアワイパーが元々付いていないモデルと、取り外したモデルでは扱いが異なることがあります。
保安基準に記載がないリアワイパーの取り外しは、検査員の主観に委ねられる「グレーゾーン」です。
実際には、運輸支局や指定工場によっても判断が分かれる可能性があります。
「リアワイパーがなくても大丈夫」という場合もあれば、車検に通らないこともあるため、実際に車検を受けてみないとわからないのが現状です。
安全で確実な対応を
リアワイパーの取り付け・取り外し自体は、さほど手間のかかる作業ではありません。
そのため、車検時のみでもリアワイパーを装着しておくのが最も確実な方法です。
万が一に備え、車検前に確認しておくことをおすすめします。
(ライター:自動車整備士 SkyLight)
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