ATOTOZONE X10の刷新したドラレコ機能について解説

こんにちは! 元エンジン要素研究員で、自称エンジニア上がりモータージャーナリストの大林寿行です。

ATOTOから次世代モデルのアンドロイドナビがリリースされています。ATOTOZONEの新ブランドのハイエンドモデル「X10」という2024年秋の最新モデルとなります。

ATOTOは、中国のオーディオメーカーながらも、自社設計、自社開発、自社生産という正真正銘のオーディオメーカーで、今回、ハード及びソフトウェアを一新して来たモデルで、非常に注目度の高い製品となっています。

今回、ドライブレコーダーのレビューに密着して実施して来たLaBoon!!からは、X10に内蔵される刷新された前後2カメラ駐車監視付きのビルトインドライブレコーダーの詳細機能について解説します。

「ATOTOZONE X10」のドラレコスペックと特徴

「X10」の前後カメラのスペックは以下の表の通りです。

仕様項目F: AC-FHD02DVR:AC-FHD02LR
解像度200万画素
デジタル画像処理
ISP SOCチップ
FH8333
イメージセンサーJX-F352
光学フォーマットセンサー1/2.8インチ
視野角(FOV) D/H/V: 136°/112°/58°140°/120°/63゜
信号方式AHD 1080P 27.5fps
赤外線波長@650±10nm
有効画素数1920H×1080V
画素サイズ2.9μm(H)×2.9μm(V)
供給電圧DC5V
消費電力5V/130mA
動作温度-20〜70℃
取り付け場所車内車内外

上図カメラの仕様からもお分かり頂けるように、アンドロイドナビ搭載の前後カメラながらも、一つ一つ自前で仕様を追求したカメラとなっており、 機能的に妥協のない仕様であろう事がお分かり頂けると思います。

セット内容とデザイン

今回もATOTOの提供サンプルにて実機テストを行いました。以下は、10インチモデルのセット内容となります。

従来のATOTO製品と違って、パッケージ内容もシンプルで、取り扱い説明書はオンライン版となっています。

フロントカメラ

リヤカメラ

ドラレコの前後カメラは、HDMI端子右下の8ピンの端子にアダプターケーブルを接続して使用します。

また、リヤカメラの中継ケーブルには、バック連動線が備わります。

インターフェイスについて

機能は非常にシンプルで、ビルトインですので、非常に使いやすくなっています。

前後カメラ分割画面

フロントカメラ1画面

リヤカメラ1画面

大きなディスプレイ画面に伴い、収録動画も非常に探しやすくなっています。前後切り替え、ファイルの削除等、カレンダー検索、動画再生、静止画表示、緊急録画ファイルの項目が備わっています。

機能設定も非常にシンプルで、Gセンサーの感度設定、解像度設定、速度単位、駐車監視のON/OFF、ループ時間、USBの初期化が行えるようになっています。

また、前後同時収録だけでなく、個別で収録する事も可能です。

更に、マップ表示により、位置情報を画面で確認する事も可能です。

ドライブレコーダーとしての画質について

画質については、以下の項目で確認致しました。

・録画視野角
・逆光補正能力
・ナンバー認識精度
・夜間の明るさ

録画視野角について

一般的なドラレコの視野角と比較をするために、偶々マイカーに着けていたAKEEYO EYESと比較しました。

AKEEYO EYESより広角になっており、一般的なドラレコと同程度の視野角を持っています。

リヤカメラも同程度の視野角を持っています。

逆光補正能力について

HDR補正により、白飛び・黒潰れが抑えられており、前方及び周囲の状況がしっかりと収録出来ています。

リヤカメラはスモークガラス越しの映像のため、フロントカメラよりも映像が暗くなっています。しかし、HDR補正により、白飛び・黒潰れが抑えられており、後方及び周囲の状況がしっかりと収録出来ています。

ナンバー読み取り精度について

昼間前方車のナンバー読み取り精度ですが、少し車間を開けた場合は、読み取れるか否かの状況で、一般的な200万画素相当の解像度となっています。以下の収録画像は、ナンバーを読み取るために拡大しています。

上の写真はコムテックのZDR055の収録動画で、STARVIS 2搭載の 200万画素相当の拡大映像です。

昼間後方車のナンバー読み取り精度は、適度な車間では、はっきりとナンバーを読み取れます。

夜間前方車のナンバー読み取り精度ですが、適度な車間では、ヘッドライトによる白飛びもなく、はっきりとナンバーが読み取れます。

夜間後方車のナンバー読み取り精度ですが、昼間の前方と同様、少し車間を開けた場合は、読み取れるか否かの状況です。

また、後方カメラの映像は鏡像化されているために、収録動画も鏡像のままで、反転させないとそのままではナンバーが読み取りにくくなっています。

夜間の明るさについて

比較的黒潰れは抑えられていて、歩道を含めた周囲の状況が収録出来ています。

後方カメラは、スモークガラス越しでのカメラ設置ですが、比較的黒潰れは抑えられていて、歩道を含めた周囲の状況が収録出来ています。

フレームレートとLED信号の映り方について

フリッカレスの設定はありませんが、50Hzの関東では、信号の状況も収録出来ていました。

駐車監視について

駐車監視方式は、衝撃検知のみで、衝撃検知後に30秒間緊急録画として動画が収録されるようになっています。衝撃感度は、最も高い「高」に設定しましたが、ドアの開閉で作動する感度です。

リヤカメラの使い方について

X10のリヤカメラは、リヤカメラ(バックカメラ)とリヤ録画カメラとの切り替えが出来るようになっており、使い方について迷われる方がいらっしゃると思いますので、ここで説明致します。

リヤカメラに設定をすると、バックカメラが作動します。また、本体裏側のRCAMにカメラを接続し、バック連動にしておけば、Rレンジに入れた時に、バック画面に切り替わります。

その時、ガイドラインをONに設定しておけば、表示する事が出来ます。

更に、ガイドラインのスタイルは2パターンあり、ガイドライン自体の位置設定も細かく出来るようになっています。

一方、リヤ録画カメラに設定すると、ドラレコのリヤカメラを使ったリヤの映像に切り替わります。

ドラレコのリヤカメラは、レコーディング用のカメラとなっており、ガイドラインは表示されない設定となっています。

リヤカメラの設定が出来ず、ドラレコのリヤカメラを使って、バック連動で画面を切り替えたい場合には、リヤ録画カメラを使用する事になろうかと思います。

但し、今後、ファームアップにより更新される予定との事です。

ドライブチャットの機能について

最後に、X10より初搭載されたドライブチャットの機能について、少し触れたいと思います。

この機能は、音声コマンドによりX10の操作用コマンドとchat GPTを使った会話用コマンドの二つの機能を持っています。

ドライブチャットを使用するね前に、上記のように、起動後を2つ定める必要があります。

操作用コマンドは、全スキル画面より確認する事が出来ます。

会話用コマンドは、Chat GPTと同じで、発話した質問に対してAIにより解答してくれる機能となっています。

スマホアプリでも同じ事が出来ますが、フリーで使用する場合には、一日3件しか質問に答えてくれません。しかし、ドライブチャットは、何件でも答えてくれますので、使う頻度が多い方には、大きなメリットかと思います。

「X10」の総評

「ATOTOZONE X10」の総評です。

冒頭のカメラの仕様からも垣間見れたように、アンドロイドナビのビルトインドラレコとしては、申し分の無い性能を持つ200万画素前後カメラドラレコだとお伝えする事が出来ます。

特に、QLED液晶ディスプレイから見る映像は、非常に高画質で高精細ですし、画像拡大もディスプレイ上で簡単に行えるので、収録動画を確認する上で、動画ファイル自体を書き出す必要がありません。

但し、視野角の比較で取り上げた、これまで数多くのドラレコを手がけて来たハイエンドモデルのAKEEYO EYESの映像は、カメラ自体の有効画素が500万画素である事の違いやSTARVIS 2 ソニーセンサーIMX675の恩恵は非常に高く、絶対的な映像の精細さ、鮮やか、明るさの違いは、はっきりと感じられました。

今回比較したのは、偶々マイカーに着けていたためでしたが、ドラレコ自体の価格が全く異なるので、あくまでも参考程度です。

ビルトインドラレコの最大の強みであるスマートに機能を集約する事が出来、有効画素数200万画素の前後カメラドラレコとしては、今最も優れたドライブレコーダーだと思いました。

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