※2022年2月23日更新:2022年向けに内容を見直しました。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。
2022年1月にヴォクシーが4代目へのモデルチェンジを遂げたばかりですが、それに合わせてOPとして選択できるドライブレコーダーのラインナップも大幅に変更されています。
そこで今回はヴォクシーの純正ドライブレコーダーについて特徴を解説します。
新型ヴォクシーの購入を検討中で、ドラレコの選択について迷っている方の参考になれば幸いです。
ヴォクシーの純正ドライブレコーダーは6機種
2021年2月現在のヴォクシーで指定されている純正ドライブレコーダーは7機種ですが、トヨタ車向けに設計された専用品が3機種、トヨタモビリティパーツ扱いのディーラーOPモデルが4機種となっています。
このうち通常の1カメラモデルは需要が少ないと考えられますので、ここではこの7機種のうち2カメラ以上の5機種に絞ってご紹介します。
■ 2022年1月版 ヴォクシー ドライブレコーダーカタログ
・DRD-H68:2カメラモデル(3ピースセパレート/WiFi)
・カーメイト「TZ-DR300」
・セルスター「TZ-D203MW」
・日本電機サービス「TZ-DR500」
・コムテック「TZ-DR210」
トヨタ車専用モデル「DRD-H68」
このうち、本体部分とカメラ部分が独立したセパレートタイプとなっている「DRD-H68」については、本体とフロントカメラの仕様がほぼ共通する液晶なしのWiFiモデルです。
デザインはケンウッドなどに見られるカーナビ連動モデルに近い、薄型の本体と小型セパレートカメラの組み合わせです。
「DRD-H68」の主な仕様はこちらの通り。
・前カメラ録画視野角:水平112°
・サブカメラ録画解像度:1920×1080/27fps
・サブカメラ録画視野角:水平122°
・microSDカード付属:8GB
・microSDカードフォーマット不要
・GPS内蔵
・WiFi対応
・駐車監視:常時録画+衝撃検知(30分/1時間)/自動起動
「DRD-H68」は、2つ目のカメラの設置位置が車種によって異なる形となり、ヴォクシーの場合にはこのようにダッシュボード上に後方向けに設置します。
このサブカメラの撮影映像は他車種の事例の流用で、車種によってはこのようにダッシュボード手前が障害になり視野が狭くなる事があります。
購入するなら実車の見え方を事前確認する事をおすすめします。
「DRD-H68」のライブビューと動画の再生はスマホのWiFiアプリで行う形になりますが、こちらの画像を見た感じでは動画のサムネイルが表示されるなど、使い勝手は悪くはなさそうです。
駐車監視については、説明書を見る限りではこちらの2つの方式となっています。
・衝撃検知後の録画(長時間)
常時録画+衝撃検知については、常時録画と衝撃録画を合わせて行い、衝撃を検知した前後10秒程度の映像をイベント録画として保存しますので、当て逃げの際には衝突の前後の映像が確保出来る仕様です。
ただし、駆動時間が最大で1時間と短いのが難点です。
一方で衝撃検知後の録画の方は、衝撃検知から3秒後に起動して録画を行う方式ですが、省電力性に優れている為にバッテリーの残量が少なくなって供給電圧が一定値以下に下がるまで、延々と待機を行います。
長期間の監視に優れた録画方式と言えますが、衝突から3秒後からの録画開始になりますので衝突の瞬間は映りません。
「TZ-DR300」カーメイト製360°ドラレコ+前後カメラ
「TZ-DR300」の取扱説明書がネット上に見当たりませんので、仕様の詳細まで確認した訳ではありませんが、カタログに掲載されているスペックをみると、カーメイトのダクション360D「DC4000R」と全く同等となっています。
詳しい解説と実機レビューは、上のリンク先の記事でご確認頂くとして、この製品は現行のどのドラレコよりも実用性が高い、360°+2カメラの理想的なカメラ構成となっている上、それぞれのカメラの画質も良好な超絶万能モデルとなっています。
具体的にはこのようなポイントで他社製品を圧倒しています。
従ってドライブレコーダーとしての性能、実用性を追求するなら迷わず「TZ-DR300」一択で良いのではないかと、私は考えます。
なお、価格面でもベースとなる「DC4000R」の方もディーラーのベースモデルとなる事を前提に高めの設定となっている上、「TZ-DR300」は保証が1年→3年に延長されていますので、コスパが悪いという事もないでしょう。
「TZ-D203MW」セルスター製スマートミラー型
「TZ-D203MW」の取扱説明書がネット上に見当たりませんので、仕様の詳細まで確認した訳ではありませんが、カタログに掲載されているスペックをみると、セルスターの「CS-1000SM」と同等品となっているようです。
ベースの「CS-1000SM」はリアカメラ+ミラー型筐体のセットですが、「TZ-D203MW」はこれに本来はOPであるセパレートのフロントカメラが付属する構成のようです。
詳しい解説と実機レビューは、上のリンク先の記事でご確認頂くとして、この製品のスマートミラー型ドラレコとしての評価をまとめると、このようになっています。
残念ながら、アフターパーツの一般的なスマートミラー型ドラレコとしては評価は低いものであって、保証期間が3年である事が最大のセールスポイントである、と言った位置付けの製品です。
ただし、同じく日本メーカーのアフターパーツのスマートミラー型ドラレコは、どれも一長一短があり、無条件でおすすめ出来る製品もありません。
これらの製品の特長を良く見比べて頂き、それでも拡大・縮小機能があるセルスターのスマートミラーが良い、と納得される方のみには同社製品がおすすめです。
なお、、「TZ-D203MW」はベースの「CS-1000SM」と比べるとそこそこ価格差がありますので、購入の際には取り付け工賃や車両価格と合わせての値引き交渉も行った方が良い様に思います。(2022年1月時点では1.6~1.7万円程度の価格差)
「TZ-DR500」日本電機サービス製3カメラドライブレコーダー
「TZ-DR500」の取扱説明書がネット上に見当たりませんので、仕様の詳細まで確認した訳ではありませんが、カタログに掲載されているスペックをみると、日本電機ブランドのディーラー向けモデル「DRC-35ST」と全く同等となっています。
ベースとなる「DRC-35ST」は、日本電機ブランドのディーラー向けモデルなのでLaBoon!!ではテストしていませんが、同社のドライブレコーダーはHPのドラレコをOEM生産している工場で生産しているもののように見受けられ、最近のHPのドラレコは強烈なHDRを掛けて画質を向上させているようですので、「DRC-35ST」「TZ-DR500」についてもそこそこ高画質な製品ではないかと考えられます。
室内カメラの視野角も水平150°と、サイドガラスが映り易い理想的なものとなっている事から、駐車監視におけるドアパンチ対策としても有効ではないかと考えられます。(「DRC-35ST」での話です)
駐車監視モードについてはこちらの説明書を見る限り、以下の仕様のようです。(「DRC-35ST」での話です)
駐車監視の仕様にはOPの専用ケーブルが必要であり、エンジンのON/OFFに連動して、予め選択してあるこちらの3つのモードのずれかが起動する。
・衝撃検知/自動起動
・タイムラプス/自動起動
エンジンOFFから10秒以内に操作を行なうと駐車監視をキャンセルして電源が落ちる。
駐車監視モードも比較的扱いやすい仕様かと思います。
「TZ-DR210」コムテック製2カメラドライブレコーダー
「TZ-DR210」はコムテックから取扱説明書が公開されています。
この取扱説明書に記載されている内容を見ると、コムテックの2カメラドラレコ最上位モデルである「HDR965GW」がベースモデルとなった同等品のようです。
コムテックの箱型2カメラドライブレコーダーには、主力のZDR系と、ハイエンドモデルに冠されるHDR系の2系統がありますが、最近ではZDR系が一般向け、HDR系が専門店・ディーラー向けと言った形の色合いが強くなっているように感じます。
ベースモデルの「HDR965GW」と、一般向けの最新モデル「ZDR035」では、過去の同系統の製品のテスト結果では夜間の明るさの面でZDR系の方が優れており、HDR系は保証期間を3年とする事でZDR系に対する差別化を打ち出していましたが、現状ではZDR系も3年保証となっている事から、明らかにHDR系が優れていると判断出来るようなポイントはありません。
なお、ベースモデルの「HDR965GW」の実勢価格は3.6万円程度、「TZ-DR210」は4.4万円程度となっていますので、それほど大きな価格差がある訳ではありませんが、画質的には上回っているであろう一般向けの「ZDR035」の実勢価格が2.2万円程度である事を考えると、コスト重視なら「ZDR035」を選択した方が良い様に思います。
まとめ
以上、新型ヴォクシーの純正ドライブレコーダーについて解説しました。
これまでに様々なドラレコを比較テストして来ましたが、最近のトレンドは360°+2カメラの3カメラ構成となっており、この構成であれば事故、煽り運転、駐車監視の全てに対応出来ます。
従って予算に余裕があるようでしたら、カーメイトの「TZ-DR300」の一択と言えるでしょう。
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