amazonのAlexaは同社のクラウドサーバー上で駆動するAIによって、ユーザーのデバイスに音声による操作を可能にするシステムです。
今のところでは主に家電製品やechoなどのスマートスピーカーなどが一般的なAlexa対応のデバイスとなりますが、2019年の夏からパイオニアのオーディオユニット類がAlexaへの対応を実装するとの発表がありました。
Alexa実装でどんなメリットがある?
オーディオ類には音声を入力するマイクがありませんので基本的にはスマホを入力デバイスとして使用する事になります。
パイオニアのこれらの製品では現時点で「Pioneer Smart Sync」というアプリを使用する事によって、オーディオのボタン類でスマホの操作が可能となっていますが、このアプリがバージョンアップしてAlexaに対応するとの報道がありました。
■ 「Amazon Alexa」対応など、カーオーディオとスマートフォンをリンクさせる「スマートフォンリンク」に新機能を追加
通常のAlexa対応のデバイスは何らかの形で音声認識の機能を持っていたり、または他のAlexa対応のデバイスで音声を受け取り、操作信号を送る形式となっています。
今回のオーディオ類はスマホが入力デバイスとなる訳ですが、これらのオーディオ類がどの辺りまでのコマンドを受け付けるかが見物ですね。
スマホのAlexaアプリを使って車内で出来る事
ちとややこし話になりますが、現時点で既にスマホ単体で動作するAlexaアプリというものが存在しており、このアプリでは車載で使えそうなコマンドとしては電話を掛けるなどの他、「Amazon Music」などのデータベースから音楽を再生する機能に限定されています。(「Radiko」経由でラジオも聴けますが通信料を払ってまで聴く必要性は薄い)
BluetoothやUSBでオーディオと接続している状態であれば、こられらの音楽の再生や音量の調整が音声認識で可能ではあるのですが、GoogleアシスタントやSiri、家電のAlexaとは異なり、スマホのAlexaアプリは「Alexa」と呼び掛けても起動しません。
また、GoogleアシスタントやSiriを使用してAlexaアプリを起動させた後も、その都度音声認識ボタンを押さないとコマンドを受け付けませんので、現時点では車載に向いているとは言い難い状況です。(今後は改善されるかも知れない)
オーディオ側にAlexaが搭載されるという事は?
スマホのAlexaアプリがこのような状況ですので、わざわざオーディオ側にAlexaを搭載するというのであれば以下のような機能が実装されるのではないかと考えられます。(実装されないのであれば意味ナシかと…)
①コマンドのみでメディアの切り替えが可能
②コマンドのみで音量調整が可能
③コマンドのみでスマホ上のアプリの切り替えが可能(まぁ、ここはGoogleアシスタントやSiriを使えって話ではあるが)
AlexaアプリとGoogleアシスタント、Siriの違い
Alexaアプリ、Googleアシスタント、Siriはいずれもクラウド上のAIを使用した音声認識によるスマホの操作を可能にするシステムではありますが、Googleアシスタント、Siriはアプリを起動させるなどスマホ全体制御が可能であるのに対してAlexaアプリは他のアプリを起動させる事は出来ません。
Alexa内で可能な音楽の再生などは他のアプリを起動させている訳では無く、直接Alexaで再生を行います。
かなりややこしくはありますが、Alexaは「スキル」と呼ばれるアプリのようなものを内部で駆動させて各種動作を行う仕組みとなっていますので、音楽の再生などもこの「スキル」によって可能となっています。
MacのOS上でWindowsをエミュレーションして動かすのと似ていますね。
この場合にはiMac上でWindowsを起動させてWinのアプリケーションを使用する事は可能ですが、このWindows上からはMacのアプリは使用できません。
現時点でもAlexaには様々な「スキル」が存在しており、アラームの機能などiOSやandroidと被る様なものも多く今後もスキルは増えていくと思いますので、スマホのOSの中にAlexaのOSが存在し、そこから様々なスキルを起動させられるような形になります。
ただし、致命的な欠点としてAlexaの起動はGoogleアシスタント、Siriで可能ではあるものの、Alexa内ではタップ操作をしなければ音声入力モードに入らない点が挙げられます。
だったらAlexaアプリを車内で使う必要ある?
そもそもAlexaアプリはスマホをコントロールするものではなく、スマホからAlexa搭載のデバイスをコントロールするものだったりする訳ですので、無理に車内でAlexaを使うのであればGoogleアシスタント、Siriを使っとけって話ではあるのですが、実は「Amazon Music」はAlexa対応アプリだったりするので、Alexaアプリではなく「Amazon Music」アプリを開くと「Alexa」と音声を発する事で音声入力を受け付けたりします。(笑)
「Amazon Music」のアプリ内で「Alexaによるハンズフリー入力を受け付ける」に☑を入れればこの機能が使用可能になります。
…で、この「Amazon Music」内でのAlexaの機能が非常に優秀でヤバいです。(笑)
Googleアシスタント、Siriでは「Amazon Music」を開くところまでは持って行けるのですが「『Amazon Music』で○○を再生する』などのコマンドは悉く却下されます。
従ってアプリを開くところまではOSの音声入力機能で行いますが、そこからは「Amazon Music」のAlexa機能を使用します。
この機能では例えば「Alexa、森山直太朗の『さくら』をかけて」などとアーティスト名とタイトル名の指定の他、ジャズなどのジャンル、年代別のヒット曲などの細かい指定でもそれなりに精度の高い反応を示してくれます。
ただし、問題点もあり「Amazon Music」内のAlexa機能ではGoogleアシスタント、Siriの音声入力を受け付けず、電話を掛ける事も音声の調整も出来なくなり、曲のリクエストしか受け付けません。(再生の停止は出来ます)
従って、他の操作をしたい時には手動で一旦ホーム画面に戻す必要があるのですが、これさえクリアできれば完璧に近いですね。
※Googleアシスタントではホームに戻した後は音声入力を受け付けますが、Siriのの場合にはバックグラウンドに「Amazon Music」がいると音声入力を受け付けませんでした。
まとめ
車内で音楽再生をする場合には、Googleアシスタント・Siriの音声認識機能も便利ではあるのですが、「Amazon Music」に限ってはAlexaを使った方が圧倒的に便利になりますね。
プライムの会員の方や「Amazon Music Unlimited」に加入されている方は是非お試しください!
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(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
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