360°WiFi対応680画素STARVIS+リアカメラの2カメラドライブレコーダー

360°ドライブレコーダーは国内でも2年位前から販売が始まりましたが、やたらと価格が高かったり後方視界が悪い、または後方が映らなかったり、再生面での利便性が極端に低いモデルが多く、最近の2カメラドライブレコーダーの人気と比べるとイマイチ普及が進んでいない印象です。

まぁ…、私自身もあんまりおすすめはしてないんですが、とは言いつつもコペンにはコムテックの「HDR360G」を固定設置していたりはします。

因みにコペンは車長が短いので、後方視界が悪い360°ドラレコとの相性が良いという理由もありますね。

今回はとあるメーカーさんからWiFi対応の360°+リアカメラの2カメラドライブレコーダーについてちょっと使ってみてくれとお願いされているので、軽くテストしてみました。(発売されるかどうかはまだ分からないようです)

360°モデルのスペック

このモデルのスペックは以下の通りです。

360°STARVIS 2カメラ
発売日不明
①1632×1632/30fps/WDR+1280×720/30fps
②2160×2160/24fps
CMOS 680万画素+100万画素
LED信号は西日本で同期
録画視野角
フロント:180°×180°
リア:
microSD付属なし
microSD最大128GB
リアカメラケーブル6.5m+0.5m+0.5m
GPS非対応
WiFi
駐車監視モード
暗視常時録画(5fps)
自動起動
専用ケーブル
付属
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

360°カメラ部分のイメージセンサーは680万画素のSTARVISとの事ですので、多分ですがユピテルの全天球モデルである「Q-02c」と同じ物かと思います。

デザインと角度設定

デザイン的にはかなりコンパクトな液晶なしタイプです。

首が前後に動いて撮影範囲を調整するタイプですね。

因みに他の半天球モデルと比べると本体の形状によりレンズ部分がそれほど下に下がりませんので、コペンの場合にはリアウィンドウまで映りました。

ただ、フロント部分の至近距離の信号が隠れてしまう可能性があるので、後方はリアカメラに任せてやや前向きに角度設定しています。

リアカメラはバックカメラ形状ですが、ヘッドライトの直射に弱い感じだった為、車内に設置しました。(ミニバンなどの垂直に近いリアガラスには付きません)

スマホアプリと動画の再生

このモデルは本体に操作系のボタンが一切なく、電源オンで自動的にWiFiポートを開放するタイプですので、アクセスポイントを登録しておけば自動的にスマホとのWiFi接続が確立されるようです。

また、スマホが親、ドラレコが子の扱いのようで、WiFi接続時のモバイル通信も可能でした。

動画の再生についてはPCの専用ビュワーはないっぽく、スマホでの再生がメインとなります。

※MP4ファイルなのでWindowsのメディアプレイヤーなどでは再生可能ですが、リアは普通に再生出来るものの、フロントに関しては以下のような魚眼となります。(警察などに証拠を提出する際は、スマホの画面も録画した方が良いかも知れません)

スマホアプリでのライブビュー確認と再生

ライブビューの確認と再生時の操作方法はほぼ同様で、以下の5つの表示タイプからの選択式となります。

リアに関してはファイルが別になりますのでリアのファイルを選択して再生します。

スマホでの操作性や動画の再生方法はなかなか良い感じですね。

スマホへの動画のダウンロードも可能ですが、データサイズがかなり大きいのでそれなりに時間が掛かります。(アプリ内ではなく、アルバムなどに保存)

画質の特徴について

このモデルの360°カメラ部分のイメージセンサーは680万画素のSTARVISという事なのですが、車載の360°カメラの場合には車内と車外の明暗差が厄介な問題として存在し、単眼レンズで両方を撮影するとどちらかが白飛び、黒潰れし易くなります。

強烈なHDR処理を行うのが最も効果的な対策かと思うのですが、このモデルはWDRモデルですのでやや明るさを抑えてあるものの、白飛び耐性はそれほど高くはありません。(まぁ、許容範囲ではあります)

リアは100万画素であんまり綺麗ではないですが、後続車両のナンバーくらいなら認識出来てます。(距離にもよります)

昼間はそれほど白飛びしない感じです。

 

夜間についてはもちろん通常のドラレコよりも明るいですが、暗視には特化していないので暗い場所での視認性はそれほど高くありません。(暗い場所だと車内は真っ暗ですね)

周囲に街灯がある場所ならそれなりに映りますが、真っ暗に近いところだと厳しい感じでした。

リアカメラはかなり明るい部類には含まれると思いますが、中間距離での後続車両のヘッドライトの絞りが全く効かないのが弱点ですね。(ある程度接近すると絞られてきます)

駐車監視の仕様について

このモデルの駐車監視の仕様は5fpsの前後常時録画となり、付属の3芯ケーブルのACC側からの給電状況で駐車監視モードの出入りを管理しています。

ナンバー認識精度はリアは問題ありませんが、フロントは半天球でも8Kくらいの解像度がないと厳しいです。

コペンの場合には軽自動車なのでぶつかるくらいまで接近してくればどうにか…、と言ったところですが普通車ではかなり厳しいかと思います。

なお、駐車監視中はレンズ周りの赤外線ライトが点灯しますので、真っ暗でも車内と周辺至近距離は比較的明るく映ります。

試しに外部電源の「UPS300」で延々と駐車監視をしてみましたが、赤外線ライトの電力がそこそこ大きい為か、5.5時間程度で電源が落ちました。(2カメラドラレコとしてはそこそこ消費電力が大きい)

ナンバー認識が怪しいので当て逃げ対策としては微妙ですが、イタズラなどの防犯目的ならかなり有効かと思います。

動画のファイルサイズと形式

2カメラ録画時のファイルサイズは、フロントが250MB/分、リアが50MB/分の計300MB/分ですので、1時間では18GBの録画容量を使用します。

録画解像度はフロント「1632×1632」の266万画素でビットレートは20500kpbs、ビット÷(ピクセル×フレーム)は0.256です。

リアに関しては「1280×720」の100万画素で6500kbps、ビット÷(ピクセル×フレーム)は0.237です。

通常のドラレコのビット÷(ピクセル×フレーム)は2.0以下なので圧縮率が低く劣化の少ない保存方法ではありますが、録画容量は大食いになりますね。

まとめ

このモデルの特徴をまとめると以下の通りとなります。

◆良い点

①半天球モデルの弱点であった後方の視認性を別体のリアカメラでカバー

②本体がコンパクトで高さがない為、レンズ部分を上方に持ってくる事が出来るので、他の半天球モデルよりも有効な視野角が広い

③リアカメラのの白飛び耐性はそこそこある

④夜間の明るい場所はSTARVISらしさを感じるが、常時録画は暗視能力には特化していない

⑤WiFiモデルの為、車内での動画確認は容易

⑥駐車監視は赤外線ライトの照射+STARVIS機能がオン?になり、暗視能力が上がる

 

◆悪い点

①通常の360°ドラレコと同様にナンバー認識はほぼ不可能

②WDRモデルの為、フロントは昼間の白飛び耐性は高くない

③リアカメラのヘッドライトの防眩機能が弱い

④PCビュワーがない

 

何か新しい情報が入り次第記事更新します。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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