こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
MR-Sでサーキットを走る頻度を上げることにしたため、先日テクノプロスピリッツのロールバーを取り付けました。
ロールバーの装着によってボディ剛性と安全性は向上しましたが、当然ながら10kgほど重量が増えます。
そこで今回は、その重量増を少しでも相殺するために、MR-Sの鉛バッテリーをSHORAIのリン酸鉄リチウムバッテリー「LFX24L3-BS12」に交換します。
単純な車両重量だけを見ると、ロールバーとバッテリー交換を合わせても若干の重量増になります。
ただし、今回軽量化するバッテリーはMR-Sの後方に搭載されています。
一方、ロールバーの重心は後輪よりも前側にあります。
そのため、単純に車重を軽くするだけではなく、リア側の重量を減らして車体中央寄りに重量を移す方向になります。
MR-Sはもともとリア寄りの重量配分で、前期型では参考値としてフロント40.4%、リア59.6%程度とされています。
つまり今回の変更では、車両全体では若干重量が増えるものの、リアヘビーな重量配分をわずかに改善し、重量物を車体中央側へ寄せることになります。
数kg単位の変更なので劇的な差が出るとは思っていませんが、理屈の上では運動性には良い方向に働くはずです。
今回使用したバッテリー
今回使用したのはSHORAIのリン酸鉄リチウムバッテリー「LFX24L3-BS12」です。
- SHORAI LFX24L3-BS12
- 実容量:8Ah
- CCA:360A
- 最大充電電流:24A
- 重量:約1.6kg
- BMS(バッテリーマネージメントシステム)搭載
「24」という型番から24Ahのバッテリーに見えますが、この24Ahは鉛バッテリーの始動性の換算値で、実際の容量は8Ahです。
この点は普通の自動車用鉛バッテリーから交換する場合には特に注意が必要です。
今回使用した部材
今回は既存のバッテリーターミナルにも汚れや劣化が見られたため、リチウムバッテリーへの交換と同時にターミナルも新品へ交換しています。
使用した工具・資材
- インパクトドリル
- ラチェットレンチ
- 1000番の耐水ペーパー
- テサテープ
なお、今回のMR-Sには長期間乗らない場合のバッテリー上がり対策としてキルスイッチも取り付けていますが、こちらについては別の記事で紹介します。
SHORAI LFX24L3-BS12への換装手順
純正バッテリーを取り外す
まずは鉛バッテリーを取り外します。
バッテリーターミナルは必ずマイナス側から外し、その後プラス側を外します。
マイナス側を先に外す理由は、作業中のショートを防止するためです。
バッテリー交換時にマイナス端子から外す理由については、以下の記事で詳しく解説しています。
バッテリー固定ステーと台座を取り外す
続いてバッテリーを固定しているステーを外し、純正バッテリーを車両から降ろします。
バッテリーの下にはプラスチック製の受け皿がありますが、これも一旦取り外します。
この受け皿は少し加工したうえで再利用します。
プラスチック製の受け皿を取り外すと、その下に金属製のベースがあります。
長年バッテリーの下に隠れていた部分なので結構汚れていました。
せっかくバッテリーを外したので、この機会に清掃しておきます。
Jフック用の穴を開ける
SHORAIバッテリーは純正バッテリーよりもかなり小さいため、そのままでは純正の固定方法を利用できません。
そこで今回はM6、長さ180mmのJフックを2本使用して固定します。
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金属製のベースにJフックを通すため、赤丸で示した2ヶ所にインパクトドリルで穴を開けます。
穴の位置は、バッテリーを設置した際にJフックが無理なく垂直に立つ位置を確認して決めました。
純正のプラスチック製バッテリー皿を加工する
Jフックを追加すると、純正のプラスチック製バッテリー皿と干渉します。
そこでJフックが通る部分に切り欠きを入れます。
必要以上に大きく削る必要はなく、Jフックが干渉せずに通る程度で十分です。
加工後はプラスチック製の受け皿を元の位置に戻し、Jフックを先ほど開けた穴に通して固定ステーと仮組みします。
固定ステーにテサテープを貼る
SHORAIのバッテリーケースは、純正の鉛バッテリーとは形状も材質も異なります。
金属製の固定ステーを直接当てるとケースに傷が入る可能性があるため、ステーのバッテリーと接触する面にテサテープを貼りました。
傷防止とわずかな緩衝材の役割を狙ったものです。
古いバッテリーターミナルを新品に交換する
今回、車両側のバッテリーターミナルもかなり汚れていました。
せっかく新品のバッテリーに交換しても、ターミナル部分の接触抵抗が大きければ電圧降下などの原因になります。
そこで今回はエーモンのバッテリーターミナル、品番8855に交換しました。
ターミナルを交換する際には、ケーブル側の接触部分も1000番程度のペーパーで軽く研磨し、表面の汚れや腐食を落としておきます。
接点部分なので削り過ぎる必要はありません。
表面をきれいにして金属面を確実に接触させるのが目的です。
SHORAIバッテリーを台座にセットする
加工した純正のバッテリー皿を元に戻し、その上にSHORAI LFX24L3-BS12をセットします。
純正バッテリーに比べるとかなりコンパクトなので、この段階ではまだ固定せず、端子やケーブルの位置関係を確認します。
端子アダプターとターミナルを取り付ける
ここは取り付け順に注意が必要でした。
先にJURANの端子アダプターをSHORAIバッテリーへ取り付けてしまうと、固定ボルトが干渉して車両側のバッテリーターミナルを入れにくくなります。
そのため、
- JURANの端子アダプターに車両側のターミナル端子を取り付ける
- 端子アダプターとターミナルを組み合わせた状態でSHORAIバッテリーへ取り付ける
という順番で作業します。
先にターミナルとアダプターを組んでしまうのがポイントです。
バッテリーを固定する
最後に2本のJフックと固定ステーを使ってバッテリーを固定します。
バッテリーが前後左右に動かないことを確認しながら左右を均等に締め付けます。
必要以上に強く締め込んでバッテリーケースへ無理な力を掛けないように注意します。
最後にプラス側、マイナス側の順に車両へ接続します。
これでSHORAI LFX24L3-BS12への交換は完了です。
リチウムバッテリーの運用上の注意
ここからが今回のバッテリー交換で最も重要な部分です。
SHORAIは非常に軽く、始動性能も十分ですが、普通の自動車用鉛バッテリーと全く同じ感覚で扱えるわけではありません。
実容量は8Ahしかない
今回使用したLFX24L3-BS12は型番に「24」と入っていますが、実容量は8Ahです。
24Ahは鉛バッテリー換算の容量表示です。
つまり、エンジンを停止した状態で電装品を使用したり、車両の暗電流によって放電させたりした場合の余裕は、一般的な自動車用鉛バッテリーよりかなり少なくなります。
毎日のように乗る車なら大きな問題になりにくいでしょうが、週末しか乗らない趣味車では注意が必要です。
深放電させないことが重要
リン酸鉄リチウムバッテリーを長持ちさせるうえでは、深放電を避けることが非常に重要です。
今回使用したモデルにはBMSが搭載されており、電圧が低下すると端子を遮断して過放電からバッテリーを保護する機能があります。
ただし、これは「バッテリーを上げても問題ない」という意味ではありません。
BMSによる保護が作動するところまで頻繁に放電させるような使い方そのものを避けた方が良いでしょう。
最大充電電流は24A
LFX24L3-BS12の最大充電電流は24Aです。
一方で実容量は8Ahなので、
24A ÷ 8Ah = 3C
となります。
最大値で考えると、容量に対して3C相当のかなり大きな充電電流を許容する設計です。
もちろん車両に取り付けたからといって、オルタネーターから常に24Aが流れ続けるわけではありません。
ただし、深く放電した状態では充電側との電位差が大きくなるため、私は「深放電させてから一気に充電する」という使い方をできるだけ避けたいと考えています。
深放電そのものがバッテリーへの負担になりますし、その後に大電流で充電する運用まで繰り返せば、寿命の面で有利とは考えにくいためです。
したがって、このバッテリーは「上がったら走って充電すればいい」という鉛バッテリー的な使い方ではなく、そもそも深く放電させない運用を前提にした方が良いでしょう。
週に1回程度しか乗らないなら暗電流対策をしたい
特にMR-Sのような趣味車で、週に1回程度、あるいはそれ以下しか乗らない場合には暗電流対策が重要になります。
ECU、時計、セキュリティなどはエンジンを停止していても少しずつ電気を消費します。
鉛バッテリーなら気にならない程度の暗電流でも、実容量8Ahのバッテリーでは相対的な影響が大きくなります。
そのため私の場合、週に1回程度しか動かさないのであれば、キルスイッチとの併用は必須レベルだと考えています。
キルスイッチの取り付けについては、今回の記事とは分けて別途紹介します。
まとめ
今回はMR-Sの純正鉛バッテリーをSHORAI LFX24L3-BS12へ交換しました。
リチウム化の最大のメリットは、何と言っても大幅な軽量化です。
しかもMR-Sの場合、バッテリーは車体後方に搭載されています。
今回ロールバーを追加したことで車両全体としては若干重量が増えていますが、後方にあるバッテリーを大幅に軽量化し、代わりに後輪よりも前側にロールバーの重量が増えています。
そのため総重量だけを見るよりも、重量物を車体中央側へ寄せる方向の変更になっています。
もともとMR-Sはフロント40.4%、リア59.6%程度とリア寄りの重量配分ですから、今回の変更はわずかながら前後重量配分の改善にもつながるはずです。
サーキットでその違いを体感できるかどうかは分かりませんが、少なくとも重量配分という意味では悪い方向ではないでしょう。
一方で、SHORAI LFX24L3-BS12の実容量は8Ahしかありません。
軽い代わりに、駐車中の暗電流や深放電には鉛バッテリー以上に気を使う必要があります。
特に週末しか乗らないMR-Sでは、取り付けて終わりではなく、放電させないための運用まで含めて考える必要があります。
次回は、このSHORAIバッテリーを長期間安心して運用するために取り付けたキルスイッチについて紹介します。



















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