ドラレコ最強とは、単にスペックが高い製品ではなく、画質・信頼性・駐車監視・放熱設計を高いレベルで成立させたドライブレコーダーのことです。
こんにちは!ドライブレコーダー専門家で開発にも携わっているLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。
iRecoの発売まで、いよいよあと1ヶ月となりました。
振り返ると、ここまでの開発は決して順風満帆ではありませんでした。
設計のやり直しや開発の調整など、色々な問題がありましたが、ようやくここまで来たというのが正直な気持ちです。
私はこれまで11年間、数百機種以上のドライブレコーダーをレビューしてきました。
その中でずっと感じていたことがあります。「本当に最強と言えるドラレコがない」
- 画質が良いモデルはある。
- 駐車監視が強いモデルもある。
- 価格が安いモデルもある。
しかし、すべてが高いレベルで揃ったドラレコは、なかなか存在しません。
そこで私は、「本当に最強のドラレコを作るにはどうすればいいのか」というテーマで、iRecoの開発を始めました。
結論:最強のドラレコとは「スペック」ではなく「設計思想」
結論から言うと、最強のドラレコとは単純にスペックが高い製品ではありません。
本当に重要なのは次の4つです。
- 夜間でもナンバーが確認できる画質
- 長時間録画に耐える信頼性
- 駐車監視でもバッテリーに負担をかけない設計
- 高温環境でも安定する放熱設計
私はこれまで11年間、数百機種以上のドラレコをレビューしてきましたが、これらをすべて高いレベルで満たす製品はほとんど存在しません。
そこで私は「ドラレコ最強とは何か」を考えながら、iRecoの開発を進めてきました。
しかしその過程で、最初に一つの落とし穴がありました。
ドラレコ開発で最初に起きた行き違い
iRecoの開発では、最初にかなり細かい要求仕様書を提示していました。
- 4K高画質
- STARVIS2センサー
- 3カメラ構成
- 超速起動
- レーダーによる電源管理
- 長時間駐車監視
- 高い放熱性
- 消費電力の最適化
このように、一般的なドラレコの企画書よりもかなり踏み込んだ内容まで指定していました。
そのため私は、ここまで細かく要求仕様を書けば、製品思想も伝わるだろうと考えていました。
しかし実際には、そこに一つ見落としがありました。
仕様は伝えていても、その仕様の背景にある「思想」や「優先順位」までは十分に共有できていなかったのです。
例えば私の中では最初から、
- ナンバー認識を重視した画質設計
- 長時間録画を前提とした信頼性設計
- 駐車監視の消費電力を抑えるための電源設計
- 証拠能力を最優先にした撮影思想
といった考えがありました。
しかしそれを
- 「なぜその仕様が必要なのか」
- 「何を最優先にしているのか」
という形では、十分に言語化して伝えていなかったのです。
ドラレコ業界ではスペック → 製品という順番で開発が進むことが多く、開発メーカー側ではその仕様をもとに一部のパーツを先に発注してしまっていました。
つまり、仕様書の情報量は多かったものの、その背後にある思想の優先順位までは共有しきれていなかったために、設計が私のイメージと少し違う方向に進み始めていたのです。
これは誰かが悪いという話ではありません。
ドラレコ業界ではよくある開発スタイルだからです。
しかし私が作りたかったのは、スペック主導のドラレコではありませんでした。
ドラレコ最強とは何か?レビュー11年で見えた条件
多くのドラレコは
- 解像度
- センサー
- 価格
などのスペックから設計されます。
しかし本来の製品開発は
- 思想 → 設計 → スペック
という順番のはずです。
私がレビューを続ける中で見えてきた、最強のドラレコに必要な条件は次の通りです。
- 夜間でもナンバーが読める画質
- 長時間録画でも壊れない信頼性
- 駐車監視でもバッテリーに優しい設計
- 高温環境でも安定する放熱設計
多くのドラレコはこのうちどれか1つしか強くありません。
しかし本当に最強と言えるドラレコは、これらすべてを高いレベルで満たす必要があります。
開発を止めて設計をやり直した理由
スペックと思想のズレに気付いたとき、私は開発メーカーにお願いして一度開発を止めてもらいました。
すでに部品が動いている状況だったため、これは簡単な判断ではありません。
しかしメーカー側の社長は非常に男気のある方で、「それなら設計を見直そう」と決断してくれました。
エンジニアの方々も非常に真面目で優秀で、さらに問題解決能力が非常に高いチームでした。
設計の課題が出ても一つ一つ丁寧に検証し、解決策を積み上げていく姿勢は非常に印象的でした。
また営業担当の方も細かな部分まで気を利かせて動いてくれて、結果として非常に良いチームで開発を進めることができました。
自分では当たり前だと思っていた開発スタイル
この経験を通じて、もう一つ気付いたことがあります。
私はこれまで「良い製品を作るなら当然こうするもの」という感覚で開発を進めていました。
- まず製品の思想を決め
- そこから設計を考え
- 最後にスペックを決める
しかし後から聞くと、このやり方はどうやらAppleやPorscheのようなプロダクト思想型の開発に近いスタイルらしいのです。
もちろん私はそんな大層なことを考えていたわけではありません。
ただ単に「ドラレコを作るならこうあるべき」という当たり前のことを、当たり前のようにやっていただけでした。
ドラレコ最強とはスペックではなく思想
「ドラレコ最強」という言葉はよく使われます。
しかし本当に重要なのはスペックの高さではありません。
- 証拠能力
- 信頼性
- 駐車監視
- 長期間の安定動作
これらをバランス良く成立させることです。
そしてそのためには要求仕様を細かく出すことだけでなく、その背景にある思想と優先順位を開発チーム全体で共有することが重要だと、iRecoの開発で学びました。

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