ポルシェ981ボクスターGTSに2年乗って分かった、ロードスター/アバルト124スパイダー/MR-S/コペンとの決定的な違い

981ボクスターのブログ

こんにちは!LaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

筆者はポルシェ981ボクスターGTSに2年以上乗ってきましたが、これまで初代コペン、NCロードスター、アバルト124スパイダー、トヨタMR-Sといったライトウェイト・オープンスポーツもいくつか乗り継いできました。

当たり前ですが実際に乗り比べてみると、それぞれのキャラクターは驚くほど異なります。

一言でまとめるなら、981ボクスターGTSは「走りの完成度と快適性の両立」が突出している一方で、国産ライトウェイト勢が持つ“操る楽しさ”は別の次元にあると感じます。

本記事では、981GTSとこれらライトウェイトスポーツカーの違いを、走行性能・サウンド・電子制御・長距離ツーリング性能などの観点から、筆者の実体験を交えて詳しく紹介します。

981ボクスターGTSを購入した理由

もともと私はオープンカーが好きで、これまで所有してきたライトウェイトスポーツもすべてオープンモデルでした。

当初はポルシェに特別な興味があったわけではありませんが、あるとき知人の911の助手席で乗せてもらった際、その圧倒的な走行安定性に衝撃を受けたのがきっかけです。

それ以降、「オープンでありながら高い走行性能を持つ車」として981ボクスターGTSに興味を持ち、購入を決めました。

シャシー性能と走行安定性の高さ

981ボクスターGTSは、足回りやボディ剛性、電子制御などあらゆる要素が高いレベルでまとめられており、高速道路やワインディングでも常に安定した挙動を保ちます。

筆者の車両はスポーツシャシー(-20mm)仕様で、車高が低く重心も下がっているため、旋回時の安定性と応答性が抜群です。

ワインディングでは軽快かつ正確な動きを見せ、国産ライトウェイトスポーツとは異なる一切の不安定さを感じない完成された走りを感じます。

高速安定性と乗り心地はボクスターが圧倒的

981ボクスターGTSは、高速道路での直進安定性と乗り心地のバランスが非常に優れており、長距離移動でも疲労感が少ない点が特徴です。

筆者はここ2年連続で北海道ツーリングに参加していますが、この違いは特に明確に感じられました。

以前、アバルト124スパイダーでツーリングした際は、社外スプリングによって純正よりも硬めの足回りに交換していた事もあり、長時間の移動で路面の細かい入力が体に蓄積し、明らかな疲労感がありました。

北海道は高速道路や直線的な国道が非常に長く続くため、こうしたサスペンション特性は快適性と疲労度に大きく影響します。

一方で、981ボクスターGTS(スポーツシャシー仕様)ではそのような疲れをほとんど感じません。

スポーツシャシーは硬めではありますが、シャシー剛性とサスペンション全体の完成度が高く、不快な突き上げや細かい振動を上手くいなします。

加えてキャビンの広さ、シートのホールド性・クッション性も優れており、長距離でも体への負担が少ないと感じます。

オープン走行の利便性:電動ソフトトップの快適さ

981ボクスターは電動ソフトトップを採用しており、走行中の低速時でもボタンひとつで開閉が可能です。

ロードスターやアバルト124スパイダーの手動幌も優秀ですが、頻繁に開け閉めをする日常使用では電動式の便利さが際立ちます。

MR-Sや初代コペンは幌やルーフの開閉に一手間かかるため、気軽に「ちょっと開けて走る」感覚ではボクスターが圧倒的に快適です。

高回転NAの快感は唯一無二

981GTSには、3.4リッターの高回転型NAフラットシックスが搭載されています。

レブリミットは7,800rpmに設定されており、タコメーターの赤線はほぼ7,600rpm。

7800rpmまで一気に吹け上がるレスポンスと、そこから放たれるエグゾーストサウンドは非常に官能的です。

特に981ボクスターGTSのサウンドは、低音と高音が絶妙に調和している点が大きな魅力です。

 

718スパイダー(4.0L NA)のやや野太いサウンドや、GT3のように高音寄りでシャープなサウンドとは方向性が異なり、981は重厚な低音と甲高い高音が自然に溶け合い、耳に心地よい伸びやかさを感じます。

GT3がレーシーで硬質な高音を主軸にしているのに対し、981は中高域の厚みと高音の抜けがバランス良く共存しており、個人的にはこの世代のサウンドが最も完成されていると感じます。

さらに、減速時のバブリング音も魅力のひとつです。

アクセルオフ時に「パンパン」と心地よく響くバブリングは、NA特有のレスポンスとスポーツエグゾーストの組み合わせによるもので、718ターボモデルの人工的なサウンド演出とは異なり、とても自然でドライバーの操作にシンクロします。

この音を聞きたくて、ついシフトダウンやアクセルオフを楽しんでしまうほどです。

ポルシェの何が凄いのか

一言でいえば、「走りの完成度と快適性の両立」に尽きます。

981ボクスターGTSは、足回り・ボディ剛性・電子制御・エンジンレスポンスなど、あらゆる要素が高い精度で仕上げられており、公道・高速道路・ワインディングといったさまざまなシーンで、常に安定した挙動と快適な乗り味を保ちます。

限界域が高く、多少ラフな操作をしても破綻する気配がなく、常にドライバーを包み込むような安心感があります。

ただし、この「余裕のある性能」は、公道では持て余し気味ともいえます。

軽量ライトウェイトスポーツのように、低速でも車を振り回して性能を使い切る楽しさは薄く、操っているという感覚よりも「車に守られながら速く走る」印象が強いです。

新しい世代のポルシェとの違い

981ボクスターGTSに乗っていると、「これよりも新しい世代はどうなのか」という疑問も湧いてきます。

実際には、992や718といった新しい世代では、走りの完成度と快適性がさらに高い次元に引き上げられています。

これはポルシェだけでなく、自動車メーカー全体が進んでいる方向と一致していると感じます。

近年はEUの排ガス・騒音規制が厳格化しており、ポルシェもその流れに沿ってダウンサイジングターボ化を進めてきました。

GT3やGT4などの特定モデルを除けば、自然吸気エンジンは姿を消し、エグゾーストサウンドの感応性や高回転の伸びといったNAならではの魅力は希薄になっています。

筆者はかつて、992前期型カレラのレンタカーを1日借りたことがあります。

箱根ターンパイクを軽く流した程度でも、車の完成度の高さはすぐに伝わってきました。

とにかく快適で、直進・コーナリングともに揺るぎない安定感を示し、加速性能も非常に高い水準です。

特にコーナリング出口での姿勢とトラクションの掛かり方は印象的で、どんな状況でも自然に路面を捉えながら前へ押し出していく感覚がありました。

その一方で、刺激や楽しさといった感覚は驚くほど少なく、安全で速いけれど「操っている感覚」は981世代に比べると薄いと感じました。

こうした背景もあり、981世代のボクスター/ケイマンや991前期のカレラ系が今でも根強い人気を保っているのは自然なことだと思います。

走行性能と快適性を高いレベルで両立しつつも、自然吸気ならではのフィーリングとドライバーとの一体感が残っているのが、この世代の大きな魅力です。

主要スペック比較表

車種 エンジン形式 排気量 最高出力 車重(kg) パワーウエイトレシオ(kg/PS) レブリミット 駆動方式 備考
981 ボクスター GTS(PDK) 6気筒水平対向 NA 3,436cc 330PS/7,400rpm 約1,395kg 約4.2kg/PS 7,800rpm MR スポーツシャシー仕様、NAの完成形
トヨタ MR-S(前期 MT) 4気筒 DOHC NA 1,796cc 140PS/6,400rpm 約960kg 約6.9kg/PS 7,000rpm前後 MR 圧倒的な軽さと素直な挙動
NCロードスター(2.0 MT) 4気筒 DOHC NA 1,998cc 170PS/7,000rpm 約1,100kg 約6.5kg/PS 7,000rpm FR 軽快なFR、バランス重視
アバルト124スパイダー 4気筒 ターボ 1,368cc 170PS/5,500rpm 約1,130kg 約6.6kg/PS 6,250rpm FR 軽快さ+ターボ特有のトルク感
初代コペン(660 MT) 4気筒 ターボ 659cc 64PS/6,400rpm 約830kg 約13.0kg/PS 8,000rpm FF 軽さと手軽さが魅力のKカーオープン

まとめ:完成度の高さと操る楽しさ、どちらを重視するか

2016年式 981ボクスターGTS(PDK/スポーツシャシー)は、GTカー的な高速安定性とスポーツカーとしての旋回性能を高い次元で両立した仕様です。

一方で、MR-S、NCロードスター、初代コペン、アバルト124スパイダーは軽量・シンプルな構造ゆえに、ドライバーの操作に対する車の反応がストレートで、「操る楽しさ」が際立っています。

どちらが優れているかではなく、楽しみ方の方向性が違うと感じます。

高回転NAの官能と走りの完成度の高さ、快適性の両立を味わいたいならボクスターGTS。

峠で車を自在に振り回し、素の挙動を楽しみたいならMR-Sやロードスター、コペンといった選択肢も魅力的です。

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